隣の芝生は青いのか。
弁護士会内「断絶」ムードを伝えるツイート (元「法律新聞」編集長の弁護士観察日記)を読んで、先日の夕方、他の(期の下の)弁護士と共同受任の仕事の打ち合わせをしていて、終わり際に「これから福島第一原発事故の弁護団会議に参加するので、きょうはあまり時間がない」と言ったら、「弁護士会って、お金にならない仕事に一生懸命になりますね。」と言われドキッとしたことを思い出した。
弁護団と弁護士会は違うけれど、確かに、原発弁護団の仕事では着手金を一銭ももらっていない。着手金どころか実費すらもらっていない。
私は、これもどうかと思っているが、そういうことをあまり考えずに参加してしまったし(私の場合、日本国民として東電にはきっちりオトシマエをつけてもらうべきだと思っているため。事故当時のこのブログを読んで下さっている方にはお分かりでしょうが)、今年の前半は書証が150以上になっている医療過誤訴訟の尋問準備に追われていて弁護団会議に出席できるような状況ではなかったため、今さら何か言える立場にはない。
でも、上記編集長さんのブログ記事を読み、共同受任の先生の言葉を思い出し、これでいいのか・・・とも思う。
弁護団には若い先生方が多い。私だって、別に経済的にそんな余裕があるわけではない。
それを、(弁護団の仕事に限らず、弁護士会の会務もそうだが)経済的に大いに余裕のある上の期の先生方が、弁護士過剰のもとでこれから何十年も弁護士として働いて生計を立てていかなければならない若い弁護士に対して、「社会正義のためだからタダで仕事をせよ」というのはいかがなものだろうか。
しかし、かといって、被害者の方々に多くの負担を求めることも難しい。
先日、被害者の方(自営業者の方)が、「報酬が1万円ちょっとしかないのに、3人の弁護士の先生方に働いて頂いて、申し訳ない」とおっしゃっていた。
これに対して、先輩弁護士が「いや、われわれはそれで生計を立てようとしているわけではないですから」などと答えておられた。
しかし、これからますます弁護士過剰となり、「生計を立てられる」仕事を弁護士が取り合いをするというときに、こういう仕事をやれる弁護士は極めて限られた人間になっていくだろう(というより、今、既にそうなっているわけだが)。
私などそういう限られた人間ではないのに、弁護団に入ってしまって、冒頭に書いた(着手金をもらっており報酬も見込まれる事件の)共同受任の先生に申し訳なかったか、なんて思ってしまった。
・・・・・原発事故の対応に多くの弁護士が必要だ、と一部の弁護士増員推進論者の方々が述べられていたのは記憶に新しいが、その実態はこうなのである。
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