河井克行議員のブログを見て驚いた。
「司法の崩壊」(PHP研究所発行)の著者である自民党衆議院議員の河井克行議員のブログ「あらいぐまのつぶやき」 を久しぶりに見て、驚いた。
こんなことになっていたとは・・・。
その後の「司法の崩壊」~新試験、旧試験、二回試験の結果を見て~
さらに読み解く「新試験合格者数2065人」と「二回試験不合格者数113人」の持つ意味
私が昨年、法務副大臣として専修大学法科大学院を訪問した際、同大学院の平井宣雄学院長が思わず発した言葉がいま思い出されます。「数が増えたら質が下がるのはやむをえない」。現行の法曹養成制度の蹉跌は既に明らかです。
この学院長さんの発言は本音だろう。この学院長さんと同じことを、法科大学院の講師の方々がため息まじりに述べられるのを私は何度も聞いている。常識的に考えてそうだろうと思う。
法科大学院に対しては国から多額の補助金が支払われていますし、学生も重い経済的負担をしながら通学しています。法科大学院を修了し、司法試験に合格し、一年間の司法修習を終えて、それでも“二回試験”に通らない人たちのために6億円近い国費が無駄になったことを私たちは看過ごすわけにはいきません。
多額の税金を毎年投入し続ける価値が本当に法科大学院を中心とする現行の法曹養成制度にあるのか。そして、法科大学院における「教育の質」は年々向上していると誰が言い切ることができるのか。私の疑問はつきません。
法科大学院による法曹養成制度は、早急に見直されるべきだと思う。
法曹をめざす若者にとっても不幸な制度であるし、法科大学院への補助金や余分な司法修習の費用として多額の税金がつぎ込まれる国民にとっても不幸な制度だ。
お隣の国韓国では、日本のロースクールは「失敗例」という烙印がおされている。「反面教師」なんだそうだ。
YOMIURI ONLINE 教育ルネサンス
私は、昨年半ばに法曹養成小委員会が開かれた際、多くの若手・中堅の国会議員が詰めかけ、3000人増員計画と法科大学院教育の実態について厳しい意見が数多く出され、会が紛糾したことを思い出しました。現実から目を逸らしてはなりません。現場を恐れてはだめです。政治家が厳しい現実を直視せず、役人の当たり障りのない説明に逃げ込んでしまったら、国民の利益はいったい誰が守るのでしょうか。特に、法科大学院を中心とする法曹養成制度と法曹人口年間3000人増員計画の“産みの親たち”には他の人々よりも格段に重い責任があることをご本人たちはしっかりと自覚すべきでありましょう。
この河井議員の一連の記事を読んで、政治家の方々の方が、日弁連の執行部よりもはるかに現実的かつ常識的だと思った。
司法の崩壊を食い止めるべきなのは、本来日弁連じゃないのか!
それが、今や逆行して、日弁連執行部の方が司法崩壊に手を貸そうとしているのは本当に皮肉なことである(もっとも、河井議員の言われる今だ失敗を認められない責任の重い「産みの親たち」がたくさんおられるからだろうが)。
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河合議員の述べられていることは真実だと思います。
ただ、気を付けなければならないのは、この方の主張が日司連の意向を強く受けてのものだということです。
司法書士の職域拡大のためには弁護士の数が増えてもらっては困る訳ですからね。
いつ弁護士に牙をむくかわからない方ですよ。
投稿: 手放しでは… | 2009年3月11日 (水) 12時05分
「手放しでは…さん」へ
河井議員が日司連の意向を強く受けているかどうかは分かりませんが(そんなに日司連って強いんでしょうか。うらやましい限りです)、少なくとも、おっしゃっていることは日弁連執行部よりはましだと思っています。
投稿: M.T.(管理人) | 2009年3月11日 (水) 12時36分
2回試験の成績とやらがそんなに重要ですかね。
そもそもロースクールはアメリカの制度を見習ったものですが、
アメリカは日本よりもはるかに大量の法曹を生み出す一方で
2回試験なんかありませんよ。それで質の低い弁護士が
アメリカの社会問題になってますか?
企業法務部員も法曹とみなせば相当数の法曹が日本にも
いるわけで、彼らはもちろん2回試験なんか受けませんが、
日本の法律実務を現にしっかりと支えているじゃないですか。
ロースクール制度はべつに修了者全員を訴訟代理人にする
ために作ったわけではありません。相当数が企業法務につ
くこと、従来の学部卒よりも高度な能力をもって企業法務に
あるることも期待されていました。
問題は日本の企業が新卒にばかり目を向けて、ロー修了生
をとらないことです。色がついていない人間がほしいといって
偏狭な従来の日本型システムにこだわっている。そんなこと
では、長期的に日本はどんどん衰退し、あと50年もすれば、
若い人の半分は子供を作れない社会になっていると思いま
すよ。
投稿: ss | 2009年5月13日 (水) 02時49分