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2011年4月14日 (木)

名古屋城のしだれ桜+「共感疲労」のはなし

 昨日の昼休み、名古屋城のお堀端を散歩した。

 ソメイヨシノは散りかけだが、八重のしだれ桜が満開に近く、とても美しかった。

Sidarezakura_007

Sidarezakura_003

 ここのところ、名古屋は春らしい心地よい日が続いている。

 桜を見ながらお弁当を広げるサラリーマンやOL、ウォーキングを楽しむ近所の年配のご夫婦などで、お堀端はにぎわっていた。

 のんびり餌をねだるネコや、お堀の大きなコイ、それに白鳥も。

Sidarezakura_010

 葦のしげみから、ちらりとタヌキのような姿も見たが、あれは本当にタヌキだったのだろうか。

                 

 あまりにのどかな風景なので、今、東日本で起こっていることをしばし忘れてしまう。本当にあれは現実に日本で起こっていることなのだろうか。・・・ちょっと罪悪感を感じる。

 しかし、せっかくの春なのだから、誰もが春を楽しんでもいいと思う。

 あまり共感してしまうと、「共感疲労」というのもあるそうだ。

 被災していない人にも「共感疲労」という苦しみがある

   香山リカの「こころの復興」で大切なこと(ダイヤモンドオンライン)

 私は、精神科医である香山リカさんの

 精神科医として仕事をしていると、よく「相手の悩み事を聞いていると精神的に疲れるでしょう」と言われます。けれども、患者さんの悩みを聞いていちいち疲れていたら、精神科医としてやっていけません。

 私たち精神科医は、共感疲労を避けるためのトレーニングを受けています。なるべく相手から距離を置いて、相手の身にならないように話を聞く。私だったらどう思うかとは考えない。基本的に、共感し過ぎない態度を取りながら相手に向き合うのです。

 自分の心を消して話を聞くというと、冷たい人と思われるかもしれません。でも、共感疲労に陥ってしまっては冷静に話を聞くことができなくなります。身がもたなくなってこちらが倒れたら、精神科医は務まらないので、そのためのトレーニングを受けるのです。

 と言われることがよく分かる。

 弁護士は特にトレーニングを受けているわけではないが。

 修習生のときに、先輩の弁護士が「しょせん他人事だと思わなければやっていけない。」と言われていたのを思い出す。

 冷たいようであるが、そうしないと仕事として続けられないことは、精神科医も弁護士も同じである。

 被災地で活躍しているボランティアの方々にも、こういう心づもりは必要ではないか。

               

 私はお花見で騒ぐのも騒いでいるのを見るのもあまり好きではないが、少々羽目をはずしている人たちをとがめるのも寛容さがないように思う。

 先日、車の中でNHKのラジオを聞いていたら、林望先生という方が、「今は何かをしなければと焦るときではなく、鎮魂のときだ」というようなことをおっしゃっていた。

 被災地から遠く離れている者は、しばし静かに桜を愛でて、魂を鎮めてもいいのではないか。

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