コスト感覚の欠けた法曹養成制度。
今月はかなり忙しく、集中したいこともあるので、あまりブログの記事を書けたないと思う。
ただ、法曹養成問題については、他の弁護士ブログが頑張って書いて下さっているので、私が書かなきゃと思うことも減ってきた。
当分は、読む方にまわり、他の弁護士の記事を紹介することになるかも。
きょうの朝は、日経の言う「企業のニーズ」の正体(Schulze BLOG) を読んで共感。
日経は、「訴訟実務にこだわっている弁護士が悪い」「年収額の希望が高い弁護士が悪い」と、あたかも弁護士側の心得違いが原因のように記事を構成していますが、現実は全く逆です。
企業が弁護士の資格に価値を認めていない、きちんと対価を払う意義を認めていないということなのです。
つまり、これは需給のミスマッチでも何でもなく、要するに企業に需要がないということの裏返しなんです。
本当に必要性があるのなら、対価を支払っても採用するはずだし、現にこれまで弁護士を採用してきた企業は、それなりの処遇をしてきたはずだと思います。
そのとおりだと思う。
本当に必要なものなら、高い金を出しても買うだろう。
そして、安くしか買ってもらえないなら、大金をかけてまでそんな物をつくるのをしないのが普通の人間のすることだ。
法曹養成制度は市場原理主義者に主導されてつくられたのに、「高いコストをかけてつくったものを安く売れ」というのは市場原理にも反するのではないか。
私は、原発事故以来、大新聞の報道や社説に対して、もういちいち怒る気持ちにもならなくなっている。
彼らの書く記事の一部や社説には、一定の目的があるのであり、論理にもとづくものではない。ましてや正義にもとづくものでもない。
それを、論理や正義でもってひとつひとつ批判しても無駄であると、あの原発事故のときのマスコミ報道で実感した。
もちろん、批判の声を上げ続ける必要はあると思うのだが。方法を考えないと徒労に終わりそうだ。
原発ムラも、原発事故が起こるまで、(批判する熊取六人衆を迫害し続け)ずっと健在だった。
法曹養成フォーラムもしかり。最初から目的をもって委員が選任されていることは歴然としている。
元官僚の方が、政府の審議会などの有識者会議のメンバーは、官僚が導きたい結論を想定して選任される、ただ、外部にそれが分かるとまずいので、反対者も一定人数は入れるが少人数にとどめる、と言っているのを読んだが、まさに法曹養成フォーラムがそうだろう。
(私は、そんなアリバイづくりのために選任されたと思われる荻原委員がお気の毒でならない。)
過去の私の記事「法曹養成フォーラムの第2回議事録はおもしろい。」参照
そんなフォーラムの議論をまともに検討するのがバカバカしくなってきてしまった。
私は、今は、この白浜徹朗弁護士と同じで、この発表を待っています。
早くこういう重要な客観的データは明らかにしてもらいたい。
法曹養成フォーラムの法科大学院関係の委員よりも、法曹志望者の方がはるかに冷静な反応をしていると思う。
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日本の学者は、国から補助金をもらうことしか考えてないのですから、親にお小遣いをもらっている子どもと一緒です。
コスト感覚など最初からありません。
投稿: @ | 2012年6月 6日 (水) 15時58分