気の滅入る事件。
この年末に、依頼者も気の毒なことである。
ご本人が悪いこととはいえ、ご家族もお気の毒である。
弁護士横領容疑 兵庫県弁護士会が相談窓口を設置(神戸新聞NEXT)
兵庫の弁護士が預かり金横領 顧客の苦情13件、計数千万円か(産経新聞)
まだ若い人だが、身近に相談できる同業者はいなかったのだろうか・・・。
かつては弁護士会は、「ギルド」とか「村」とか言われても、何かと相談に乗ってくれる世話焼き先輩たちもいた。
しかし、今やそういう人たちもいなくなった。
そもそも、新人が増えすぎて、顔さえ知らない弁護士が殆ど。
司法改革、弁護士過剰増員の後は、ひたすら「競争せよ」なのだから、それも仕方がないことだろう。
今や弁護士会もただ会費を上納させるだけの業界団体に等しいのだから、「倫理研修」なんて形だけのものをやったって効果はないだろう。
「悪いこと」と分かっていても横領するには、よほどの原因があるんだろうし。単に個人の倫理観を責め立てても予防にはならないだろう。
競争させればこういう弁護士も淘汰されると言われるかもしれないが、意外なことにそういう弁護士の方が営業能力があったりして(たぶん人当たりがよくて一見感じがいいんだろうな)、大金の預かり金が発生するほど仕事を得て儲かっていたりするのだ。
そこで、横領の結果で淘汰されるまでには、多くの被害者を出すことになる。
こういう事件が起こると、何かと弁護士会は責め立てられるが、そもそも弁護士会自体が形骸化してしまっていて、会員の指導・監督などできる状況ではないのだから、弁護士会に文句を言ったってどうにもならない。
国民の皆様には、消費者被害と同様、弁護士被害からも、自分の身は自分で守って頂くしかない。
事前規制から事後規制へ、被害を受けたら自分で闘って被害回復をめざせ、というのが今の日本が採用している新自由主義であり、その路線の延長にあるのが司法改革なのだから。
(他の弁護士の関連記事)
新62期弁護士による預かり金横領 被害額は数千万円か(Schulze BLOG)
昨日、日弁連のCMについて記事を書いたばかりだが、きょうはこの記事。
法科大学院には、あのCMとこの記事は、二重のダメージだろう。
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