映画「BOX 袴田事件 命とは」 高橋伴明監督インタビュー のご紹介
今この時期にこういう映画を作った監督の着眼点がすごい。
映画「BOX 袴田事件 命とは」公式サイト→http://www.box-hakamadacase.com/
高橋伴明監督は、裁判員制度に反対なのだそうだ。
RL「裁判員制度に関する監督の考えをお聞かせください」
TB「正直なところ、非常に問題がある制度だと思っています。用意された限定の証拠を見せられて、あのような短い時間の中で裁判に関して見識のない素人が、職業裁判官でも間違うことがある判断をどうして出来るでしょうか。法務省や裁判所は、国民に裁判にもっと関心を持ってもらうようにと考えていますが、裁判員の守秘義務には矛盾を感じざるを得ません。裁判員が判断に至るまでの心情や苦労を伝えない限り、国民は理解できないと思います」
RL「そうしますと、監督はこの裁判員制度には反対の立場であると断言されますね」
TB「反対です。出来ることなら、廃止を望みます。それより私は、この国の裁判官をもっと増やすことを望んでいます」
一般市民が「用意された限定の証拠を見せられて、あのような短い時間の中で」は判断できないだろうというご意見は、もっともである。
熊本典道元裁判官も裁判員制度に反対である。高橋監督は熊本元裁判官とも話し合ったそうだから、当然裁判員制度についても話が及んだことだろう。
「裁判官は間違える」=「一般市民は間違えない」 にはならないのである。
そして、もし間違えてしまった場合の代償は(裁判官であろうと一般市民であろうと)ものすごく大きいのである。
私はまだこの映画を見ていないが、時間を見つけて見に行きたいと思う。
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コメント
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もし間違えてしまった場合の代償。昨日の東京新聞に、熊本・元裁判官の記事が載っていました。
自殺未遂は知っていましたが、現在は生活保護を受けているとのことに驚きました。
http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20100602/CK2010060202000138.html
投稿: 大山千恵子 | 2010年6月14日 (月) 13時06分