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ねこちか2

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医療過誤

2015年3月27日 (金)

弁護士報酬の衝撃(その2)・・・Twitterもどき(3月27日午前9時15分)

 かなり難しい内容の書面も半分くらい書いた。あとひと頑張り。

 医療被害者(産科事故等により高額の損害が発生する場合を含む)から賠償金の25%(つまり4分の1)の弁護士報酬をもらうことに対して、何の疑問も持たない若い弁護士が多いことにも、私は衝撃を受けた。

 かつて、弁護士会が報酬基準を決めていたとき、その基準でさえ高いということで、一部の弁護士を除いて、多くの弁護士がその基準以下で報酬をもらっていた。

 その後、新自由主義に基づく司法改革の一環として、報酬基準は撤廃され、弁護士が自由に報酬を決めてもいいことになった。

 しかし、自分の報酬を自分で決めるというのは、なかなか難しいものだ。

 そこで、多くの弁護士が、旧基準をベースに自分なりに修正を加えたものを使っているとばかり、私は思っていた。私が一緒に仕事をしてきた先輩弁護士も皆そうだったから。

 でも、現実にはそうでなかったことを最近知った。

 相談窓口は同じでも、相談者がどの弁護士にあたるかによって、請求される弁護士報酬も変わってくるのである(高額賠償の場合、1000万円以上違うこともある)。

 もちろん、弁護士によって経験や能力が違うのだから、「自分はこれだけもらっても当然、」と考える弁護士もいるだろう。

 しかし、多くの場合、事件の結果は弁護士の経験や能力だけに左右されるものではない。それ以外の要因に左右されることも多い。

・・・私は、他の弁護士からいろいろ話を聞いて、正直なところ「自分の報酬低すぎ!」と思ってしまった。

 しかし、医療被害者の窮状を目の当たりにすると、そんなに高額な報酬基準を請求する気にはなれないのである。

 ただ、他の弁護士との関係もあり、共同受任事件については報酬基準をもう一度考え直すことにした。

2015年3月26日 (木)

弁護士報酬の衝撃・・・Twitterもどき(3月26日午後5時10分)

 提出期限の迫った難しい書面を作成中。呻吟中。

 先日、医療過誤事件で弁護士報酬を25%(着手金、報酬金含め。経済的利益の額にかかわらず。)もらっている弁護士がいることを知った。

 ・・・私には衝撃だった。

 報酬自由化というのは、こういうことだ。

 これが高いと思うか、低いと思うかは、人それぞれなんだろう。

2014年5月21日 (水)

腹立たしい証拠保全・・・Twitterもどき(5月21日午後10時50分)

 きょうは、午前中から証拠保全だった。

 相手方の病院のカルテは電子カルテ。診療期間が長いのでカルテのプリントアウトに時間がかかることは覚悟はしていた。

 しかし、プリントアウトされたカルテというのは、A4サイズの紙に3分の1以下しか印字されていないものが殆ど。2,3行しか記載がないものも多かった。

 これでは、プリントアウトに時間がかかるはずだ。

 しかも、これで、患者に一律1枚20円請求するという。

 その他にも、同じカルテを膨大な量、二重にプリントアウトしたり(その間の待ち時間は全くの無駄)、最も重要なカルテを一番最後に(裁判所が帰り支度をしているときに)提出してきたり。

 こんなことは、病院にとっても、患者にとっても、プラスにはならないだろう。

 あまりの腹立たしさに、久しぶりにキレてしまった。

 カルテのコピー代がいかに患者の負担になるかなんて、病院も裁判所も「知ったことか」というのが現実だ。

 しかも、これから裁判所の作成する検証調書(カルテのコピーも含む)を弁護士会の協同組合を通して患者側は謄写申請するのだが、その謄写料が1枚40円。私は、この謄写料が高すぎると抗議したことがあるが、なんでも遠方の支部へ謄写のために職員を派遣するのに要する経費を併せると、この位の謄写料としなければ採算が取れないのだそうだ。私は、この説明に納得したわけではないが。

 こういうことのために、カルテが多いときには、患者側のもとにコピーが届くまでに本当に多額の費用がかかってしまう。

 これが証拠保全の現実。

2013年6月19日 (水)

ハッカ油パワー・・・Twitterもどき(6月19日午後8時5分)

 きょうは、名古屋は久しぶりに雨。蒸し暑い。

 きょうは長時間にわたる尋問があったので、裁判所の法廷内で約5時間過ごした。

 皆様、お疲れ様でした。

 ・・・きょうは、比較的法廷内も涼しくして頂いたので、助かった。

 なにしろ官公庁なので冷房の設定温度が高く、暑くてたまらないことが多い。

 加えて、法廷内は換気もあまり良くないように思う。

 午後になると、睡魔がおそってくることもある。

 裁判員の方々も大変だろう。

 ・・・私は、暑さに弱く、すぐに汗をかくので、夏の法廷は苦手である。

 そこで、暑さ対策をネットで調べて、最近「ハッカ油」というものを購入した。

 これをスプレーに入れて、定期的に首筋やら腕やらに吹き付けるのである。揮発性が高いので、スーッとして涼しくなる。香りもさわやかだし、眠気も遠ざかる。

 暑いときは、お風呂上がりにも猛烈に汗が出て、何のためにお風呂に入ったのだろうと思うことも多いのだが、上がり湯にこのハッカ油を少量入れると、汗をかかなくなる。

 この間などは、入れすぎて、猛烈に寒くなってしまったほど。

 虫よけにもなるらしい。

 汗かきの方にはオススメ。

2012年10月19日 (金)

ようやく仕事を終える。・・・Twitterもどき(10月19日午後8時35分)

 ようやく今週の仕事を終える。

 でも、持ち帰りの書面作成の仕事もある。

 きょうは、ダンボール箱2箱分のカルテに目を通して疲れた。

 夕方からは、1週間の疲れが出てしまい、休み休みしか書面がチェックできず、結局帰宅時間が遅くなってしまう。

              libra

 カルテ(赤ちゃんのもの)を見ていて思ったこと。

 先日の弁護士会の臨時総会で「育児が大変!仕事ができない!」と言っていた女性会員がいたが、このカルテを見たら「育児が大変」なんて言えないと思う。

 世の中にはもっともっと大変な思いをしつつ育児をしている人が一杯いるのに。

 母子ともに健康に恵まれ、育児をしつつ、やりたい仕事もできるというのは、大変恵まれた人だと思う。しかも、収入だって、世の中の標準的な女性よりも多いだろうに。

 他の人に自分の会費を負担してもらうなんて、私なら絶対にできない。

 愛知県弁護士会には1000人以上の会員がいるのだから、事情があってもっともっと会費を払うのに大変な思いをしている人もいるということに思い至らないのだろうか・・・。 

2008年3月 6日 (木)

ヤブでもいないよりマシ?!

 時々拝見している「新小児科医のつぶやき」さんに 

  ブ排除論に産科医が悲鳴

という記事があった。

 どういう意味?と思って見たら、要するに、「産科の場合、ヤブ医者の産科医を排除してしまうと、周囲の産科医の分娩数の負担が過大になって共倒れになる。産科の場合、ヤブ医者でも不可欠の戦力である。」ということらしい。

 産婦人科医の人材不足はそこまでいっているのか、と唖然とした。

  【風】医師 警察官より多いのに…

  (産経新聞 2008年3月4日(火)18:00 )

  表題はともかく(なんで警察官との比較なの?)、

 日本の医師数は平成18年の厚生労働省の調べで約26万3000人。全体の医師数は増加傾向にはあるが、先進国で比較すると圧倒的に少ない。OECD(経済協力開発機構)に加盟している国の人口1000人あたりの医師の数は平均3・1人。日本は2人だ。平均に達するまで、10年かかるとされている。

 大阪府内の40代の医師は《今の医療界では、若い医師ほど絶望しています。新人はつらい科は避けて楽な仕事を目指します。卒業して産科・小児科・外科・内科を目指す人は激減しています》とし、《業界内では、今のペースでは10年以内には外科を目指す研修医は日本全国でゼロになるといわれています》。

 この医師の言うとおり、厚生労働省の調べでも外科の勤務医は平成10年あたりから連続して減少傾向にある。医師はメールをこう続ける。

 《現状が続けば本当に医師のなり手はなくなります。僕も仕事への熱意は下がるばかりで、できれば早く引退したいと思っているくらいです》

 《将来、日本の医師は眼科医や皮膚科ばかりになり、日本では救急医療が受けられなくなります》

 という深刻な事態だ。

追記:この記事については、「新小児科医のつぶやき」さんが更に産経基準という記事を書いて酷評されている。コメント欄を読んでも、医師の方々のマスコミ不信がよく分かる。最近の各新聞の社説の論調に怒っている弁護士と全く同じだなあ、と思った。

 マスコミは、医師や弁護士をたたいても偏在は解決できない、ということがどうして分からないのだろう(それとも、分かっていて書いているのか)!?

 日本は、自由主義国家であり、医師であろうと弁護士であろうと、何を専門に選ぶか、どこに住むか、は自由なのである。医師や弁護士が自らの意思でその専門や地域を選択するようにするには、行政の力が必要だろう。地域の人だって医師や弁護士にイヤイヤ(あるいはシブシブ)その地域に来てもらいたくなんてないだろう。

 (思うに、偏在をなくすためには、今の日本では、医師の場合は数、弁護士の場合は資金、がまず必要だと思う。)

 でも、私の感想では、この記事自体は医師のメールをたくさん紹介しており、医師に同情的なもので悪意は感じられなかった。「警察官」の数と比較することには何の合理性もないが。

 現場の記者の書いた記事は、社説に比べればはるかに良質である。

 国が財政負担の増大を怖れて今まで医師の増員を抑制してきたツケがこれだ。

 国民は弁護士なんかより医師の方を必要としているだろう。弁護士を増やすよりも医師を増やす方が先だろう。

 しかし、国に対して財政負担のかからない(なりたい人に自己負担でロースクールに行ってもらえばいいのだし、司法研修所の研修期間も1年に短縮されたし、おまけに間もなく司法修習生の給与も貸与制になるのだし)弁護士は急激に増やされた。弁護士が激増して弁護士自治が崩壊することは、市場原理主義者、新自由主義者の利益に合致していたからということもある。 

            cute

 医師の方々を怖がらせてはなんだが、弁護士はこれから急激に増える。

 加えて国民の医療不信はすさまじいものがある。

 最近は医療過誤を取扱分野と広告を出している弁護士が急激に増えている(本当にやっているのかどうかは知らないが)。また、弁護士会などが主催する医療過誤事件の研修会にも多数の若い弁護士が参加しているという(私が弁護士になった当時はこの分野の研修会に来る弁護士はまだ少なかったが)。

 私は最近「負けてもいいから引き受けてくれ。費用ならしっかり払うから。」と言われる方のご依頼をお断りした。どう考えても勝訴の見込みがなかったからである。私が「いくらお金をもらってもお引き受けすることのできないものはお引き受けできない。」と言ったら、その方から「そんなことを言うのは先生だけですよ。」などと言われた(本当かどうかは不明)。

 しかし、これからはそういう事件を引き受ける弁護士も増えるだろう(もう増えているのかも)。

 弁護士は負ける事件を引き受けても着手金をしっかりもらっていれば損はしない。弁護士費用はかつては弁護士会が一定の基準を設けていたが、規制緩和により今は自由化されている。もちろん、あまりに高額な場合は問題になるが。しかし、医療過誤事件は実際に他の一般民事事件よりも時間と労力がかかることが多いから、他の民事事件に比べて高額の着手金をもらっても問題にはならないだろう。そこで、事件を引き受けるときに高額の着手金をもらっておけば、あとは負けると予想される事件を引き受けて適当に事件処理をしていて負けても損はしないというわけだ。しかも、負けても「医療の不確実性ゆえに立証が難しい」などを口実に依頼者になんとでも言い訳は立つ。

 あまりこんなことを書きたくはないけれども、昔からそういうことをする弁護士はいた。しかし、これからはますます増えるだろうというのは私の悲観的観測だろうか。

           think

 私の所属している医療過誤問題研究会では、先輩方の指導により、所属弁護士は訴訟を受任する場合、原則として着手金を分割払いで頂いている。

 私の場合は、大体月4万円程度(たいてい訴訟には2人の弁護士がつくが2人であってもこの金額)を着手金の内金として頂いている。勝訴して実際に賠償金を得た段階で報酬基準により計算した残りの着手金と報酬金を支払って頂く。しかも、1年を経過するとたいていは期日の間があく(鑑定や尋問などが入るため)ので、期日1回ごとに4万円程を頂くようにしている。それでも、依頼者にとっては2年、3年となるとこの分割払いの着手金もばかにならない金額に達するのである。

 しかし、はっきり言って、弁護士からすれば、かかる労力と時間に比し、このような金額の着手金では事務所経営は成り立たない。だから、あまりたくさん医療過誤訴訟を抱えると経営に支障をきたすというのが現実である。それで、受任の際は、やはり勝訴の見込みのある事件に絞り込むという傾向になる(但し、救済されるべき事件はできるだけ受任するようにはしている)。

 が、高額の着手金を最初にもらうのであれば、こういう心配はないわけだ。しかも、「負けてもともと」という気で受任していれば、気楽なものだ。

 本音を言うと、多額の着手金をもらってたいした調査もせずに事件の依頼を受けておられる先生方の風聞を耳にすると、コツコツ仕事をしているのがばかばかしくなることもある。いかんいかんと手綱をしめることもしばしば。

 これが現実である。

 医師の方々にとってはあまりの忙しさに「ヤブでもいないよりまし」というのが現実なのだろうけれども、国民の不信の眼にも耐えることのできるきちんとした医療過誤被害者の救済手段を考えないと、ヤブどころかまともな医師だって大変な目にあうことになるだろう。

 参考ブログ:不適切な医療行為について、医師の方が考えること (白鳥一声さん)

            cloud

 もっとも、これは別に医療過誤事件に限ったことではない。

 弁護士は、他の事件だって、勝訴の見込みが乏しい(これについては不確定要素が強いのでどうとでも言える)、あるいは倫理的には許されない(しかし法的には違法ではない)事件を平気で受任し、高額の着手金をもらって適当に事件処理することなどいくらでもできるのだ。頭に血がのぼっている依頼者は、それがおかしいことに気づかないことが多い。また、負けたところで、別に受任の際に「絶対勝てる」と断定的に言ったわけではないから問題になることはない。

 (私の過去の記事: A弁護士とB弁護士 参照。)

 現実にも、私は最近、法律相談などで、「どうして相手の弁護士はこんな事件を引き受けたのだろう。」と首をかしげることが多くなっている。

           spade

 弁護士を過剰に増やすということはこういうことなのだ。

 国民にとって、弁護士の場合は「ヤブでもいいから(多い方が)マシ」なんて言ってはいられないでしょう(もちろん医師もそうなんだけれど)。

 

2008年3月 4日 (火)

医療過誤の被害者が直面する不条理

 「それでもボクはやってない」を見て、日本の刑事裁判の不条理さにやりきれない思いをした方は多いだろう。周防監督も「怒り」をもってこの映画を作ったと語っておられた。

 しかし、弁護士も長くなると、あまりに多いこの世の不条理に慣れてしまうせいか、だんだんそういう「怒り」が枯渇していく気がする。そして、「怒り」が次第に「諦め」にすりかわっていくのだ。

 「怒り」はよい方向のエネルギーになることもあるので、私はそういう「怒り」を失わないようにせねばと思うことがしばしばある。

 「それでもボクはやってない」の主人公のように、司法の世界で刑事事件の冤罪被害者が受ける数々の不条理は、この映画のおかげでクローズアップされたと思う。

 この映画の一般の方々の感想を読むと、「びっくりした」というものが多い。でも、そういうことはずっと昔からあったのであり、ただ周防監督のような方や一般の方が目を向けなかっただけだ。

 弁護士であれば、たいていの者が自ら経験したり聞き知ったりしてきたことである。本当は、弁護士がこういうことをもっと世間に伝えるべきだったのかもしれない。

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 ところで、私が取り扱う医療過誤事件の被害者らが直面する不条理も、冤罪被害者に負けてはいない。

※ ここでは、「それでもボクはやってない」の映画が「主人公は痴漢をやっていない」ことを絶対的真実として前提としていたように、「医療ミスがあったこと」を絶対的真実として前提とする。

 病気になったのは患者のせいではないことが多い。

 その病院、その医師を選んでしまったからといって、患者を責めることはできない。医師の技術や経験はたいていの患者には明らかではないから。

 不幸な結果になったことについて、おかしいと思うだけで医療ミスか医療ミスでないかまでは素人には判断がつかない。

 病院にかけあっても、取り合ってはもらえない。医師会の相談に行っても同じ。

 弁護士に相談すると、証拠保全などでカルテや検査記録を入手し、調査をしないと医療ミスかそうでないか見通しがたたない、それには費用がかかる、と言われる。

 真実が知りたいと思い、費用の負担を覚悟して弁護士に依頼する。

 弁護士はカルテ等を入手して調査をするが、文献など調べても分からないことが多い。専門医に意見を聞きたいと思っても調査に協力してくれる医師がなかなか見つからない。幸いにも医師の意見を聞くことができても、A医師は「絶対におかしい、ミスだ。」と言い、B医師は「これはやむをえない事故だ、ミスではない。」と言う。弁護士は迷うが、A医師の説明の方が合理的で説得力があると判断する。

 弁護士から調査の結果を聞き、患者も迷う。しかし、A医師の説明に納得がいき、弁護士に病院との示談交渉を依頼する。

 何ヶ月も待たされて、病院の代理人の弁護士から「医師には過失がない」というそっけない短い手紙が届く。

 患者は弁護士から「もはや裁判によるしかない。」と言われ、費用や時間がかかることに驚き、迷う。このまま泣き寝入りするのは嫌だから費用や時間がかかっても裁判を決意するか、費用や時間がかかるのはたまらないと思い断念するか。

 裁判を選択してからも、病院側は「過失」や「因果関係」を否定し続ける。A医師に記名の意見書を作成してくれないかと頼むも、A医師からは裁判にかかわりたくないと断られる。他に記名の意見書を作成してくれる専門医がいないか探すも、被告の病院や医師とは知り合いだからとか、裁判にかかわるのは嫌だから、などという理由で断られる。

 病院側からはその分野で有名な医師の記名の(病院側に有利な)意見書が提出されることも。

 裁判所から鑑定の打診がある。患者は鑑定費用を負担することを覚悟の上で、鑑定の申請をする。しかし、裁判所がいろいろな大学や病院に声をかけても鑑定人はなかなか見つからない。鑑定人が決まるまでに半年、鑑定書の作成までに1年かかることも。

 そうこうするうちに1審だけで2年、3年が経過してしまうということも。

 しかし、判決で「訴訟的真実」として「過失」や「因果関係」が認められないこともしばしば。

※ 患者側に原則として過失や因果関係の立証責任があるので、立証が不十分とされれば過失や因果関係は認められない。たとえば手術中のビデオがあれば手技ミスが立証できても、ビデオがなければ立証できない場合などもある。 

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 私は、「それでもボクはやってない」を見て、周防監督には、今度はこういう医療過誤の被害者やその家族の被る数々の不条理をテーマに、「怒り」をもって映画を作って頂けないかと思った。

 男性なら誰でも痴漢冤罪の被害にあう可能性があるように、誰でも病気になる可能性があるのであり、従って誰でも医療過誤の被害にあう可能性があるのだ。

 医師の方々の中には、「医療ミスでないものを医療ミスであると認定している判決」が多いとお怒りになる方は多いけれども、「医療ミスであるものを医療ミスではないと認定した判決」がどの位多いのか、そして立証の困難さや費用がかかることを考えて裁判をあきらめ泣き寝入りをした患者がどの位多いのか、について関心を持つ方は少ないようだ。

 医療過誤「冤罪」に泣く医師の救済を考えるだけでなく、こういう患者の救済も真剣に考えて頂かないと、今の日本の医療が抱えている問題は解決しないと思う。 

2007年11月14日 (水)

マンパワー不足

 きょうは、久しぶりに医療過誤問題研究会の勉強会に出席した。

 麻酔科医の先生がスライドを使って脊髄麻酔と硬膜外麻酔について分かりやすく説明して下さる。

 麻酔に使う針の実物も見せて頂いた。よくもまあ、こんなに細くて長くて柔らかい針を扱えるものだと感心する。硬膜外麻酔の場合、硬膜に達しないよう硬膜外腔に針を止めなければならない。細心の注意と訓練を要する手作業だ。

 麻酔科と病理の先生には、医療事故の調査の際にお世話になることが多い。しかし、どちらの分野も医師が不足している。

 患者としては直接接することが少ない分野だが、実際の治療行為にはとても大切な分野だ。

 きょうご説明頂いた先生も、麻酔科医師の不足、マンパワー不足を嘆いておられた。

 今の日本で全ての手術に麻酔科専門医の立会を望むことなど到底不可能だ。

 しかし、私は、自分や自分の家族が手術を受けるなら、麻酔科専門医が立ち会って下さる病院でお願いしたいと思ってしまう。

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 患者が安全な治療を受けられるよう、なぜ国はもっと力を注いでこなかったのか。なぜもっと長期的展望をもって医師の数を増やしてこなかったのか。

 いきなり数を増やしても、オン・ザ・ジョブ・トレーニング(OJT)(仕事の現場で,業務に必要な知識や技術を習得させる研修)が困難であることは、医師も弁護士も同じである。

 それなのに、国は(そんなに必要とされていない)弁護士は急激に増やしてOJTに支障をきたしている。しかし、国民に必要とされている医師は増やしてこなかった。

 舛添厚生労働大臣と鳩山法務大臣は、この問題についていろいろ発言はされているが、本当に期待していいのだろうか。

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2007年6月13日 (水)

医師不足ー苦しむ地方ー医師数は西高東低(中日新聞サンデー版)

 当分まとまった記事は書けそうにないので、写真日記や他の方々のブログの記事の紹介や、新聞などの記事の紹介をさせて頂こうと思う。

 これは、今週日曜日の中日新聞のサンデー版(6月10日 世界と日本 大図解シリーズ NO.789)の記事

   Zukai

 よれてしまって写真では見にくいが、医師不足についてとても分かりやすく図解した記事だった。

 この記事によれば、医師数は「西高東低」なのだそうだ。

 写真の赤系統の県は赤に近くなるほど人口10万人あたりの医師数が多く、青系統の県は青に近くなるほど人口10万人あたりの医師数が少ない。

 どうして西高東低になるのかまでは分析されていないが・・・。

 しかし、どの県も医師配置基準(原則外来40人に1人、入院16人に1人)を満たす病院の割合は、非常勤医込みでも100%に達していない。

 全国平均だと非常勤医込みで83.5%(常勤医のみだと35.5%)。

 ちなみに、私の住む愛知県は、この医師配置基準を満たす病院の割合は89.1%。常勤医のみだと、たった39%だ。

 人口10万人当たりの医師数が一番少ないのは、なぜか埼玉県。

 北海道と東北地方は、人口10万人当たりの医師数も少ないし、医師配置基準を満たす病院の割合も極めて低い。岩手県などは、医師配置基準を満たす病院の割合は55.1%に過ぎない(常勤医のみだと、21.5%)。

 この記事を見ると、医師の絶対数が少ないことに加えて、医師の偏在によって、地方の医療が崩壊の危機に瀕していることがよく分かる。

 コムスンが事業所の介護士の人数をごまかしていたことが問題になっているが、医師配置基準を満たさぬ病院が多いことももっと問題にすべきではないのか。

                Kusurimidori

 昨日、久しぶりにある総合病院における証拠保全(検証)に立ち会った。

 そのとき病院の外来を通ったが、長時間待たされて待ちくたびれた患者さんが大きな声で「まだでしょうか。」と看護師に尋ねていた。その患者さんは「朝早くから来て待っているのに、ちっとも診てもらえない。病院に来ると1日仕事になる。」などと他の患者さんに愚痴をこぼしていた。

 しかし、まだ診てもらえる医師がいるだけましなのかもしれない。北海道や東北地方では、診療科によっては医師がいない病院もあるだろう。

 この中日新聞の図解は、このほかにも日本の医師数を欧米主要国と比較したり、勤務医の過酷な労働条件についてグラフ化していたり、医師不足解消のための厚労省や自治体のあの手この手を説明していたり、とても興味深い。

 一つ紹介すると、岩手県遠野市では、2007年度から、希望があれば県立遠野病院の常勤医に乗用馬を無償貸与するという特典を設けたそうだ。しかし、今のところ、希望者はいないのだそうだ(馬なんか貸してもらっても、おそらく常勤医は乗ってる暇ないだろうに・・・)。

 この図解は、「学校の教材に役立つ大図解」のシリーズなのだが、学校に限らず、病院や公共施設などの人目につくところに貼って、国民の理解を深めるのに役立てたらどうだろう。 

2007年5月31日 (木)

平成18年の医事関係訴訟の統計

 最高裁が平成18年の医事関係訴訟の統計(速報値)を発表した。

       医事関係訴訟の現状 (6番のところ)

 これによれば、平成18年の新受件数は912件。平成16年の1110件をピークに減り続けている。

 平成18年の平均審理期間は25.1ケ月。平成12年の35.6ケ月に比べると、10.5ケ月も短縮された。

 平成18年の判決の割合は35.3%、和解の割合は53.3%。ここ10年では最高の和解率である。

 判決の認容率(勝訴率、一部勝訴も含む)は35.1%で、ここ10年では平成11年の30.4%に次いで低い。平成18年の通常訴訟事件の認容率が82.4%(医事関係訴訟事件も含む)(うち人証調べ実施事件の認容率は63.5%)であるのに対し、いかに医事関係訴訟の勝訴率が低いかが分かる。

 勝訴率は平成15年には44.3%であったが、その後低下傾向が続いている。

              Turiganeninjinc_3

 このように統計からみると、医療関係訴訟は増えていないし(むしろ減少傾向)、勝訴率も低下しているのである。

 最近(特に大野病院事件以来)、医師の方々は訴訟リスクを強く訴えられているが、この統計で見る限りではむしろ訴訟リスクは減少しているのではないか。

 患者側弁護士としては、審理期間が短くなり、和解率が増え、敗訴率が高くなっていることが心配だ。

 増加した和解の内容にもよるが(統計からは和解の内容までは不明)、審理の迅速性ばかりが優先され、充実した審理がなされないまま和解が勧告され、和解に応じなければ敗訴、という事件が多くなっているのではないか。

 今後もこの統計は注意して見ていく必要がある。

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ストップ医療崩壊

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