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2011年9月18日 (日)

「赤と黒」(スタンダール著)の話(その3)

 (ここからは小説の結末にも触れるので、差し支えのある方は読まないで下さい。)

 さて、レナール夫人の中傷の手紙によって、マチルドの父親は激怒し二人の結婚を反対する。ジュリアン・ソレルは、レナール夫人の裏切りに激高して、レナール夫人を撃つが、夫人は軽傷にとどまる。

 しかし、ジュリアンは愛するレナール夫人に危害を加えたことを後悔し、死刑を望み、簡単に殺意を認めてしまう。

 法廷では陪審員に向かって「わたくしをさばく人々がわたくしと同じ階級の人でないという事実によって、なおさら峻厳に罰せられるでありましょう。」などという皮肉も堂々と言ってしまい、彼を憎んでいた陪審員や裁判官の反感をかってあっさりと死刑を宣告される。

 マチルドは、ジュリアンの行動を復讐のための誇り高い行動とみて、ジュリアンを祖先の英雄に重ね合わせ、自身の恋愛に酔っている。しかし、マチルドはジュリアンの本当の姿を愛しているわけではない。それを見抜いているジュリアンにとって、彼の救命のために必死の嘆願運動をしてくれるマチルドも、ただわずらわしいだけの存在になってしまう。

 一方、命をとりとめたレナール夫人は、ジュリアンを牢獄に訪ね、二人は愛情を確かめ合い幸福なときをすごす。母親の存在を知らずに育ったジュリアンにとっては、レナール夫人が唯一本当の自分を無私無欲に愛してくれる存在である。

 牢獄には唯一の親友であるフーケも訪ねてくる。このフーケは地元で材木商を営んでおり、小説全編に時々登場しては、上昇志向の強いジュリアンをいさめ堅実な生活を勧める善良な人間だ。ジュリアンは、教育のない野卑なフーケを内心馬鹿にしてきたのだが、誠実なフーケは最後までジュリアンを見捨てず、献身的にジュリアンを助ける。このフーケも、どの時代にも共通する普遍的な存在であり、この小説に奥行きを与えている。

 ジュリアンは、死を目前にして本当の幸せを知る。若いときは将来のことしか考えず、今そこにある幸せが見えないことがあるものだ。しかし、死が目前に迫ったとき、あれほどまで野心家であったジュリアンも本当の幸せに気づくのだ。

 この最終章のこまやかな心理描写は読み応えがある。

               typhoon

 この小説を最初に読むと、ジュリアン・ソレルは自尊心が強い自己中心的なイヤなやつと思えるかもしれない。実際、スタンダールはジュリアンのそういう面をかなり露骨に描いている。

 確かに、ジュリアンの、女性、特にレナール夫人に対する態度もどうかと思う。 

 ジュリアンは聖職者をめざしているが、神など信じていそうにもない。不幸な生い立ちであり、信じるのは自分だけという個人主義者として描かれており、これは極めて現代的な人物設定だ。このため、この小説は出版当時ジュリアンの性格描写が酷評されたらしい。

 しかし、ジュリアン・ソレルは今なら大学生か、社会人1,2年生くらいの年齢であり、小説の中でも裁判の傍聴人に「まだ子供じゃないか」と表現されている。この年齢を考慮して読むと、さほど嫌悪感も感じない。

 むしろ、ジュリアンの感受性の豊かさ、純粋さの方に惹きつけられ、そのジュリアンの目から見た社会の醜さに身につまされる。

 これは、たぶん読者の年齢にもよるのだろう。 

 スタンダールは、「赤と黒」の副題を「1830年年代記」(ただし、実際に書かれたのは1820年代)としているが、「赤と黒」は現代にも通じる青春小説だと思う。

 ちなみに、フランスでは、この小説の王政復古期の後に、民衆の不満が爆発し、30年に7月革命が起こった(ウィキペディア フランス7月革命 参照)。 

 スタンダールは、この小説を書いた当時、ジュリアンのような貧しくても教育を受けエネルギーをもった若者たちが、やがて革命を起こすと思っていたらしい。

 ・・・・・少々長くなったが、「読書の秋」ということで、ちょっとこんな記事を書いてみた。

 「赤と黒」は、ぜひ若いときに一度読んでおくことをお勧めします。

 (もっとも、個人的には弁護士会の旧執行部派のえらい方々や給費制維持に反対するロースクール関係者にも読んでもらいたいのだが・・・)

              typhoon

 ところで、「赤と黒」は、フランスの名優ジェラール・フィリップがジュリアン・ソレルを演じたフランス映画が有名だ。しかし、私は見ていない。

 ジュリアン・ソレルは眼の大きい女の子のような容貌と表現されていて確かにジェラール・フィリップの顔立ちはイメージにあっているが、既に当時30歳くらいのジェラール・フィリップにはいくら演技力があっても10代後半から20代前半のジュリアン・ソレルの若さゆえのはかなさを演じるには無理があると思う。女優さんたちは、イメージにぴったりだが。

 同じジェラール・フィリップの「モンパルナスの灯」は見たが、こちらは年齢的にもモディリアーニにぴったりだった。

 ジェラール・フィリップにはもう少し若いときにジュリアン・ソレルを演じてほしかったなあ。

 

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