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2009年4月21日 (火)

フィギュアスケートの採点基準が変更になるそうです。+国別対抗戦の感想など

規定改正で回転不足の減点緩和/フィギュア (SANSPO.COM ) 2009.4.17 22:40

  回転不足のジャンプは、ジャッジによる出来栄えの評価で必ず減点対象となっていたが、来季からは加点や減点の裁量をジャッジに委ねる。平松委員は「挑戦しても回転不足となれば基礎点が下がる上に、減点される二重のマイナスがなくなる」と説明した。

 4回転ジャンプの回転不足を、4回転ジャンプの失敗ではなく、3回転ジャンプの失敗(回りすぎ)とみるのはやはりおかしいと思う。現役選手、OB、コーチ(※)、それにフィギュアスケートファンの方たちがおかしいという声を挙げた成果だろうか。

 ※ たとえば、モロゾフコーチはこんなことを言っていた。

 ――多くの日本選手を指導しているが、提言は。

 「厳しく回転不足を取る今季の規則は、高難度に挑む選手を罰し、競技の未来のためにならない。浅田真央(愛知・中京大中京高)の2度のトリプルアクセルにしても、安藤の3―3にしても、回転不足で大幅減点され、跳ばない方がマシというのは理不尽だ。ロシア選手権では、高難度技に挑んだ選手にボーナス得点を与えるが、全日本でも一工夫あってもいい。また日本は、選手をアイドル扱いし過ぎる。長い目で人間として成長を見守る支援体制があるべきだ」

  村主、変えずに復活 モロゾフコーチインタビュー (2008年12月30日  読売新聞)

 世界選手権で安藤美姫選手が3回転ー3回転を跳ばなかったのも、こういう理由からだろう。そして、それが成功したわけだ。

 しかし、フィギュアスケートもやはりスポーツなのだから、挑戦する選手の意欲をそぐようなルールでは、選手も辛いだろうし、見ているファンも面白くはない。

 今回のルール改正は、回転不足のジャンプの「加点や減点の裁量をジャッジに委ねる。」ということであるから、実際の採点はどうなるかは分からないが、いよいよオリンピックシーズン、選手にとっても観客にとっても、納得のいく採点がなされることを期待する。

                   

 国別対抗戦の感想を少し。

・ 世界選手権から間がないのに、気を抜かずに観客によい演技を見せようと頑張った選手に拍手。特にベテランのライサチェック選手、ジュベール選手は連日の演技だったのによい演技を披露して立派だった。

 シーズン中フル稼働で頑張ってきた選手は本当に大変だったと思う。選手はピークを世界選手権に持ってきているので、その直後にこういう大会があるというのは辛いのではないかと思うのだが、選手の本音はどうなんだろう。人間は緊張のほどけたときが一番危険なので、怪我などがなければと思っていたのだが。案外楽しそうだったのは救いである。

 ただ、やはりフル稼働だった小塚崇彦選手、ジェレミー・アボット選手、パトリック・チャン選手には疲れがみえ、早く来期に備えて休ませてあげた方がよかったのではないかと思った。

・ 明暗を分けた男子選手に比べ、女子選手にはよい演技が多かった。

 浅田真央選手が今期ショートプログラムで会心の演技ができたことは本当によかった。ショートではじめてトリプルアクセルに挑んだというのもたいしたものだが、なによりも魂のこもった演技だった。はじめてこの「月の光」に感動した。会場のスタンディングオーベーションにも納得。キスクラを去るときにライサチェック選手が浅田選手に何か言葉をかけてハグしていたのがよかった。ライサチェック選手も今期は4回転を封印しているが、もともとはフィギュアスケートのスポーツ性を重視する選手だそうだから、きっと浅田選手のショートでのトリプルアクセル挑戦(男子のショートでの4回転挑戦に匹敵する)に感銘を受けたのだろう。

 「仮面舞踏会」も「タンゴ」もすばらしい演技で、これが見納めだと思うと感無量。

 オリンピックシーズンでは今回のルール改正もふまえて、タラソワさんとどういうプログラムを組むのだろう。でも、すばらしい表現力の持主なのだから、あまりトリプルアクセルばかりにこだわらずに(あまり無理せずに)、観客を感動させるようなプログラムにしてほしいと思う。

・ この国別対抗戦は、TV局がペアやアイスダンスを放映してくれたのもよかった。ランビエール選手(今はプロだけど)の芸術的な演技を見ることもできた。本当にこの人のスピンはすごい。こんな早いスピンができる選手は今後現れるのだろうかといつも思う。もうちょっと現役選手としての演技が見たかったなあ。

・ 日本選手の応援席に、いつもモロゾフコーチがニコニコして座っていたのが面白かった。まるで日本選手団のチームコーチみたい(ちょっと意地悪く、ここに高橋大輔選手がいたらどうなっていたのかなあ、と思ってしまった)。

 モロゾフさんは、浅田選手の演技にも大喜びだった。いろいろな評判はあるものの、タラソワさんとともに、フィギュアスケート界の向上を心から望んでいる人ではあると思う。

                  

 フィギュアスケート界にも、他の世界と同様に光も影もあることを知ったシーズンであったが、ひたむきに演技をする選手からはたくさんの感動や勇気をもらった。感謝!

   

 

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