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« パブコメは本日提出予定・・・Twitterもどき(5月9日午前8時5分) | トップページ | 法曹養成制度検討会議・中間取りまとめ案へのパブコメ(その2) »

2013年5月 9日 (木)

法曹養成制度検討会議・中間取りまとめ案へのパブコメ(その1)

 本日、郵送しました。

 このような機会は、数年に1度しかないことなので、頑張って書きました。

 時間がなく、データなどを引くことはできませんでしたが、データの方は既に検討会議の資料として上がっているので、率直な意見を分かりやすく書こうと思いました。

 つたない文章ですが、一弁護士、一国民としての、精一杯の抗議です。

 これから少しずつ掲載していきます。

  法曹養成制度検討会議 中間取りまとめ案

                

 法曹養成制度検討会議作成の「中間的取りまとめ」(以下「本取りまとめ」といいます)に対するパブリックコメント募集に応じて、一弁護士として、一国民として、次のとおり意見を述べさせて頂きます。

第1 法曹有資格者の活動領域の在り方について

1 第1段に対して―法曹有資格者の活動領域が「限定的なままである」原因について何ら分析・検討がなされていない。

(1) 本取りまとめでは、「法曹有資格者の活動領域は、広がりつつあるものの、その広がりはいまだ限定的といわざるを得ない状況にある」としています。
 そもそも、司法審制度改革審議会(以下「司法審」といいます)の意見書は、「法曹有資格者の活動領域が広まっている、あるいは広まりつつある」のに対して、「法曹有資格者の質、量ともに不足している」という認識があったからこそ、司法試験合格者数の増加を提唱したのではないでしょうか。
それなのに、司法審意見書から既に12年近くが経過しているにも関わらず、どうして法曹有資格者の活動領域が「限定的」なままなのでしょうか。
本取りまとめは、この「法曹有資格者の活動領域が限定的なままである」原因について、何ら検討・分析していません。

(2) 本取りまとめは、「更なる拡大を図るため、関係機関・団体が連携して、各分野における法曹有資格者のニーズを多角的に分析するとともに、課題や解決策をきめ細かく検討し、拡大に向けた取り組みを積極的に行う」としています。
「法曹有資格者の活動領域やニーズが広がっているから、法曹有資格者が既に不足しているあるいは近い将来不足が見込まれるから、法曹有資格者の数を増やさなければならない」というのであれば理解できますが、先に法曹有資格者の数を急激に増やしておいてから、「法曹有資格者の活動領域やニーズを分析して、活動領域を拡大するための取り組みを積極的に行わなければならない」という思考過程が理解できません。順番が違うのではありませんか。
 法曹有資格者数の激増は国民の経済的負担を伴っています。このような思考過程は国民にも納得がいくものではないと思います。

2 第2段に対してー法曹有資格者等の企業への就職が増加しない原因の理解が間違っている。

(1) 本取りまとめは、「企業における法曹資格者の役割・有用性の周知」「企業で勤務する意義についての法曹有資格者等の意識改革」に向けた取組などを積極的に行うことが重要、としていますが、企業内弁護士についての情報は既に社会に広まっているにもかかわらず、企業内弁護士の数はそれほど増加していません。そもそも、自由経済国家においては、企業内弁護士のニーズを決めるのは企業自体であって国ではなく、その企業が法曹有資格者をさほど必要としていないことが明確になった現在、どうして国がこのような「企業における法曹有資格者の活動領域の更なる拡大」に向けた取組を行わなければならないのか不明です。

(2) 「企業で勤務する意義についての法曹有資格者等の意識改革」の意味は明確ではありませんが、法曹有資格者等(「等」とあるのは、いわゆる「三振者」を含む意味でしょうか。ここだけ「等」が付されている説明がないのもおかしい。)も、法律事務所への就職が困難となっている現在では(本意ではないにせよ)企業への就職を希望する法曹有資格者は(もちろん法科大学院修了生も)少なくありません。
 しかし、企業の方がニーズを認めていないのに、法曹有資格者等がいくら「意識改革」をしたところで就職の促進は期待できません。
また、法曹有資格者の「意識改革」とは企業の「雇用条件」にあまり期待するな、ということでしょうか。
 現在では司法試験合格者数の激増によって新人弁護士の法律事務所、企業等における雇用条件は急激に悪化しており、4年生大学新卒で資格を有しないまま一般企業に就職する者と法曹有資格者の雇用条件はそれほど変わらなくなっています。
 およそ「資格」というものは、法曹資格に限らず、その資格を前提とする仕事のやりがい以外にも、それを得れば就職に有利になる、生計を立てるだけの収入が期待できるために、皆努力をして費用と時間をかけてでも資格を取ろうとするのです。
 にもかかわらず、費用と時間をかけて(それも他の資格に比べて莫大な費用がかかる)「法曹資格」を取っても、新卒で就職するのと変わらない待遇の仕事しか得られない、就職できずに即独となれば生計を立てるだけの収入を得るのも困難となる、となれば、法曹志望者が激減するのは当然です。法曹志望者が激減しているにもかかわらず、このまま司法試験合格者数を増加させていけば、「必要量」以上の「量」は得られても「質」を維持することが困難になるのは自明の理です。
 企業としても、そのような法曹有資格者であれば、ますます採用に躊躇するようになるだろうことは容易に推測できます。
「意識改革」しなければならないのは、法曹有資格者の需要を十分に検討・分析することもなく司法試験合格者数を激増させた方々の「意識」の方でしょう。

3 第3段・第4段に対してー公務員になる法曹有資格者が増加しない原因の理解が間違っている。

(1) 国家公務員や地方公務員の採用は、法曹有資格者であれば足りるというものではなく、既に弁護士としての経験をある程度積んでいることや専門知識を有していることが求人条件であったり、短期間の任期付きのものが多く、これが公務員になる法曹有資格者が増加しない大きな原因となっていると思われます。しかし、これらの原因の分析・検討は全くなされていません。
 本取りまとめは、企業の場合と同様、国や地方公共団体等における「法曹有資格者の必要性・有用性」を強調し、「法曹有資格者の意識改革や能力向上のための取り組み」を強調しています。
 この「取り組み」の主語は、この文章からは明確ではありませんが、主語の多くは「国」「地方公共団体」と推測されます。しかし、国も地方公共団体も財政難であり、かつ不景気のために公務員志望者が増加し、優秀な法学部卒業生を採用できるにもかかわらず、何ら法曹経験がない法曹有資格者を採用するメリットは殆どないでしょう。

(2) また、国や地方公共団体が法曹経験や高度な専門的知識のある法曹有資格者の雇用を望んでも、そのような法曹は既に一定の地位や収入を得ているので、任期付きで将来雇用が不安だったり、雇用条件が必ずしも良くない公務員への転職を希望しないのはごく自然なことです。
 このような現実を無視して、「法曹有資格の意識改革や能力向上のための取組」「法曹有資格者の必要性・有用性の周知に向けた取組等を積極的に行う」等という抽象的な文言を羅列しても、精神論を語るものでしかありません。
 また、国や地方公共団体に不必要な法曹有資格者の採用を求めることは、国民や住民の経済的負担を増やすばかりであり、国民や住民の理解を得られるとは思えません。

4 第5段に対してー法テラスの常勤弁護士でしか対応できない法的ニーズ、及び常勤弁護士の活動の実態についての調査・検討が十分になされていない。

(1) 中間的取りまとめの検討結果は、「福祉分野など法的ニーズがありながら、必ずしも一般の弁護士の手が届きにくい分野においては、法テラスの常勤弁護士を活用することにより、弁護士の関与が必要な活動領域の開拓をなお一層進めることも有益である。」としています。
 しかし、「福祉分野など法的ニーズがありながら、必ずしも一般の弁護士の手が届きにくい分野」とは、どのような分野や事件を指しているのかはこの一文からは明確ではありません。ただ、個人事業者である弁護士が受任しても採算が取れないために受任できない分野や事件のことを指しているのではないかとの推測はできます。もしそうであるなら、そのような事件を弁護士に受任させて解決を図るのであれば、弁護士報酬等を国庫が負担する法律扶助制度の充実が必要となります。
 しかし、わが国の法律扶助制度は弁護士報酬の立て替えが原則であり、弁護士報酬を国が負担するわけではなく、結局は依頼者が法テラスに分割返済をすることになり、この分割返済さえも困難な依頼者が多いことも、「一般の弁護士の手が届きにくい」原因の一つとなっています。また、弁護士の仕事量としては同じであっても、法律扶助を利用した場合の所定の弁護士報酬は、利用しない場合の弁護士報酬に比べ、極端に低額であり、場合に  よっては採算が取れないことも、やはり「一般の弁護士の手が届きにくい」原因の一つとなっています。
 このため、法律扶助事件を多数抱える若手弁護士は、「ワーキングプア」と言えるような状態に陥っています。
このようなわが国の法律扶助制度の見直しこそが急務であるはずですが、取りまとめ案はこのことには全く触れていません。

(2) 上記のような問題を「法テラスの常勤弁護士を活用する」ことで解決することには限界があり、常勤弁護士の負担が増大して法テラスとの間の法的紛争に発展したり、あるいは常勤弁護士の中には不満のあまり誠実な事件処理を怠るものも出てきていると聞き及んでおります。
このようなわが国の法律扶助制度の問題点、常勤弁護士の実態等を調査・検討することなく、抽象的に「法テラスの常勤弁護士を活用することにより、弁護士の関与が必要な活動領域の開拓をなお一層進めることも有益である。」と述べるのは、極めて短絡的、楽観的な見方でありましょう。
 この「法テラスの常勤弁護士を活用することにより、弁護士の関与が必要な活動領域の開拓をなお一層進めることも有益である。」という一文の趣旨は必ずしも明確ではありませんが、法テラスの常勤弁護士をもっと増やして、常勤弁護士に「弁護士の関与が必要な活動領域の開拓」をさせるという意味であるとすれば、常勤弁護士の給与が国民の血税によって賄われていることを軽視しているとしか思えません。

(3) また、福祉の分野などに法的問題が発生しないようにすることは、そもそも行政の責任であり、それを「弁護士の活動領域の開拓」のチャンスと捉えることは、本末転倒であるとともに、福祉の分野などで救済を求めている方々に対して大変失礼な表現であると思料致します。
 なお、中間的取りまとめの検討結果には、「常勤弁護士は、災害の被災者に対する法律相談実施など公益性の高いサービスを組織的かつ迅速に実施し得る存在である。」という一文もありますが、法テラスの常勤弁護士にはまだ経験の浅い弁護士が多く、(各種の複雑な法律問題の解決が必要となる)災害の被災者の救済を「組織的かつ迅速に実施」するだけの力はなく、各地の弁護士会で弁護団が組まれて被災者救済にあたっているというのが実情です。 
 法テラスの常勤弁護士の給与は国庫負担ですので、国民の立場からすれば、法テラスの常勤弁護士を安易に増やすことには慎重であるべきです。

5 第6段に対してー刑務所出所者等の社会復帰等に果たす弁護士の法的支援が必要かつ有用というが、いったいどういう法的支援を想定しているのか不明である。

(1) 取りまとめ案は、「刑務所出所者等の社会復帰等に果たす弁護士の法的支援が必要かつ有用であるところ、これを充実・強化するなどの観点から、弁護士、弁護士会及び日本弁護士連合会並びに日本司法支援センター(法テラス)等との連携方策について検討すべきである。」としていますが、具体的には刑務所出所者が社会復帰を果たすためにどのような法的問題についての救済を求め、弁護士の法的支援を求めているのか、全く説明がありません。
 この取りまとめ案は、法曹関係者のみではなく、一般国民も読むものであり、パブリックコメントの募集も国民に向けてのものであるにもかかわらず、このような説明がないということは、いかにも不親切です。

(2) 刑務所出所者であろうと法的問題(借金問題、被害弁償等のことでしょうか)について救済が必要なのであれば、弁護士の通常の職務の対象となり、弁護士報酬については法テラスを利用することが多くなるでしょうが、法テラスの法律扶助には前記のような問題があります。しかし、刑務所出所者だから特別な法的問題の解決法が必要となるわけではありません。
検討結果に記載のある「刑務所出所者等の円滑な社会復帰・自立更正」には、弁護士の支援よりも、行政(就職支援等)や社会(差別意識をなくすこと等)からのアプローチの方が重要でしょう。

6 第7段に対してー日本の弁護士に「海外展開業務」が期待されているというが、誰がどのような期待をしているというのか、具体的内容の説明が全くない。

 検討結果には、日本企業の海外展開に資するよう、日本の弁護士が「個別のビジネスサポートや国際的な貿易・投資ルートの策定等において一定の役割を果たすことが期待される」としていますが、一体どういう個人ないしは組織がこのような「期待」をしているというのでしょうか。
 日本にも渉外事件を扱う大手の法律事務所がありますが、もしこのような期待が企業側にあるのであれば、渉外事務所の仕事も増え、渉外事務所の弁護士の求人数は増加するはずですが、そのような情報はなく、むしろ大手渉外事務所も軒並み求人数を減らしているというのが事実でしょう。
本当にそのような期待やニーズがあるのか、大いに疑問です。

7 第8段に対してー法曹有資格者の活動領域の拡大を図るための体制の整備がそもそも必要なのか、という観点が全く抜け落ちている。

 何のために「法曹有資格者の活動領域の拡大を図る」必要があるのでしょうか。本当に国民の利益や国益のためでしょうか。

 最初に述べたとおり、もともと法曹有資格者の活動を必要とする需要があったからこそ司法試験合格者数を激増させたはずなのに、なぜ今となって需要の拡大を図る、そのための体制の整備をする(例えば、弁護士の雇用を企業に義務づける等の法律をつくれということでしょうか)必要があるのでしょうか。
 司法試験合格者数を激増させたために、弁護士が余りすぎ、その弁護士の活用方法を急遽捻りだそうとしているとしか思えません。
「歯医者を増やすと虫歯が増える」「医師を増やせば病気が増える」というのと同じ危険な発想です。
 そんなことを国民が望んでいるとは思えません。
 弁護士が過剰となって弁護士登録をしない有資格者が増えたり廃業者が増えるということは、その者たちの不幸にとどまらず、弁護士を養成するために国民が負担した費用がその分無駄になるということですので、国民の不幸でもあります。そして、後述する弁護士過剰の弊害が国民に被害をもたらすという危険も無視されるべきではありません。
 この中間取りまとめ案には、このような視点が欠落しています。

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