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« 雨上がりの庭 | トップページ | 新聞社は弁護士の収入を取り上げるが、法科大学院の教員らの収入をなぜ取り上げないのか? »

2011年6月22日 (水)

法科大学院擁護キャンペーン月間だろうね。

 新聞各社が「法科大学院擁護キャンペーン」をやっている。

 これは、かつてマスコミが「原発安全キャンペーン」をやっていたことを思えば、驚くほどのことではない。

 法曹養成フォーラムの議論や世論に影響を与えたいという意図がみえみえだ。

 法科大学院がどうしてこうも人気がないのか、どうしてこうも批判されるのか、について、あいかわらず「司法試験の合格率の低下」だけでかたずけようとしているのには笑える。

 そんなに法科大学院の教育に自信があるのなら、もう、いっそのこと、司法試験も司法研修所もなくしてしまって、法科大学院卒業生全員に法曹資格を与えたらどうなのか?

 そしたら、(彼らの論理によれば)法科大学院入学希望者が一杯増えるだろう。法科大学院は万々歳だ。

 しかし、そうなれば、裁判所も検察庁も、裁判官、検察官希望者には、別途試験を実施することになるだろう。

 弁護士希望者には、各法律事務所が入所試験を実施するか、法科大学院の成績等が考慮されることになるだろう。もっとも、弁護士二世やコネのある者の中には、こういう試験免除で法律事務所へ就職できる者も出てくるだろう。

 今でも司法修習生は大変な就職難の中にいる。企業や行政機関等の雇用も頭打ちだ。

 結局、試験に合格せず、二世でもなく、コネもない法科大学院卒業生らは、即独、ノキ弁(今やノキ弁先の確保も難しいらしいが)、アパ弁、携帯弁などとして大量に放出されることになるだろう。

 その結果がどうなるのか・・・。

 しかし、それで国民が納得するのなら、それもいいんじゃないの。

 どうせ原発事故のように、大変な社会問題に発展しない限り、国民もこの問題には関心が向かないだろう。そして大問題になったところで、マスコミも御用学者も何の責任も取らないのは原発事故と同じことだ。

 最近、私はそういう醒めた気持ちだ。

 どうせ弁護士が何を警告しても「既得権擁護のためだろう」とか「ギルド的発想だ」の一言でかたずけられるんだもの。

 (しかし、「法科大学院制度」という「既得権」に守られているくせに、法科大学院関係者がよくそういうことを言えるなあ、といつも思う。あっ、「再販制度」や「記者クラブ」という「既得権」に守られているマスコミもね。)

 この国のあまりにひどい原発対応を知ってからというもの、もうこの国やマスコミのやることに期待ができなくなってしまっている。

 「司法」は、電力行政に負けず劣らず、国民に大きな影響を及ぼす国家の根幹だとは思うんだけどね。

追記:

 司法改悪による弊害は、直ちには表面化せず、じわじわと個人と社会を蝕んでいくというところは、放射能汚染とちょっと似ていると思う今日この頃。

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