法曹の養成に関するフォーラム第3回議事録を読んで(その1)
今週になってから、フォーラムの第3回議事録がUPされていることを知った。
ま、所詮は、オブザーバーですから。 (PINE's page)
第3回法曹の養成に関するフォーラム その1 (弁護士 猪野亨のブログ)
の記事を読んで。
まだ、じっくりは議事録を読んではいないのだが、まずはちょっとだけ感想。
日弁連からオブザーバーとして参加している川上弁護士の評判が上記記事ではすこぶる悪い。
私は、同じ弁護士会なので、もちろん川上弁護士を存じ上げている。私が司法修習生だったとき、確か修習委員をされていた。少年事件で活躍もされている。
まさか、こういう議事録の中で、川上先生の生い立ちを知ることになるとは思ってもいませんでした。
でも、こういうことを言われるのなら、どうして法科大学院制度に切り込まれないのか。
川上弁護士のような生い立ちの方たちにとって、法曹になるための障壁となっているのは「貸与制」ではなく「法科大学院制度」そのものでしょう。
先日、司法記者との懇談会に集まった弁護士の中には法科大学院講師の方も見えていたが、その方が、
「かつての司法試験制度のもとでは、自分に適性がないと感じたら司法試験を受験するのをやめればよかった。しかし、法科大学院制度になってからは、学生は引き返すにも引き返せない、その苦しみようを見ていると本当にしのびない。」
「学生の中には経済的苦境に陥っている人もいて、お昼におにぎり一つという人もいる。自分はあまり気の毒なので、冷凍庫に保管してあった冷凍弁当を解凍して『これ食べて』と渡したこともある。」
と言っておられたのが心に残った。
法科大学院では、多額の入学費・学費が必要であり、そのため多額の奨学金を借りている人も多い。一旦入学した以上、やめてしまえば借金だけが残る。それは、簡単にはやめられないだろう。
法曹養成にとって、法科大学院は法曹志望者にそこまでの犠牲を強いてまでも存続させるだけの価値があるのか。
フォーラムでは、給費制の存廃を点として議論するだけではなく、今の法曹養成制度の現状をきちんと把握した上で、本当にこのままでいいのか、深い議論をして頂きたいと思う。
私は、この議事録の中では、荻原委員の発言のこの部分(議事録22頁)
もっと基本的なことを言うと,この修習制度というのは本当に必要なのかと。本当に日本の法曹を守るために必要不可欠だとしたら,それは国費で賄うのか,自己負担で賄うのかという,もう少し本質的な議論が必要なのではないか。修習制度に課題があるのだとすれば,法科大学院には問題はないのか。法科大学院が必要だとしたら,適正な規模なのか。必要な内容で法科大学院の学習がなされているのか。それと修習制度はどういう関係にあるのか。
修習制度の必要性とは一体何かという,本来このフォーラムが議論しなければならない本質論になってくるのではないでしょうか。そういう中で全体として,給費か,あるいは自己負担でやるのかといったことが議論されるべきであろうかと。そういう意味では,前回も前々回も申し上げたのですが,この部分だけ取り出して先行して結論を出すということは本当にふさわしいのかと。もっと言えば,全体像を議論しながら最終的な結論に導いていくといった方策もあるのではなかろうかと,そんな感想を持っております。
に、最も共感した。
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