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2013年8月24日 (土)

原発弁護団勉強会から帰る。・・・Twitterもどき(8月24日午後8時15分)

 きょうは、全国の福島第一原発事故の弁護団(北は北海道から南は岡山まで)の会議と今中哲二先生の講演会に参加した。

 会場で購入した今中先生の著書と頂いたレジュメ、資料。

Imanaka

 ご講演は、最初、元素、分子、原子、原子核、陽子、中性子・・・というお話から始まり、文系人間が殆どの弁護士らからはため息が・・・。でも、この本の「第5章 さらにくわしく知りたい人へ」を読むと、おおよそは理解できます。

 (この本は、理科系人間でなくても、理解しやすいように書かれているので、放射線被害について知りたい方にはお勧めです。)

 その後、低線量放射線被爆について、チェルノブイリの調査資料などをスライドで見せて頂きながら、分かりやすく解説して頂いた。 

 ところで、今中先生は、この本の40頁に、事故時の東電の対応について、次のように書かれている。

 福島第一原発の現場の人たちは、自分たちにできることを精一杯やったのだろうと思います。けれど、東京電力のトップは、まったく対応できていませんでした。

 あのときに本社がやるべきだったのは、原発のことをよく知る本社の専門家集団がプラントの状況を冷静に分析し、現場に的確なアドバイスをすることで、トップがやるべきことは、専門家集団と現場の判断を全力でバックアップすることでした。

 しかし、現場のことを知るはずのない本社のトップが「ああせい、こうせい」と命じたのでは、太平洋の南の島で戦っている現地司令官に、大本営が実行不可能な作戦を命じているようなものです。それでは勝ち目はありません。

 私も、当時の東電トップと現場とのやりとりの録音テープを聞いたり、国会や政府の調査報告書を読んで、全く同じことを感じた。

 こんな全電源喪失、メルトダウンという絶体絶命の危機に陥っているのだから、東電の専門技術集団、それで足りなければ東電以外の日本中のトップレベルの専門技術者の力を借りてでも、緻密に対策を検討し、現場をバックアップすべきであった。

 たとえば、アポロ13号が事故を起こしたとき、NASAは機内にあるものを使って実際にフィルターを作成して実験するなどしてバックアップした。

 福島第一でも、現場がベントの操作に苦しんでいるとき、「ベントせよ」としつこく言うのではなく、どうしたら弁を開くことができるのか、具体的な方策を専門家集団が検討して、手順が分からず困っている現場にアドバイスするべきだった。

 私は、当時、日本国の危機という事態に瀕し、東電でも当然NASAと同様のバックアップがなされるのだろうと思い込んでいたのだが、実際には極めて低レベルの対応しかなされていなかったのである。

 今中先生は、昨今の汚染水漏れについても、あのようなタンクで汚染水を保管する以上漏れることは最初から予想できたことだ、もう東電には事態収拾の能力はないのではないか、などと述べられていたが、私も全く同感である。

 事故当初からの対応をみても、もともと東電にそういう能力を期待してはいけないのではないか。

                 

 弁護団会議では、各地の弁護団から、様々な課題が報告された。未曾有の災害の未曾有の裁判なのだから、仕方ないことだろう。

 走り出しながら、考えていくしかない。さしあたっては、準備書面の作成だなあ・・・。

P1030185

 暑い、暑いと思っていたが、夕方の空にもう秋の雲。

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