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2009年9月18日 (金)

あいかわらず面白い朝日新聞の社説

 私のブログの人気記事のトップはなぜかいつもこれ。

   弁護士の年収1600万円は本当なのか?

 この記事で引用した朝日新聞の「弁護士増員ー抵抗するのは身勝手だ」に続いて、またまた朝日新聞の論説委員が書いてくれました(同じ人だろうか)。

   法科大学院―法曹が連帯し質向上を

 この記事を読んだ先輩弁護士らの談。 

 「あれっ、随分トーンダウンしたじゃない。」「法科大学院の質の低下を認めちゃっているし。」「なんだか他力本願で投げやりだ。もう、諦めちゃったのかな。」

 この社説もどんなもんかと思うが、前の社説のような勢いがないのは確か。

 あれだけこけおどしていた弁護士会や弁護士に対して「法科大学院の質向上のためにお願いしますよ。」などと嘆願しているかのよう。もはや法科大学院制度の破綻を認めてしまっているようにも読める。

 この社説については、この方(元司法修習生、今は弁護士?)が面白い突っ込みを入れている。

    朝日新聞社説Schulze BLOG

 確かに、突っ込みどころ満載だわ。

 落合洋司弁護士の方はとっても手厳しい。

 法科大学院ー法曹が連帯し質向上を(9月12日・朝日新聞社説)

  ( 弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 「日々是好日」

 (私はここまではとても言えません。ロースクール制度には反対だが、学生のためによりよい教育をしたいと頑張っておられる優秀な実務家教員もおられるのを知っていますし。まあ、しぶしぶお付き合いしているという人の方が多いでしょうが。)

 私が聞いたところによると、一部の法科大学院の行っている教育は「人間性豊かで思考力を持った法律家を育てる」とはほど遠いもので、学生の不満も相当なもののようだ。

 それに、予備校化してはいけない、受験とは関係ない実務教育の場である、と言われても、司法試験に合格しなければそもそも実務家にはなれないのだから、学生が合格するために受験勉強もしなければならないのは当然で、もともとロースクールと学生には無理なことが要求されているのである。

 朝日新聞の社説は、

法科大学院と司法研修所、法曹三者が学生の育成過程をきめ細かく分担し、法律家として独り立ちさせるまで責任を持たねばならない。

とおっしゃるが、 

 市場原理主義にもとづき弁護士を過剰に生み出して競争させ淘汰させねばならないとする一方で、

 弁護士は(これから競争相手となるであろう)学生を

 学生の育成過程をきめ細かく分担し、法律家として独り立ちさせるまで責任を持たねばならない。

 なんてことを平然と言う。矛盾もいいとこだ。

  学生の育成過程をきめ細かく分担し、法律家として独り立ちさせるまで責任を持たねばならない。

とおっしゃるならば、できるだけ国家予算をかけずに(学生に学費を自己負担させて司法修習生の給与も貸与制にして)法曹を短期間に大量生産するための装置であるロースクール制の「生みの親」佐藤幸治氏(憲法学者)らにおしゃって下さい!

                 typhoon

 そういえば、先日出席した司法記者クラブとの懇談会の際、朝日新聞の記者が、「きょうはいじめられるのじゃないかと戦々恐々として来ました。」などと自己紹介して出席者の笑いを誘っていた。どうやらあの社説「抵抗するのは身勝手だ」に怒りを持っている弁護士が多いことは司法記者の間でも周知のことらしい。

 (もちろん、社説は記者の責任ではないので、皆いじめたりはしませんでしたが。)

 但し、司法記者クラブとの懇談会では例の再販制度のことは話題になった(私を含め人が悪い弁護士が揃っていたもので)。

 ある新聞の司法記者が「他の社会と同様、弁護士間に競争があるのは当然だ。修習生は就職難ということだが、それなら僕らと同じように記者の試験を受けたらどうか。もちろん、有資格者としてではなく一般の大学卒という待遇になるが。」などという意見を述べられた。

 そこで、私は、「競争ばかりしていてよい記事が書けると思いますか?新聞の再販制度はどうしてあると思っておられるの?」などと意地悪い質問をし、他の先輩弁護士も「僕も再販制度のことを言おうと思っていた。あなたたちの会社は再販制度の維持にやっきとなったのじゃないの。記者になればいいと言われるが、記者になるために大金をかけてロースクールに行く必要はないでしょう。大学を出て直ぐに新聞社の試験を受ければいいのだから。」などと反論した。

 なお、この席にいた司法記者(新聞、テレビ)の会社で企業内弁護士がいるという会社は一つもなかった。「以前は一人いたが直ぐにやめてしまった。」というテレビ局は一つあったが。

                 thunder

 私は、あれからずっと新聞を取らずにいる。広告やチラシの多い中日新聞から解放されてスッキリ(チラシの始末が大変だったので)。月額3,000円が浮いたし、名刺広告費用も浮いたので、年間15,6万円は得をしている。

 頑張ってよい記事を書いている現場の記者の方々には悪いが、こんな社説を堂々と掲載するようでは、朝日新聞の売り上げが落ちるのも当然だと思う。

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コメント

確かにロー設立前後に「人間性豊かで思考力を持った法律家を育てる」というキャッチフレーズを良く耳にしましたが,考えてみると,もの凄く違和感のあるキャッチフレーズですよね。

豊かな人間性に思考力は,法律家に限らず,あらゆる職業で本来必要なものだと思うのですが,これを大学教授がちょっと本気を出せば簡単に身につけさせられるのなら,なぜ学部,法学部以外の学部でも行われてこなかったのですかね。

旧試験組は,まるで定型的に豊かな人間性と思考力に欠けるかのごときですが,学部時代は彼らの教育を受けたんじゃないですか?予備校に行くと根暗になってしまうんでしょうか(笑)

なぜローで出来ることを学部でやらなかったのか。
意味がわかりません。

ロー推進者は,本当に簡単にできると思ったのか,全く理解できません。

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