2割弁護士自治
ある先生が臨時総会の様子を見て「2割弁護士自治だなあ」と言っておられた。
あの臨時総会は、票の割れる議案があったから、まだ2割(委任状出席も含む)も出席したのであって、実際には通常総会では定足数を充たすのも難しくなっているようだ。
私も、最近は総会に出席しなくなっている。
弁護士が増えても、出席者は減る、という状況なのだ。
それよりも、競争が激しくなったり、単価が安くなったことから、仕事に時間を充てたいということもあるが、そもそも弁護士会のやることに対する関心が薄れているというのが本当のところだろう。
今回の育児中会費免除制度は、会報やHPにあまり掲載されなかったということもあるが、そもそも弁護士会のやることに関心がなく知らなかったという会員が多かったと思う。
会費免除を受けたい、将来受けることになるだろう、という会員には大変関心のあることだったと思うが。
弁護士自治も形骸化してきたということである。
私が、もう「任意加入団体になってもいいのではないか」と言うと、「弁護士自治は大切だ」と怒られる先生もおられるが、ここまで形骸化してしまった弁護士自治はもう見直すべきときではないかと思う。
会費が高すぎるという声も、今回の運動で皆様から聞いた。
弁護士会としてやるべきことを絞り、もっと会費を安くしてほしい、という声もあった。
主義主張が違う人間が強制的に集められているので、もともと一体として動くことには無理があるのだ。
私は、懲戒制度、弁護士照会制度、人権擁護活動など、権力から完全に独立して実行されるべきものだけは残し、会費も最低限のものとし、あとの活動(互助制度、一部の委員会活動、研修、法律相談センター等)は任意加入の団体として行うことはできないかと思った。委員会活動の中には、もともと市民運動的なものもあり、弁護士が市民と一緒に活動してもいいものがあると思う。
なにしろ、人数が増えるにつれ、まとまって活動をすることは困難になる。このため、一部の余裕のある人間がトップに立って好き勝手をやりやすくなる。
そして、今回の育児中会費免除制度のように、利害が一致した組織が少ない人数でも容易に有利な結果を得ることができるようになり、ますます弁護士会に対する不信感は募る。
私が、今回の件で、もう弁護士会は任意加入団体でもいいのではないか、と思うのはこういう理由からである。任意加入団体であれば、育児支援だろうが何だろうがどんな理由で会費を免除しようが何ら問題ない。嫌なら退会すればいいのだから。
懲戒権などは権力から独立して実行されるべきだとは思うが、それが即、今のような何でもかんでも強制加入団体でやらなければならない、ということは意味しないと思う。
こんなに形骸化してしまった弁護士自治であれば、そこまで固執して「弁護士自治を守らねば!強制加入団体であることは大事だ!」とは、もはや言えなくなっているのではないだろうか。
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弁理士会は会員増加に伴って会費を月額2万円から1万5千円に下げています。弁護士会はこれほど人数が増加しながら、何故弁理士会と同じことができないのでしょう。
投稿: | 2012年10月 5日 (金) 23時00分
任意加入団体になれば,弁護士の全体をカバーできないので,弁護士全体を監督する監督官庁が必要となります。そうなると,懲戒権なども手放さなければならないのではないでしょうか。弁護士自治は,他の国にはない制度らしいので,守るのはとっても大変だとは思います。
投稿: 某若手 | 2012年10月 6日 (土) 16時17分