弁護士

規制改革会議委員の発言にあきれる。

 坂野弁護士のブログの記事「法務省も認める質の低下」で引用されている

    議事録(法務省ヒアリング)

を読んで唖然とした。あいかわらず、こんなレベルの低い議論をしていたのか・・・・・。

 あきれるを通り越して、なんだか笑ってしまった。これは何かのブラックユーモアか。

 そうか、司法研修所って海軍兵隊学校と同じなのか。

 日本の海軍兵隊学校(※議事録のママ 海軍兵学校の誤記の可能性あり)が少数の粒よりの兵隊をつくろうとしたために、日本は戦争に負けたんだそうだ海軍兵隊学校の教官が怒るだろうにbearing)。

 それと同じで、今の日本の法曹の教育は「質」にこだわっているからダメなんだそうだ。3000人になれば「質が落ちる」に決まっているけど、「質が落ちる」ことを前提にして、割り切ってたくさんの法曹を生み出さなきゃならないんだそうだ(質の悪い弁護士は市場原理によって淘汰されるからそれでもいいんだそうだ)

    (議事録10頁の安念委員の発言参照)

 そして、弁護士は専門性の高い難易度の高い事件をやる弁護士と、貸金の取り立てや離婚みたいな定型的な事件しかやらない弁護士というふうに分化させればいいんだそうだ。そして、定型的な事件なら質が悪くても安い弁護士に頼めばいいんだそうだ。

    (同議事録8、11頁、15頁等の福井委員の発言参照)。

 (ちなみに私は専門性の高いといわれている医療過誤事件も、福井委員が「定型的」といっている離婚事件もやっているが、はっきりいって医療過誤事件だって医療機関側が過失を認めて簡単に示談できる事件はそんなに専門性を要するとは思えない。それに対して離婚事件は全然「定型的」ではない。判例などを分析し検討を要する大変な事件もある。そして、少なくとも事案において全然「定型的」ではない。)

 佐々木参事官は

 「弁護士がさまざまな専門分野を持って、生き生きと多様に働くと、これは理想としてすばらしいと思いますけれども、弁護士としての汎用的、法的なリーガルマインドとかスキルとかを持っていなくて、特定の分野だけできている人を弁護士と言っていいのかというところに重大な疑問を感じます。

 汎用的にできているからこそ、一つの専門分野をいろいろな視点で見られるわけでありまして、そこだけが得意な人というのは弁護士の概念とは多分マッチしていないのではないかと。」

 と言っているが(同議事録17,18頁)、ごもっともである。

 なお、この福井委員の意見は、(たまたま小倉弁護士のブログla_causette経由で知った)経済アナリスト森永卓郎氏のコラム

  医師の数を増やして医療コストを削減せよ

 で、森永氏が「(中高年やお年寄りに多い慢性疾患のみを対象とする)2級医師という資格をつくれ」(慢性疾患の怖さは無視ですかcoldsweats02)とか「(麻酔は歯科医でもできるから)余っている歯科医に麻酔をやらせろ」(麻酔医の先生方に失礼だろうにbearingなどと言っているのと似ている。

 どうやら経済アナリストとか経済学者の方々は「市場原理による淘汰」で何でもかんでも事がうまくいくと思っているようだ。実に単純な思考パターンである。その市場原理に任せたあげく生じる消費者被害(弁護過誤、医療過誤も含む)など全て「自己責任だからしょうがないだろう」と言いそうだ。

            coldsweats01

 こういう方々を相手に議論をしなければならない佐々木参事官(法務省参事官、元司法研修所教官、元裁判官)をつくづくお気の毒に感じた。

過去の関連記事:規制改革・民間開放推進会議の中間答申が出る。

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第一東京弁護士会・法曹人口等研究委員会の「法曹人口に関する中間報告書」

 第一東京弁護士会の法曹人口等研究委員会作成の「法曹人口に関する中間報告書」をご紹介する(同委員会の委員長神洋明弁護士の了解を頂いている)。

     法曹人口に関する中間報告書

 この報告書は、法務省にも送付されたそうである。

 大変な力作だ。

 法曹人口問題について、これほど体系的に分析された論考は初めて読んだ。

 現在の法曹養成のための教育システム(ロースクール、司法研修所、実務修習、OJT)の実情などはあまり知る機会はなかったのだが、ここまでひどいのかと愕然としてしまった。

 そして、司法審や規制改革会議が弁護士人口についてモデルとしていた諸外国(フランスなど)の弁護士の実情も詳しく紹介されている。

 ぜひ多くの方にお読み頂きたい。

 この報告書の内容については、このブログでも適宜紹介させて頂く予定である。 

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千葉県弁護士会の「適正な弁護士人口に関する決議」

 埼玉県弁護士会、仙台弁護士会に続いて、千葉県弁護士会が「適正な弁護士人口に関する決議」を可決した。

 出席会員140名、賛成84名、反対29名だったそうだ。

 この決議の内容は、千葉県弁護士会のHPにPDFファイルが掲げられている。

       適正な弁護士人口に関する決議

 調べてみると、埼玉県弁護士会の決議もHPで読むことができる。   

   埼玉県弁護士会 適正な弁護士人口に関する決議

 仙台弁護士会のHPでは見つけることができなかったが、

  坂野智憲弁護士のブログ(坂野智憲の弁護士日誌)に決議文が全文掲げられている。

  仙台弁護士会

   司法試験合格者数を年間3000人程度とする政策の変更を求める決議 

 各地の単位会が、総会や常議員会で、こういう声を上げていくことは重要なことだ。

 他の単位会の会員の方々も、ぜひ声を上げて頂きたいと思う。

 マスコミの方々にも、これら決議の提案理由をよく読んでもらいたいものだ。

 少し想像力を働かせれば、過剰な弁護士増員が国民にどういう被害を与えるか理解できるはずだ。

 社説などで弁護士のエゴと簡単に切って捨てる前に、まず資料にあたって頂きたいものだ。

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弁護士人口問題を考えるにはもっとデータの分析が必要だ。

 きょうは、久しぶりに委員会に出席した。

 司法改革問題を議論する委員会である。

 都合がつかずに2回ほど休んでいる間に、山のような資料が配付されていた。

 その資料に目を通すと、実にいろいろなデータが掲載されている。

 新聞などは、諸外国に比べて日本は弁護士が少ないということをよく取り上げるが、

 諸外国では弁護士が多いことについて積極的な評価がなされているのか

 日本では隣接士業(司法書士、行政書士、税理士など)が行っている仕事を諸外国ではどれだけ弁護士が担っているのか

 諸外国では弁護士過疎はないのか

 諸外国では国民一人当たりの司法予算、民事法律扶助予算がどれ位の金額か

 諸外国の国選弁護報酬はどれ位の金額か

などについて語ることは殆どない。

 頂いた資料の中には、これらについて数値を掲げて分析・検討したものもあった。

 しかし、弁護士会の内部資料ということで、公開を許してもらえないのは残念至極である(今後も交渉するつもりではあるが・・・・)。                               

 司法制度改革審議会や規制改革会議が、上記のような項目について十分に調査した上で比較検討していたとはとても思えないのだが。

          Xxx

 千葉県弁護士会が5月の定期総会で「適正な弁護士人口に関する決議」を可決した。

 この決議は、近日中に、このブログの右サイドバーにPDFファイルで載せるつもりである。

他の弁護士の関連記事:

 弁護士人口問題(坂野智憲の弁護士日誌)

 引用させて頂くと(太字、下線は私が付したもの)、

 裁判所所管歳出予算は2000年3186億円が2007年3300億円国家予算に占める裁判所予算の割合は2000年0,375%が2007年0,399%、検察庁予算は2000年1055億円が2007年1048億円、法律扶助事業費補助金は2000年21億円が2007年24億円でいずれもほとんど変わっていない。日本司法支援センター運営交付金は僅かに102億円である。司法審意見書では裁判官及び検察官の大幅増員の必要が明記されたが具体的な数値は示されなかった。その結果、裁判官は平成12年3019名が平成18年3341名、検察官数は平成12年2231名が平成18年2479名と微増にとどまっている。これでは「国民の司法に改めるため国家戦略として取組んでいる」などと言えるはずはなく、「国民の司法を確立するという国民的総意」などなかったことは明らかである。

  ・・・・・・こういう数値を掲げて「国民のための司法改革」を問うたマスコミはあったであろうか。「もっと弁護士を増やせ」と言っても、「もっと裁判官や検察官を増やせ」と言わないのはなぜだろう。もともとは「法曹人口増」だったのが、いつのまにか「裁判官増」「検察官増」が抜け落ちている。

 司法審意見書は、司法の役割について「法の支配の理念に基づき、すべての当事者を対等の地位に置き、公平な第三者が適正かつ透明な手続により公正な法的ルール・原理に基づいて判断を示す司法部門が、政治部門と並んで、公共性の空間を支える柱とならなければならない。」としている。私は、司法の役割についてのこの認識は理念としては全く正しいと考える。しかしそれを現実の政策として実現するには「人」もさることながら、膨大な「物」と「金」が必要である。司法審は「人」の数については、年間3000人、総数5万人という具体的目標とそのプロセスを示したが、「人」の中身と「物」「金」については何ら具体的数字を掲げなかった。そのため「法の支配を津々浦々に」「国民の社会生活上の医師」というフレーズと相俟って、あたかも司法改革イコール弁護士の増加であるかのような誤解を世間に与えてしまった。
  司法審意見書の美辞麗句は耳に心地よいが、平成14年以降の政府の対応を見ればそれが市民を欺く欺瞞であったことは明らかである。一部の財界人と政治家は、アメリカ政府の増員要求と規制緩和万能論に便乗して、安く使い勝手の良い弁護士をビジネスに利用すると共に人権・労働・環境問題などでうるさいことを言う弁護士会を弱体化させようと考えたのであろう。現在司法改革と呼ばれている政策は、このようなネオリベ派が、理想を掲げる弁護士と学者を巻き込んで作り上げたもののように思える。しかし所詮同床異夢に過ぎなかった。

  ・・・・・・大変痛烈だが、これが事実だろう。

 激増政策を支持する者は、法的需要はたくさんある、国民は弁護士人口の増加を望んでいると言う。しかし無料で困り事を聞いてくれる弁護士なら多ければ多いほどよいであろうが、実際に弁護士を依頼するにはコストがかかる。無料法律相談のレベルでの需要とコストを負担しての需要では全く意味が異なる。

 ・・・・・・これが現実というものだろう。

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サンデープロジェクト特集「グレーゾーン金利撤廃は是か非か?」を見て驚いた。

 仕事と家事が一段落したのでテレビをつけたら、ちょうどこれがやっていた。 

 http://www.tv-asahi.co.jp/sunpro/

 消費者金融大激変で日本版サブプライム問題深刻化

 グレーゾーン金利撤廃は是か非か?

 「是」側は、

 木村 達也 弁護士 (全国クレジット・サラ金問題対策協議会 代表幹事弁護士)

 新里 宏二 弁護士(日弁連多重債務対策本部 事務局長・弁護士)

 いずれの方も長年多重債務者救済問題に取り組んで来られたことで有名な弁護士だ。

 「非」側は、

  小林 節 氏 (慶応大学教授) この方は憲法学者。

  植本 栄介 氏 (リベルタス・コンサルティング 副社長)

 番組の特集の紹介を少し引用すると、

  こうした「過払い」「金利下げ」「総量規制」のトリプルパンチの影響で消費者金融を巡る環境は、激変。中小の消費者金融は、この2年で半減し、返済能力が低い顧客への融資を減らす「貸し渋り」に走っている。この結果、資金繰りのメドが立たず倒産に追い込まれる中小零細企業が増え「官製不況」との批判の声もあがっている。

  ところで元々、今回の法改正の狙いは、9年連続、自殺者3万人超えの要因の一つとされる多重債務者問題の解決と「腎臓売って返せ」といった一部業者の強引な取立てが社会問題となったことによるものだ。こうした社会政策上の問題解決を重視して改正された貸金業法であるが、果たしてそれで良かったのか。

  長年、多重債務者問題に取り組んできた弁護士2人とグレーゾーン金利撤廃は、憲法違反と主張する憲法学者、改正貸金業法は、悪法だと主張する経済アナリストをスタジオに招き徹底討論する。

 議論の内容自体は、貸金業法改正の際にも同様の議論がなされていたので、それほど目新しいものではなかった。

 学者や経済界の方々が多重債務者の被害の実態をいかに知らないのか、再認識しただけのことである。

 私が驚いたのは、議論の途中で(司会者の田原総一朗氏から指名された)

 吉崎達彦氏(双日総合研究所副所長・主任エコノミスト)

1960年 富山市生まれ。一橋大学卒。日商岩井株式会社入社後、広報誌編集長、経済同友会代表幹事秘書調査役などを経て現職。

の次のようなご発言。
 私はやっぱり法学部の議論だと思うんですね。ちょっと経済学部的に言うと、なんで被害者救済のために利息制限という方法が必要なのかなと。それは他の手段でできないのかなというふうに、率直に思うんですね。で、利息で制限したら何が起きるかというと、意図せざる金融収縮が起きるか、あるいはアングラ経済が拡大するか(田原氏の発言「ヤミ金ね」)、どっちにしろいい話ではないと思うんですね。
 で、もうちょっと言わして頂くとですね、これちょっと申し上げにくいことなんですが、経済学部ワールドからみると、今の司法に対してすごいその疑問があるんですよ。裁判はへんな判決一杯でるし、検察は国策捜査だし、で、弁護士さんもなんかへんな人一杯いるし、そうするとこの過払請求なんかも実は弁護士さんを儲けさせるためのね、そういう手段なんじゃないかと。

 司法を批判するのはいいが、

 裁判はへんな判決一杯でるし、検察は国策捜査だし、で、弁護士さんもなんかへんな人一杯いるし、

 とは、いかにも抽象的で、何を言っているのか分からない。「へんな判決」「検察が国策捜査をした事件」「一杯いるへんな弁護士」を特定しなければ、こういう報道番組で取り上げるようなまともな発言ではないだろう(ワイドショーのタレントのコメントよりもひどいと思った)。

 そして、その抽象的なわけのわからない司法批判(裁判官や検察官も含むもの)がどうして「過払請求は弁護士を儲けさせる手段」という結論に結びつくのか。

 弁護士が過払請求で儲けたかったら、(むしろ彼らの言い分に従って)グレーゾーン金利が撤廃されない方がいい。

 しかし、多くの多重債務者問題に取り組んできた弁護士が「グレーゾーン金利撤廃」を悲願として、ようやく法改正にこぎつけたのである。法改正に至るまでには貸金業者やその意向を受けた政治家らの激しい抵抗があったのであり、改正は最後の最後まで難航した。

 最近になってこそ、国や自治体が多重債務者救済に力を入れるようになったが、それまではさしたる対策を取るでもなく放任状態。新聞もテレビも有名タレントを使って利息制限法違反の金利を堂々と掲げるサラ金のCMを垂れ流していた。

 銀行の定期預金が0.3とか0.4%の時代。利息制限法の15~20%の金利だって、高いと思う。

 この番組でも小林氏が「金利が2割では貸金業者の経営が成り立たない」と主張していたが、その手の主張は交渉の最中に貸金業者の担当者からよく聞かされる。しかし、借手だって、サラ金から借金をするような人が仕事や事業で2割の利益を上げるのは容易なことではない。2割の利息の返済ができないために、他社から次々と借り入れを繰り返し「多重」債務に陥りやがて破綻する。サラ金はそういう結果になることが分かっていながら貸すのである。

 経済界の人達は、何かと「競争」「自己責任」を強調するが、それは強者の理論である。

 吉崎氏は、

 ちょっと経済学部的に言うと、なんで被害者救済のために利息制限という方法が必要なのかなと。それは他の手段でできないのかなというふうに、率直に思うんですね。

 と言われる。

 「他の手段でできないのかな」の「他の手段」とは何なのか。高金利の貸付を許し、どんどん多重債務者が増えても、破綻したら生活保護などのセーフティーネットがあるからいいだろうということか。ところが、その生活保護だって受給するのは容易なことではないのである(おそらくサラ金の審査よりも厳しいだろう)。なにしろ、本来生活保護を受けるべき人が受けられずに、サラ金からの借金でようやく生活しているなんてこともザラなのだから。

 また、「サラ金がつぶれるとヤミ金が繁栄する」という主張も、法改正のときに貸金業者からさんざん主張されたものである。幸い警察の取り締まりの強化やヤミ金被害の広報のせいか、ヤミ金被害は最近めっきり減っている。ヤミ金被害から振り込め詐欺被害の方にシフトしているようだ。しかし、サラ金の貸し渋りによってヤミ金に手を出すような人が増えないとも限らない。そのためには、更なるヤミ金被害防止の広報活動やヤミ金の取り締まり強化が必要だろう。「ヤミ金を跋扈させないためにサラ金による高利の貸付を許すべき」などという議論は本末転倒というほかない。

 それにしても、こんな吉崎氏のコメントを平気で流すサンデープロジェクトには、本当に驚いてしまった。

 さすが、かつて商工ローン「日栄」をスポンサーにして頻繁に日栄のCMを流していた番組だけのことはある(日栄による過酷な取立問題が発覚したとき、すぐに日栄をスポンサーからはずしたが)。

 なお、最近ワイドショーによく出演されて過払請求案件にも積極的に取り組んでいるアディーレ法律事務所の石丸幸人弁護士なら、私などよりももっとマスコミに受ける素晴らしい反論ができるに違いない。

他の弁護士の関連記事:

 法学部的議論 (la_causette

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新聞社が揃って弁護士バッシングの謎?

 TV局があれだけ揃ってバッシングをしていた光市母子殺害事件のときも比較的冷静だった新聞社が、どうして弁護士増員抑制の動きにだけは揃いも揃って反対の社説を出すのだろう。

 今度はそちらの方に関心が向いてきた。

 PINEさんのおっしゃるように、誰かが、裏原稿を渡してるんじゃないか?

 内容については、あまりに論拠が希薄かつ陳腐で、私はもう反論するのも馬鹿馬鹿しくなってきている。

 今度は、こういう記事がボツネタに紹介されていた。

  河北新報社社説 揺らぐ法曹増員/市民の目線、基本に据えて

 弁護士と医師にまつわる課題には似通った面がある。訴訟社会化の進行と医療の高度化による不足感の高まりと、人材の都市部への偏在だ。安心・安全な社会へ、身近に託せる専門家を欠く状況を放置できない。
 需要の量的増大と質的多様化に見合った増員は必然だ。訴訟をめぐる気質の違いがあるにしても、10万人当たりの法曹人口は欧米に比べ格段に少ない。

 この記事については、地元の仙台弁護士会理事の坂野智憲弁護士が、ブログで詳細な批判を加えておられる。

             clip

 あいもかわらず、過疎地問題と欧米の弁護士人口との比較だ。

 これを書くなら、最低限、医師人口についても欧米との比較を書くべきだろう。それに、裁判官、検察官数の比較も。

 そして、国選弁護報酬の欧米との比較は絶対に書くべきでしょう。

 過去の記事:諸外国の国選弁護の報酬額ー弁護士人口を比較するなら、国選弁護報酬額も比較すべき。 参照。

 どうしてこうも新聞社は「市民」や「国民」は弁護士大量増員を望んでいると断定的に書けるのだろう。アンケート調査でもやったのか。「弁護士をもっと増やしてほしい」という市民からの投書が新聞社に殺到したのか。

 殺到しているのは「ある方々」からの要望でしょう。

 関連記事:

 司法試験合格者数見直しについての新聞の反応 その1 その2(「ひとりごと」さん)

           think

 3月7日の週間法律新聞の「飛耳長目」にアメリカの弁護士についてのジョークが紹介されていた。 

 そのうちのいくつかを紹介。

依頼者「あなたは依頼料の高い弁護士だそうですね。五百ドルで2つの質問に答えてもらえますか」弁護士「もちろんですとも。で、2番目の質問は」

弁護士ばかりを乗せた飛行機がハイジャックされた。犯人いわく、「要求を飲まなければ、一時間に一人解放するぞ」

道路でのリスと弁護士の違い。車でひきそうになったら、運転手はリスなら急ブレーキ、弁護士ならアクセルを踏む。ひいてしまったら、リスなら運転手はバックして生死を確かめるが、弁護士ならバックしてもう一度ひく。

 アメリカの弁護士の市民からの嫌われ方は半端じゃないようだ。

 関連記事:  日本もアメリカのようになればいいんだっ。(PINE's page)

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都会の森

 何年前だったかも忘れたが、「都会の森」という新米弁護士を主人公にしたテレビドラマがあった。もっとも、私はこのドラマを見ていたわけではないので、題名と主題歌が徳永英明の「壊れかけのラジオ」だったということしか覚えていないのだが。

 タイトルだけがなぜか記憶に残っているのだ。

 この「都会の森」を思い出した理由は二つある。

 一つは、昨日ここへ行ったから。

       080220_1248022_3

 実はこの木立の奥は道路なのだ。

     080220_1255012

 名古屋市の伏見にある白川公園です。「ー木のまちかどー」と書いてあるが、中に入るとちょっとした「都会の森」だった。

 ここに行ったのは、直ぐ近くにある名古屋市消費生活センターが実施している「サラ金・多重債務特別相談」の担当だったから。

 愛知県では、グレーゾーン金利廃止を目前にしサラ金等の貸し渋りや貸しはがし等によって更に困窮する多重債務者の続出が予想されるため、その対策として自治体が各地に多重債務者向けの相談所を設置するようになっている。名古屋市消費生活センターもその一つ。

 午後からの相談だったので、早めに事務所を出て昼食をすませ、伏見にも早く到着したので、センター近くにあるこの公園を散歩した。

 きょうは名古屋も暖かく、公園に遠足に来ていた小学生も含め、たくさんの人が散策していた。

 私も木立の中の道を歩いてみたが、久しぶりに土の上を歩いた気がする。少しは運動不足の解消になった。

 これが「都会の森」を思い出した理由の一つ。

 もう一つは、こちらのブログを読ませて頂いたから。

 2/17朝日新聞社説:弁護士増員 抵抗するのは身勝手だ

           (夜明け前の独り言 水口洋介弁護士)

  この記事の中に

  私の事務所に「社会的弱者のためなら,俺は年収400万円で良い。だからノルマを下げて欲しい。稼げって言うな。」と言っていた元気の良い若手弁護士(青年のユニオンとともに闘う純粋な青年弁護士です!)がいます。でも,その話を聞いて,うちの事務局は真っ青になりました。「私らの給料とボーナスはどうなるのかしら・・・・」って。(で,彼は心を入れ替えて今は人一倍,稼いでいます)

 という一節がある。

 この青年弁護士の話で「都会の森」を思い出したのだ。

 ドラマの方は見ていないので、私の連想がドラマのストーリーと関係があるわけではない。

 この青年弁護士は私が想う「都会の森」をめざしていたのだなあ、と単にそう思ったのである。

 しかし、水口弁護士の書いておられるのが現実である。 

     

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          (公園内のウサギの銅像)

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         (公園内の噴水)

  昨日は本当に暖かな一日だった。  

  春が近いのを感じる。

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論考「法曹人口問題についての一考察」のご紹介

 以前このブログの記事で、「どなたか本当の司法改革評論家の方いませんか?」と書いたが、いましたよ。適任の方が!!

 その人は、坂野真一弁護士が「早すぎた天才」と紹介されていた兵庫県弁護士会の武本夕香子弁護士です。

 私は、先週出席した委員会で配布された武本弁護士の「法曹人口問題についての一考察」という論文を読ませて頂いて大変感銘を受けた。

 まず驚いたのは、各種アンケート結果の緻密な分析である。

 平成18年10月に実施された日弁連による企業・官公庁・地方自治体の求人動向アンケート、市民の法的ニーズについてのアンケート、中小企業ニーズについてのアンケートのことについては、以前の記事に書いたが、私自身はなかなかそれを分析して記事にすることができなかった。

 それを武本弁護士はみごとに分析して論考にされている。

 更に驚いたのは、平成12年に司法改革審議会が実施した市民を対象とする弁護士ニーズについてのアンケート結果である。これは広く公表されることもなく、ほとんど無視されて同審議会の議論が進められたということである。

 この他にも、日本と諸外国の審理期間を比較して、本当に「日本の裁判は長い」のか等も検証されている。

 新聞各社の論説委員や記者は、こういうデーターにあたってから記事を書いて頂きたい。

 武本弁護士は多くの文献を読み、分析し、論考を進めている。

 仕事のかたわら、こういう作業をするのは本当に大変だっただろうと思う。

 そういう緻密な作業を、本職である大新聞社の論説委員や記者はやっているのか!? 

 今までの社説や記事を読む限り、ただただ弁護士に対する反感をむき出しにするものが多い(読者の弁護士に対する反感をあおっているとしか思えないものが多い)。

 過疎地問題にせよ、被疑者国選の問題にせよ、前提事実を正確に把握した上での冷静な論評は極めて少ない。

 新聞記者であれば、最低限、この武本弁護士の論文を読んでから、社説なり記事なりを書いて頂きたい。

            Birthflo08 

 さて、私は、武本弁護士に上記「法曹人口問題についての一考察」をこのブログで紹介させて頂きたいとお願いしたところ、快諾を頂くことができた。

 同論文は右サイドにPDFで掲げてある。

 また、このブログでも少しずつ引用させて頂きながら、紹介するつもりである。

 多くの方に読んで頂きたいと思う。

 

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「弁護士の年収1600万円」は本当なのか?

 またまた朝日新聞が

    弁護士増員―抵抗するのは身勝手だ

という社説を出している(ボツネタ経由)。

 やれやれ、新聞社(ないしはその背後にある勢力)は弁護士をどうしても増員したいらしい。それなら、「法化社会」の実現のために、まず新聞社自身が率先して100人でも200人でも企業内弁護士を雇ったらどうなのか。

 朝日新聞は、

 弁護士が就職難というのも、額面通りには受け取れない。弁護士白書によると、弁護士の年間所得は平均1600万円らしい。弁護士が増えれば、割のいい仕事にあぶれる人が出る。だから、競争相手を増やしたくないというのだろうが、それは身勝手というほかない。

 と書いている。

 この年間所得が「平均1600万円」というのは、2006年版弁護士白書によるものらしいが、平成18年の厚生労働省 賃金構造基本統計調査等を元にする統計集計では772万円である(年収ラボ参照)。

※ 朝日新聞は、どうしてこの最近の772万円の方も弁護士の平均年間所得として書かないのだろう?

 2006年版弁護士白書と平成18年の厚生労働省 賃金構造基本統計調査による年収の違いは、調査の時期の違いや調査対象の違いにより弁護士の年収が下がったとみることもできようが、私は、2006年版弁護士白書の年間所得平均1600万円の元になっている日弁連実施のアンケート調査自体の信用性に疑問があるのではないかと考えている。

 思うに、このアンケートに回答した弁護士は、自分の年収に自信のある方(年収が何億もあるという渉外事務所の経営者弁護士なども含む)が多いのではなかろうか。

 そもそもアンケートに答えるのは面倒くさいし、日弁連執行部に対する反感もあるし、日弁連の実施するアンケートに自分の年収を書くのは恥ずかしいし(誰が見るかも分からないし)・・・。

 自慢できるような年収のない弁護士はアンケートに回答しないことが多いのではないか。

 かくいう私もこの手のアンケートに回答したことがない(自慢できることじゃないけど。でも別に強制ではないので・・・)。  

                 Yajirobei_mini_2               

 ちなみに、大手新聞社・出版社の記者は30代前半で年収は800~1,000万円相場、新人記者でも600~700万円部長クラスになると1,500万円なんだそうだ(年収ラボ参照)。 

 しかも、弁護士と違って、厚生年金だし、組合管掌健康保険だし、高額の退職金も保障されている。

 それから、弁護士のように収入から弁護士会の会費(月3~10万円程度)を支払う必要だってないわけだし。

 私は、新聞記者がそんなに高所得者だとは知らなかった。今では、新人記者の年収は新人弁護士の年収を上回っているのではないか。

 朝日新聞の論説委員は、「弁護士は不当に高所得を得ている。その高所得を維持するために競争をきらっている。」と言わんばかりの論調で弁護士に対する反感をあおっているが、PINEさんじゃないが「アンタに言われたくない」である。

 新聞社は再販制度によって競争から守られている。そして、多大な広告収入によって、記者の給料も高く維持されている。競争原理を排除するために新聞社の公益的使命を言うのであれば、国民のために記者の給料を下げてでも新聞の販売価格をもっと下げたらどうだろう。

 あるいは、新聞の購読料も払えない人達には無料で新聞を配布したらどうだろう。

 えっ、それでは経営が成り立たないって?

 でも、弁護士に「余裕があるからするのでは人権活動と呼ぶには値しない」とおっしゃった新聞社もあったのだから、余裕がなくても新聞社たるもの全国民が新聞を読めるようにすべきでしょう

              Sion1w

 私は、昨日、中日新聞を取るのを断った。朝日新聞も取るつもりはない。

 他の弁護士の関連記事:

 朝日新聞社並みの処遇を用意すれば「法テラス」に人は集まるが、弁護士風情にそんな「並外れた高収入」は許せない?

何と比較するのか。

                    (la_causette 小倉秀夫弁護士)

すごいね、東京新聞もがんばるね。その2。

「弁護士の年間所得は平均1600万円らしい」について

                     (PINE's page )

朝日新聞社説 弁護士増員抵抗するのは身勝手だl(坂野智憲の弁護士日誌)

新聞社の遵法意識と自由経済の理解度について(さんけんブログ)

とんでもない朝日の社説(日々を大切に tamagoのブログ)

更にもっと恐ろしい朝日新聞の社説(坂野真一弁護士)

 ※ 皆さん、怒ってます。

    この怒りを力にできないものか・・・・・。

 

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もう中日新聞(東京新聞)は取らない。

 私は今日決意した。

 20年以上取っていた中日新聞(東京では東京新聞)を来週早々お断りすることにした。

 その後、どこの新聞を取るかまだ決めていないが、おそらくどこの新聞も取らないだろう。インターネットの発達した今の世の中、別に新聞を取らなくても困らないし。長年お世話になった販売店には悪いけれど他に選択肢はない。

 理由は次のとおり。

 2月13日の社説は、多くの弁護士の怒りを買っている。

  私が知っている弁護士ブログだけでも、これだけの批判記事がある。

  すごいね、東京新聞もがんばるね。(PINE's page )

  日弁連新会長 改革後退は許されない (弁護士落合洋司の日々是好日)      

  東京新聞の論説委員は、自らの号令によって、どれだけの数の弁護士が、人権活動のために人生を捧げると予想しているのでしょうか。

 安定した暮らしを保障して欲しければ

 「都会で恵まれた生活」どころの話ではない。

    (以上 la_causette 小倉秀夫弁護士)

 余裕があるからするのでは人権活動と呼ぶには値しない(ろーやーずくらぶ)

 余裕があるからするのでは人権活動と呼ぶには値しないのか?(元検弁護士のつぶやき)

マスコミと弁護士人口問題 史上最悪の社説(坂野智憲の弁護士日誌)

  特に多くの弁護士の怒りを買ったのは、次の2文。

 日本弁護士連合会の新会長を決める選挙では、「安定した生活をしたい」という多くの弁護士の本音が噴出したようだ。

 「生存競争が激化し、人権擁護に目が届かなくなる」ーこんな声も聞こえるが、余裕があるからするのでは人権活動と呼ぶには値しない。

 (太字は私が付した。)

 私は、他の文章については(他の新聞も似たり寄ったりであったので)まあいつもの現実無視の理想論をふりかざした弁護士バッシング記事かと読みとばすこともできたが、この2文だけは断じて許すことができなかった。

 この2文によれば、

  弁護士は、安定した生活をしたいと望んではいけない

  弁護士は、生存競争が激化して余裕がなくなっても、人権活動をしなければならない

 ということである。

※ これは「弁護士の報酬は(僧侶の)お布施と同じ」( by 中坊公平氏)以来の驚きであった。

 私の知人の弁護士は、会長宛に「このような無理解な社説がまかり通っていいものなのでしょうか。これでは、今後、弁護士になる人はいなくなると考えます。」という上申書を提出したほどである。

※ 私はこの社説のせいで弁護士になる人が減るというよりも、弁護士のところに嫁に来たいという人が減るのではないかと思った。何しろ「安定した生活が許されない」職業だそうだから。私がこの社説を読んだ親なら「娘は弁護士の嫁にだけはしたくない」と思うだろう。

 どこを探したらこのような暴論がまかりとおる近代国家が見つかるのだろう。

 弁護士増員の際に必ず引き合いに出されるアメリカか。アメリカの弁護士は、競争よりも人権擁護活動を優先しているのか。

 ボランティアにばかり精を出して生活費を得るための本業(きびしい競争にさらされている本業)を二の次にし生活がままならない人に対し、誰でも「ボランティアはほどほどにして、本業に身を入れなさい。」とアドバイスするだろう。弁護士だってそうアドバイスする。

 しかし、弁護士自身はそうすることが許されないわけだ。 

               Buranko

 この社説は、

  法曹の一翼である弁護士会の路線変更は国民待望の司法改革を危うくする。

 とか、

 しかし、四月に正式発足する日弁連の新執行部が増員に急ブレーキをかけるなら、弁護士会の信頼は失墜し、司法改革が頓挫しかねない。それは国民にとって不幸であり、避けなければならない。

 と述べている。

  へぇー、東京新聞(中日新聞)に読者から「弁護士が増員見直しを主張している。これじゃ、私たちの司法改革があぶない。何とかしてくれ。」という投書が殺到でもしたのか。

 そもそも司法改革の目玉とされる裁判員制度を「待望」している国民がそんなに多いのか。むしろ、廃止を望んでいる国民の方が多いだろう。

 大体、私の知る限りでは、弁護士人口問題とかロースクール制度とかに関心のある一般の方(財界やロースクール関係者は除く)は少ない。

 法テラスや過疎地問題だって、実際に法テラスを利用したり利用しようとしたりする方や交通の不便な地域に住んでおられる方は関心があるだろうが、そうではない方(ロースクールと法テラス関係者は除く)がそれほど関心を持っておられるとは思えない。

             Houki             

 私一人が中日新聞の購読をやめたところで(ついでに毎年3、4回出している名刺広告もやめるからね。少なくとも12,3万円程度の売上減少にはなるだろう。)、天下の大新聞社は痛くもかゆくもないだろうが、私のできるせめてもの抗議である。

 なお、これからは、新聞社がその維持にやっきとなっている再販制度(あまりこの問題については一般の方々はご存じないだろう)についても、時期をみて記事を書くつもりである。

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諸外国の国選弁護の報酬額ー弁護士人口を比較するなら、国選弁護報酬額も比較すべき。

 弁護士人口の増加を主張する方々がまずその根拠とするのは、諸外国の弁護士人口との比較である。

 先頃も朝日新聞が社説で「日本の弁護士の数は欧米に比べて極端に少ない」と書いていた(ネット上では既に読めず)。

 読売新聞は、訴訟社会の先鋒国で莫大な金額の懲罰的慰謝料なんてのも認められているアメリカと比較して

    法曹人口比率 米は日本の18倍

という記事を書いていた。

 しかし、日本には数々の隣接士業(司法書士、税理士、弁理士、行政書士など)が存在すること、日本と他国の法制度の違い(たとえば、登記や戸籍の制度の有無、ADRの発達の程度)、国民の紛争解決の方法についての意識の違いなどを無視して、単純に人口数のみ比較してもはじまらない。

 ただ、単純に人口数を比較するのであれば、新聞各社はこういう比較もして頂きたいものだ。

 国選弁護に対する報酬の大幅増額を求める決議(北海道弁護士連合会)より

 我が国の国選弁護報酬額が低額であることは、欧米各国等の国選弁護報酬と比較しても明らかである。
 日弁連の調査に基づき各国の国選弁護報酬を比較すると、標準モデル事件においては、日本142,000円、アメリカ(連邦)377,300円、アメリカ(ニューヨーク州)314,440円、英国333,085円、カナダ313,180円、オーストラリア242,048円となっている。
 これを時給換算で比較すると、日本4,057円、アメリカ(連邦)10,780円、アメリカ(ニューヨーク州)8,984円、英国11,113円~14,774円、カナダ7,954円~9,943円である。
 もちろん、各国によって刑事法制度が異なることから、単純な比較はできないものの、概ね各国とも弁護活動に要する時間は大差がないようであることなどから、我が国の国選弁護報酬の低さは際だっていることは間違いない。

     (枠内は上記決議からの抜粋、太字は私が付したもの)

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最近のアクセストップ記事がこれとは・・・・・。

 検索してこの記事に到達した方ごめんなさい。

 私は大阪府民ではなく府政についての知識も評論する力もないので、橋下知事関連の記事は今後も書くつもりはない。

 ただ、私も日弁連を逃げ出したくても逃げ出せない(日弁連は強制加入団体のため)ので、大阪府を逃げ出したくても逃げ出せない方にはご同情致しますdespair

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日経新聞の企業内弁護士は国選弁護をやっているのだろうか?

  日経新聞が、

   「弁護士は多すぎ」は本当か 

 という社説を出した。

  弁護士ブログにおいては小倉秀夫弁護士と並ぶ毒舌弁護士の一人、PINEさんが、この社説に対して面白い反論を書いておられる。

   アンタたちに言われたくない。

 PINEさんの批判に尽きるが、私も腹が立ったので少し書くことにした。

 日経新聞は、

 「大幅増員すれば弁護士間の生存競争がひどくなり、人権の擁護・社会正義の実現を目指す仕事には手が回らなくなる」。増員反対派の、こんな言い分にうなずき、法曹は増やさないほうがよいと判断する国民はどれほどいるだろう。

 という。

  日経新聞はアンケートでも取ったのだろうか。

 およそ企業なら、競争が激しくなれば勝ち残るために利潤の上がる部門に力を入れ、不採算部門は切り捨てるだろう。そうしなければ、倒産してしまうからだ。

 およそ自営業者の家庭の主婦なら、家計が火の車で食費の工面すらままならないときに、金にならないボランティア同然の仕事にばかり精を出し、ちっとも売上を上げない夫に対して、それでも「ボランティアの仕事が大事だから、利益の出る仕事を二の次にしてでも頑張って。」と言うだろうか(※)。

 ※ これはたとえ話ではなく、実際の弁護士の家庭で起こりうる(現実にもう起こっている?)ことです。

                 Pencil1

 ところで、日経新聞にはおそらく企業内弁護士がいるだろう。

 上記社説は、

  また、刑事事件で資力に欠ける人などに付ける国選弁護を担当するのは、全弁護士の半分強にすぎない。国選弁護が起訴前から付けられるようになり、さらに刑事弁護の仕事量が急増する裁判員裁判や犯罪被害者の法廷参加の導入が間近なことを考えれば、大変に心配である。

 と言っている。

 よし、そんなに心配して下さるなら、日経新聞の企業内弁護士の方々にも、国選弁護をしっかりやってもらって下さい。

 これから裁判員制度が導入され公判前整理手続が本格的に始まると、1週間や2週間は専念しないとまともな刑事弁護なんてできないよ。

 その間、日経新聞の仕事が二の次になる、なんてことになってもいいんでしょうね。

他の弁護士ブログの関連記事

 弁護士はロボットではありません。(黒猫のつぶやき)

 「「弁護士は多すぎ」は本当か」などと述べる日経の愚かな社説(超初級革命講座)

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韓国のロースクール事情

 きょうは、名古屋は雪だった。

 たいして働いてもいないのに、なんだか選挙疲れしてしまい、連休中は自宅で休養することにした(といっても、かたずけのために事務所に一度は出向く予定だが)。

※ 会長選の選挙結果についての分析や感想は、後日他の弁護士と語らった後に書くつもりである。

 他の弁護士のブログを拝見していたら、小倉秀夫弁護士がこういう記事を書いておられた。

 法科大学院入学者の進路と奨学金の貸倒率と階級的参入障壁

 なんだか難しそうな表題なのだが、要するに、

 今後修習生の就職難、新人弁護士の低収入化が続くと、ロースクール生向けの奨学金の回収率が低下する→奨学金の利率が高まる→家庭環境に恵まれない人はロースクール入学を敬遠する→優秀な人材が集まらなくなる。

 ということらしい。

 確かに、今でも、ロースクールの学費負担は大変だ。加えて、司法試験合格のためにはロースクールだけでなく予備校の学費まで必要らしい。更に追い打ちをかけるように、司法修習生の給与は2010年から貸与制になる。

 本当に経済的に恵まれていない家庭のロースクール生は気の毒だ。

※ これについては、過去に「ロースクール生の悲劇」という記事で紹介し、多くの方にアクセスを頂いた。なお、この記事で紹介したロースクール生の方は無事新司法試験に合格し、東京で弁護士登録されたそうである。

 小倉弁護士の言われるように、本当に奨学金の利率が上がるかどうかは分からないが、ロースクール生の悲劇はますます深刻なものとなっていくだろう。

 小倉弁護士は、

 なお、「法科大学院への財政支援【平成18年度予算】」によれば、学生個人に対する奨学金の融資を除く法科大学院への財政支援の額は64億円強です。これは、年間の国選弁護報酬支払額約20億円の約3倍です。それだけの予算を費やして、無産階級出身者をフィルタリングする機能を働かせていることになります。

 と結んでおられる。

 そうか、ロースクールへの補助金は64億円もあるのか(もっとも、弁護士会が過疎地対策に毎年5億円も出すという記事を先日書いたばかりなので、国の行う財政支援としては驚くほどの数字でもないが)。

 (むしろ、年間の国選弁護報酬支払額の約20億円という少なさにびっくり。)

 補助金はあっても、ロースクールの講師をされている先生方にお聞きすると、多くのロースクールは経営的には赤字なのだそうだ。それでも、法学部(医学部などと比べてコストは低い)に対する人気を維持するためにはロースクールを維持したいらしい。

 今や司法試験合格者数の増加は見込み薄となってきた。合格率が低かったり文部科学省から問題を指摘されているようなロースクール関係者の方々は戦々恐々だろう。

 司法試験合格者数についての新聞の論調には、ロースクール側の意向を反映しているのではないかと疑ってしまうものさえある(私見)。

 これから、法務省と日弁連が改めて弁護士の適正人口に関する検証、司法試験合格者数についての提言をしていくだろうが、それまでにはロースクール側からの強い抵抗にあうだろう。

 しかし、弁護士を利用する国民にとって本当にロースクールは必要なのか。また、法曹をめざす若者にとってロースクールは必要なのか。

 かつての司法試験にも問題はあった。確かに弁護士数も少なすぎる時期があっただろう。

 しかし、司法試験の出題を記憶偏重主義に陥らず法的思考力を試すものに工夫し、法曹の需要やオンザジョブトレーニングの限界を検証しながら合格者数を徐々に増加させ、研修所教育を実務に役立つように充実させるなどすれば、十分に克服可能な課題だったはずだ。

                   Arousok

 ところで、お隣の国韓国でもロースクールが設置されることになったらしいが、これがまた大変なことになっている。

 ロースクール司法百年大計画は前途多難(中央日報)

 この記事は、落合弁護士のブログ弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 「日々是好日」記事で知った。

 どうやら、韓国ではロースクールの認可や定員数の割り当てをめぐって、訴訟にまで発展しているようだ。

 韓国ではロースクールは「定員割り当て方式」を取っていて、当初国立大と私立大が「同盟」して定員総数を「3200人以上」と主張していたらしい。ところが国立大の抜け駆けによってその同盟が破られ定員総数が「2000人」に決まってしまい、定員数の割り当て数が少なくなったロースクールが不満を持ち、訴訟にまで発展したらしい。

◇「相次ぐ訴訟を防ぐことは不可能」=檀国大はこの日、ソウル行政裁判所にロースクールの予備認可拒否の処分取消を求める訴訟を起こした。学校側は「同校出身の弁護士100人が代理人として乗り出した大規模な訴訟だ」と述べた。

 すごい!! ロースクールが弁護士100人を代理人として大規模訴訟をするらしい。

 ロースクール自身が弁護士需要を掘り起こしたわけだ。
 

 この韓国のロースクールのすさまじい定員数獲得闘争や日本のロースクールがもたらしている数々の悲劇を思うと、

 日本でも韓国でも、ロースクールというものが様々な人を不幸にしているような気がします、と言うと、悲観的過ぎるかもしれませんが、そういう印象は拭えません。

 という落合弁護士の感慨に共感してしまう。

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日弁連会長選ー選挙結果

日弁連会長選挙開票結果 仮報告集計表(日弁連HP PDF)

   宮崎候補 9,402票 獲得会  38

   高山候補 7,043票 獲得会  13

                 同点の会  1

 ちなみに、私の所属する愛知県弁護士会は、

   宮崎候補   248票

   高山候補   476票 

     (投票率62.59%)  

 でした。

  両候補、選挙に関わった会員の皆様、本当にお疲れ様でした。

  この結果をどうみるかについては、また落ち着いてから記事を書きたいと思います。

 

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明日は投票日!!

 明日2月8日(金曜日)はいよいよ

      日弁連会長選 投票日

です。

 このブログを読んで下さっている弁護士の方々、お忘れなく。

 今回の選挙は、弁護士だけではなく、裁判員制度の帰趨など一般市民にも大きな影響を与える選挙です。

 派閥やら義理やら○○の圧力などと言っている場合ではありません。

 失敗の歴史を繰り返さぬよう、これ以上あやまちを続けさせぬよう、あなたの貴重な一票を大事にして下さることを期待しています。   

 何も言えない日弁連から、市民と会員のために言うべきことははっきり言う日弁連に変えるのは、あなたの貴重な一票です。         

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弁護士と市場原理と過疎地問題

 週間法律新聞には、中殿政男弁護士(大阪弁護士会会員)の「平成事件譚」という名物コラムがある。これが大変面白い。中殿弁護士は(今までご紹介してきた弁護士ブログのどの毒舌弁護士にも負けないくらい)毒舌