平成13年の枝野VS佐藤、そして今。
枝野議員の最近の法務委員会における質疑を読んでいて、法科大学院制度導入の際の枝野議員の質疑を思い出した。
この「第151回国会法務委員会第20号 平成13年6月20日」の議事録については、坂野弁護士がブログで記事にされている。
(かつて)白熱!枝野vs佐藤論争!(坂野真一弁護士のブログ)
そして、今、4月3日と5月29日の法務委員会で、枝野議員はこんなことをおっしゃっている。
4月3日の議事録より
今、大学やロースクールがどういう教育をしていて、それが役に立つのか立っていないのか、あるいは予備校がどういう教育をして、それがどういう中身で、まさに受験テクニックだけなのかそうでないのか、こういったことについて一番実はわかっているのは、当事者や、この間まで当事者だった人たちなんですよ。大学の偉い先生とか、弁護士会の偉い先生とか、産業界の偉い先生とかも大事ですが、一番実態をわかっているのはそういった人たちです。だから、そういった人たちにかなりきちっと意見を聞く、意見を言わせるということをやらないと、やはり現場の実態と机の上での議論がずれると私は思っておりますので、ぜひそういった視点で意見を集める。
ぼちぼちはパブリックコメントとかはあるんでしょうが、最終段階でじゃなくて、まさにそういった人たちの声がむしろ議論の出発点だという観点で議論を進めていただきたいんですが、これについてのお答えをいただいて、終わりたいと思います。○谷垣国務大臣私は、予備校もないころ司法試験を受けていたもので、今、枝野委員のお話を伺いながら、なるほどと感じました。
ただ、法曹養成検討会議では司法修習生に対するアンケートもやったようですし、それから、ちょっとお触れになりましたけれども、その検討会議の方々に法科大学院にも視察に行っていただいて、そのときに大学院生の意見も聞くということもやっていると聞いております。
そういった状況を踏まえて、実は、検討会議も今、座長の私案が出ておりますが、大体四月九日に案が確定する予定で作業を進めていると思います。その後、今委員がおっしゃったパブリックコメントになると思いますが、ここのところで、受験生も結構ですし、大学院生あるいは若手法曹に十分御意見を寄せていただければというふうに期待をしているところでございます。
5月29日の議事録より
これは通告していませんが、ぜひ、きょうと前回のこの法曹養成に関する私の法務委員会の質疑の議事録をその委員の皆さんに全部読ませてください。ちゃんとこういう指摘が国会の中で厳しく上がっている。自己反省も含めて、前回のこのロースクール導入のときに体を張って反対しなかった反省をしています。こうなるんじゃないのと嫌みのように指摘をしながら、見逃して、結果的にそうなっているということについては責任を感じています。
そのことを含めて、今議論をされている皆様方にも、こういう指摘が国会でなされているということはしっかりと踏まえた上で、最終的には制度を決めるのは法務省の審議会ではなくて国会でありますので、別に私の意見が国会の多数とは言いませんけれども、こういう厳しい指摘もされているということは、ぜひ委員の皆さんに周知をしていただきたいと思いますが、これはお約束していただけますか。○谷垣国務大臣こういう国会の御議論を十分に踏まえた詰めをしていただけるものと思っております。
いろいろな御意見があるということも申し添えておきます。
(下線は私が付したもの)
枝野議員も、今の法曹養成制度の惨状には、痛恨の極みなのだろう。
感慨深いやりとりだ。
本当にあのとき皆が体を張ってでもストップさせるべきだったなあ、と今になって思う。
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