決断の難しさ。・・・Twitterもどき(7月18日午後8時10分)
やはり連休明けというのは、何かと忙しい。
しかも、ここのところ、次から次へと問題や気がかりなことが噴出し、なかなか、じっくりとブログを書く気持ちになれないのです。
一つ問題がかたずくと、次の問題が発生するという具合。
もっとも、これは私だけではなく、ご相談者や依頼者の方々も同じだろう。
人間、本当に生きていると、いろいろな問題にぶち当たる。
弁護士としては、こっちの路を選択すると、こういうメリット・デメリットがありますよ、こっちの路だとこうですよ、と一定の情報を提供し、自身の知識や経験等から導き出した見通しをご説明するほかない。
最終的に決断するのは、ご本人だ。
特に、裁判するかしないか、という決断は難しい。
日本の裁判制度と裁判官の現状は、被害者の味方だとはいいがたい。裁判には時間も費用もかかる。そして、裁判に勝っても、債権を回収できるかはまた別の問題。支払能力のない相手からは回収できないのだ。
今、こういう議論がなされているようだ。
民事司法「費用・時間」が課題 専門家の懇談会、中間報告書(日本経済新聞)
この議論の方向性に全て賛成するわけではないが、国民のための司法改革を本当に考えるなら、もっと日本の裁判制度を見直すべきではないのか。
弁護士を増やしたって、それで解決できることは極めて少ない。
いくら弁護士を増やしたって、使い勝手の悪い司法制度では、弁護士の働く場が少ない。弁護士がこれだけ増えているというのに、訴訟件数がなぜ減少しているのか、もっと検討して頂きたいと思う。
ご相談者に、前記のように選択肢を説明し、そのどっちも厳しいものであった場合、「結局、泣き寝入りするしかないんですね。」と言われることが多い。
おそらく弁護士であれば、この言葉は聞き慣れたものだろう。
昨年のドラマ「リーガル・ハイ」の9話の古美門弁護士の名言。
誰にも責任を取らせず、見たくないものを見ず、皆仲良しで暮らしていけば楽でしょう。しかしもし、誇りある生き方を取り戻したいのなら、見たくない現実を見なければならない、深い傷を負う覚悟で前に進まなければならない、戦うということはそういう事だ!愚痴なら墓場で言えばいい!!
金が全てではない?金なんですよ。あなた方が相手に一矢報い、意気地を見せつける方法は、奪われたものと、踏みにじられた尊厳に相応しい対価を勝ち取る事だけなんだ。それ以外に無いんだ!!
最近、この中の一節をある法律事務所の事務所報の表紙で見た。弁護士の中にも、このセリフに感慨を受けた人は多いようだ。
しかし、実際には「誇りある生き方」や「踏みにじられた尊厳」の回復よりも、「費用」や「時間」などの「リスク」を考える人の方が多いのではないか。
人間、「誇り」や「尊厳」だけでは、生きていけませんからね。
私は、そういう選択をされても、仕方がないと思う。
今の裁判制度や裁判の現状からは、古美門弁護士みたいに言い放つことの出来る弁護士っているんだろうか。
« 「追い出し部屋」に関するオリックス宮内会長のコメント。 | トップページ | 法科大学院進学を選択することのメリット・デメリットはよく検討されるべきだと思う。 »
「弁護士」カテゴリの記事
- アディーレ法律事務所による説明(2017.10.20)
- アディーレの臨時相談窓口(2017.10.19)
- 大阪弁護士会のアディーレ臨時相談電話(2017.10.17)
- 本当にお疲れ様です。・・・Twitterもどき(10月17日12時45分)(2017.10.17)
この記事へのコメントは終了しました。
« 「追い出し部屋」に関するオリックス宮内会長のコメント。 | トップページ | 法科大学院進学を選択することのメリット・デメリットはよく検討されるべきだと思う。 »
コメント