NHKもニュースで取り上げるようになった弁護士未登録者の増加(追記あり)
弁護士の“就職難”が深刻化(NHK)
司法試験に合格して、今月、司法研修所を卒業した人のうち、弁護士として活動するために必要な弁護士会への登録を行わなかった人が全体の4人に1人に当たるおよそ540人と過去最多になったことが分かりました。
日弁連は、弁護士の“就職難”が深刻化しているとして、司法試験制度の見直しを求めています。
4人に1人、つまり25%が弁護士会への登録をしない、弁護士として活動をしない、ということ。もちろん、その中には裁判官や検察官になる人もいるわけだが、ごく僅かである。
ついに、こういう時代になってしまったのか・・・。
ただ、こういう取り上げ方だけだと、今は大学卒業者も就職難なんだから仕方ないだろう、弁護士にならない人が増えたってかまわない、登録しない人の勝手でしょ、などいう国民の反論がありそうだ。
だから、弁護士を養成するには、医師ほどではないにせよ、莫大な国費がかかっていることを、もっと報道して頂きたいと思うのだ。
法科大学院に対する補助金、学生に対する奨学金(これから回収が相当困難になっていくだろう)、司法研修所の運営費、司法修習生に対する貸与金(こちらも、これからは回収が相当困難になっていくだろう、オリコが保証人になっている分は別として)などを計算して、国が法曹養成のために法曹資格者1人当たりに一体いくら支出しているのか、計算してみるべきだろう。
これからは、毎年毎年司法試験に合格しても法曹にならない人が増えていくだろう。その分、国費(税金)の無駄遣いである。
そうすれば、国民にも、自分のこととして、理解してもらえるのではないだろうか。
私も、国民の一人として、こんな壮大な無駄遣いやめてもらいたいと思う。
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司法修習には膨大な国費がかかっていますし、指導担当の弁護士や裁判官・検察官、弁護士事務所の事務局、裁判所や検察庁の書記官や事務官など、沢山の実務家が関与しています。他方で、この司法修習に費やす国家予算を上回るような補助が法科大学院に費やされています。国の財政事情が厳しい中、このような国費や人的資源の無駄遣いは、早急に改められるべきでしょう。
確かに、司法修習生に対しては司法研修所のみならず実務修習でも国費が費やされているし、多くの法曹が時間を費やしている。
もっとも、こういうことを言うと、法科大学院関係者は「司法修習なんてやめてしまえ」と言いかねないが 、実務家の養成として、「法科大学院による教育」と、「司法研修所、裁判官、検察官、弁護士による実務修習」のどちらが優れているか、法科大学院における教育の実態を知った上で前者の方が優れているという人はまずいないだろう。
なお、修習生の就職難は、統計の問題ではなく、個々の若者の人生に関わる問題です。今年も、細々と履歴書指導などの就職指導をしていますが、個人的な就職支援ではどうすることもできないほど、就職環境が悪化しているのが実情です。
本当にそうだ。白浜先生、お疲れ様です。
法曹養成制度の再検討にあたっては、机上の空論のような議論をするのではなく、個々の若者の顔を思い浮かべた政策議論をしてほしいと思います。また、法科大学院関係者は、国費を受領している団体側の人間であるということを踏まえた取扱をしていただきたいと思います。
法曹養成制度検討会議では、法科大学院関係者が幅をきかせているが、彼らは「国費を受領している団体側の人間」であり、強い利害関係を有する者であるということを、政治家の方々はよく認識して頂きたいと思います。
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