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2009年3月

2009年3月31日 (火)

フィギュアスケート世界選手権・女子シングルとエキシビションを見て

 フィギュアスケートの世界選手権が終わった。

 フジテレビとネット上で少し見た程度だし、あまり時間がないので、ちょっとだけ感想。

note やっぱりフィギュアスケートの放送はNHKにやってほしい(特に女子シングルは!)。

   実況アナウンサーのおかしなフレーズはもう結構。

note 今回の世界選手権では、スピードとメリハリのあるきびきびした振り付けの演技が好まれた感じがする。男子シングルの1位のライサチェック選手、2位のパトリック・チャン選手、女子シングルの1位のキム・ヨナ選手、2位のロシェット選手などがそう。反面、バレエ的要素の強い優雅な振り付けはあまり高い評価が得られなかったように感じた。

note キム・ヨナ選手のショートプログラムの「死の舞踏」の演技は圧巻だったし、ヨナ選手が金メダルを取ったのには納得。

 パトリック・チャン選手もそうだが、あそこまでスピードを殺さずにジャンプを跳ぶのは相当難しいだろう。フジテレビの「とくダネ!」で佐野稔さんが、「ヨナ選手が前を滑ると風を切るのを審判員は感じる」というようなことを言ってみえたが、テレビで見ていてもこれだけスピード感があるのだから、実際に目の前で見たら迫力があるのだろうと思う。

 しかも、顔の表情、腕のしぐさなど細かいところにも神経が行き届いて、音楽との一体感も素晴らしかった。

 他の選手の演技と比べて、やっぱり今回は1位だろう。

note でも、ヨナ選手の演技と、4位の浅田真央選手や3位の安藤美姫選手の演技に、あそこまでの得点差がつくのかは疑問。

 Mizumizuさんが怒っておられる(もはや発狂花火、キム・ヨナの演技・構成点 「安藤・浅田には勝たせないぞ」ルール突破して、安藤選手を台にのせるモロゾフのしたたかさ)のも分かる気がする。

 私にはジャンプの得点を分析する能力も時間もないのでよく分からないが。

 (関心のある方はこちらの ISUのリザルトページ   プロトコル 女子SP 女子FS をご覧下さい。)

 浅田選手には、ショートプログラムではルッツジャンプ、フリープログラムではトリプルアクセル1つの明らかなミスがあったが、それ以外は技術的にはまずまずの出来だったろう。でも、フリープログラムにはいつもの迫力がなかった。最期の見所のストレートラインステップも、グランプリファイナルのときのような盛り上がりが欠けていた。

 この仮面舞踏会は攻めて攻めて攻めまくるプログラムだと思うが、浅田選手の今回の演技には今一つその攻めの気持ちが感じられなかったように思う。ショートのミスを取り返そうと逆に慎重になりすぎていたのだろうか、それとも疲れていたのだろうか。

 (でも、この過酷なプログラムをこれだけ滑れたのだから、来期のプログラムがどのようなものでも滑りこなせる自信となったのではないか。このプログラムの後なら、通常のー途中で休憩の入るープログラムなら随分と楽に感じるだろう。今期で成果がでなくても、来期のオリンピックこそが最終目標なのだから、これもタラソワコーチの戦略ではないだろうか。)

 安藤選手の演技はとても素晴らしかった。ジャンプの難度は落としていたが(前記のMizumizuさんによればモロゾフコーチの戦略らしい)、やはり高いジャンプには迫力があるし、腕の振りや顔の表情など細かな点にも気を配って優雅さもあった。エキシビションのボレロを見ても、大人の女性らしいしっとりした表現力も加わって魅力的な演技ができるようになったなあと思う。

 スタンディングオーベーションだったし、会場の反応もカナダのロシェット選手のときよりも良かったのではないか。

note 他の印象に残った女子シングルの選手をご紹介。

 ・優雅で美しいこれぞフィギュアスケートという演技を披露した全米チャンピオンのアリッサ・シズニー選手(11位)。長くて真っ直ぐな美しい足に恵まれ、その180度開脚のスパイラルやスピンは素晴らしかった!ショートプログラムでジャンプの転倒が続いたのが残念だが、スパイラルとスピンだけなら金メダルだと思う。やっぱり女子はこういう優雅な演技も見たい。

 ・故国(グルジア)の不幸をものともせず、元気一杯のスケーティングを見せたエレーネ・ゲデバニシビリ選手(この名前はなかなか覚えられない。Wikipedia)(10位)。ジャンプを次々と決め、若さがはじけるような演技だった。

 ・ロシアの新星アレーナ・レオノバ選手(7位)。世界選手権で滑れるのが嬉しくてたまらないというのびのびとしたスケーティングで、オリンピックのロシア代表2枠を確保。キスクラでの笑顔がよかった(浅田選手もこういう時期があったのになあ・・・)。

 ・腰椎ヘルニアに苦しみつつ世界選手権への出場を果たしたスイスのサラ・マイアー選手(9位)。フリープログラム終了後大きな瞳に涙を一杯溜めている姿にもらい泣き。ヘルニアを抱えての練習は相当きつかっただろう。本人にとっては会心の演技ではなかったと思うが、頑張った自分に誇りを感じている姿に感動した。              

 こういう選手たちの姿を見ると、フィギュアスケートは点数や順位ばかりではないなあと思う。

               wine

 今回の世界選手権にも、いろいろなドラマがあった。

 男子シングルのジュベール選手の勝利を確信した最期の最期のダブルアクセルの転倒はインパクトがあった。演技の後に呆然と頭をかかえたジュベール選手の表情が印象に残る。

 ジュベール選手のエキシビションの穏やかな演技はよかったが、内心はオリンピックに向けて闘志を燃やしているのだろう(パトリック・チャン選手には負けないぞと思っているに違いない)。

 いろいろと場外で騒がしいこともあったが、さすが世界選手権。トップ選手の気合いの入った演技を見ることができて本当によかった。

 バンクーバーオリンピックに向けてどの選手もますます気合いを入れてくるだろう。

 来年のオリンピックがとても楽しみ。 

2009年3月27日 (金)

フィギュアスケート世界選手権・男子シングル終了

 もうご存じの方が多いでしょうが、

1位 エヴァン・ライサチェック選手(アメリカ)

2位 パトリック・チャン選手(カナダ)

3位 ブライアン・ジュベール選手(フランス)

 という結果でした。

 日本選手は、小塚崇彦選手が6位、織田信成選手が7位で、かろうじて3枠確保。

 でも、小塚選手も織田選手もよく健闘したと思う。特に小塚選手はプレッシャーがかかっていたと思うが、よく頑張った。

             wine

 さすが世界選手権。出場選手の気迫が違う。

 とりわけ、ライサチェック選手の気迫はすごかった。

 チャン選手やジュベール選手にミスが出たことも幸いしたが、長い手足を存分に生かした切れのある演技で、難しいタラソワさんのプログラムを滑りきり、文句のない1位だったと思う。

 私は、正直この人の演技はあまり好きな方ではないが、今回は拍手を送りたい。

             wine

 世界の強豪選手たちの演技を見ると、織田選手も小塚選手も技術や表現力には引けを取らないものがあるが、観客へのアピール力が不足しているなあと感じた。もっと自分の演技を見て、という強烈なアピールが欲しい。高橋大輔選手にはそういうものがあったと思う。

 でも、きっと今回の世界選手権への出場が大きな自信となって、魅せる演技に向けてのよいステップとなるのではないだろうか。

 今後の両選手の活躍に期待します!

2009年3月26日 (木)

フィギュアスケート世界選手権に向けての私的関心ーその3

 カナダのパトリック・チャン選手が4回転を跳ばずにスピン、ステップなどの表現力で勝負するのに対し、フランスのブライアン・ジュベール選手は4回転ジャンプを(他のトップ選手が失敗を怖れて回避するのに)必ずショートプログラムから入れてくる。

 ジュベール選手は、昨年の世界選手権で1位となったカナダのジェフリー・バトル選手を前にして「4回転ジャンプのないチャンピオンなんて」と言い放ったことで有名。

 4回転ジャンプはきちんと回転して着氷することの極めて難しいジャンプであるだけでなく、肉体的・精神的に選手に大変負担をかけるジャンプである。着氷のときに体重の数倍の力が選手の膝にかかるとか・・・。

 プルシェンコ選手とヤグディン選手の2強対決の時代には、男子シングルのトップ選手が4回転ジャンプを跳ぶことは当然の前提のようになっていた。

 プルシェンコ選手など、ひょいひょいと4回転ジャンプを跳んでいるかのようにさえみえた。しかし、そのプルシェンコ選手も様々な怪我で苦しんだそうだ(wikipedia→エフゲニー・プルシェンコ )。膝の手術もしており、今期復帰すると一旦宣言していたが、また撤回となり、来年のオリンピックに出場できるのかどうか・・・。

 ヤグディン選手も股関節の故障のため、プロに転向した今は難しいジャンプは跳べなくなっているらしい(wikipedia→アレクセイ・ヤグディン)。

 ただでさえフィギュアスケートの選手生命は短いのに、4回転ジャンプを跳び続けると更に短くなり、プロに転向した後も故障を引きずってしまうようだ。

 4回転ジャンプはそういう極めて高い危険が伴うジャンプであり、しかも新採点方式で厳しい回転不足を取られると3回転ジャンプとみなされ、極端に基礎点が下げられるのみならず、転倒すればさらにマイナス1点となる。体力を要するために選手はたいていプログラムの最初にチャレンジするが、肉体的・精神的負担が大きいため、失敗するとその後の演技にも影響が出る。4回転を失敗した後に演技を立て直すのは相当難しそうだ。

※ Mizumizuさん(それでも大一番で決まらない、2度めのトリプルアクセル(四大陸、男子))によれば、4回転にチャレンジしてうまくいかないと、今度は次に難しいトリプルアクセルの成功率にまで影響が出てしまうとのこと。

 まさにハイリスク・ハイリターンなジャンプなのである。

              note

 そういうジャンプに毎回果敢に挑んでいるのがジュベール選手。   

 そのチャレンジ精神はあっぱれと思うが、4回転なしに勝負するというのも楽ではないと思うので(その2参照)、4回転なしの選手を馬鹿にするような発言はいかんと思う。

 ジュベール選手の演技は、ジャンプ以外の他のエレメンツは今ひとつで演技全体の芸術性は乏しいように感じていた。

(以前の記事 冬の楽しみーフィギュアスケートの話(その3) で紹介したウィアー選手のファンの方の記事 「007は3度跳ぶ」 に共感していたことを白状しよう。)

 ところが、今期のグランプリシリーズのフランス杯とロシア杯のジュベール選手のフリープログラムを見て驚いた。

 「ラスト・オブ・モヒカン」(映画「モヒカン族の最後」のテーマ曲)の主人公のインディアン青年に扮したジュベール選手の演技は、今までの印象とは全く違っていた。

 ロシア杯では観客席にタチアナ・タラソワさん(※)も見ていて、演技の後に大拍手をしてなぜか十字を切っていた(私はジュベール選手のよい演技を見れたことを神様に感謝したのかなと勝手に想像していたが、このプログラムは、かつてのタラソワさんの弟子エフゲニー・プラトフさんの振り付けだったこともあったのかもしれない)。

※ 毛皮ではなく、とても色彩豊かで芸術的センスを感じさせるセーターを着用していたのが印象的。

 確かにジャンプの失敗があり点数は伸びなかったが、ステップやスピンのレベルは高く、ステップにはインディアンのダンスを思わせるユニークな振りが入っていたり、スピンのポジションも面白いものがあり、ジュベール選手のジャンプのスケールの大きさとあわせて、全体に勇壮で壮大なプログラムに出来上がっていた。今までのものに比べてぐっと芸術性も上がったのではないか(※)。

※ ジュベール選手がこんな演技もできるとは思っていなかったので、私は先のちょっとおちょくった記事を紹介したことを大いに反省したのだった。

 しかし、ジャンプに失敗し、得点的にはジュベール選手にとって最悪の出来だったため(Mizumizuさんの「ブライアン・ジュベールが負けたわけ(グランプリ・シリーズ、フランス大会)」に詳しい)、グランプリシリーズの2大会だけでジュベール選手はあっさりこのプログラムを捨てて昨シーズンのマトリックス+αに戻してしまった。

 表現の方を重視するとジャンプに対する集中力がおろそかになってしまうのだろうか。それとも、もともとジャンプが跳びにくいプログラム構成だったのだろうか。

 もっと滑り込んでジャンプも決まるようになれば、素晴らしいプログラムになったと思うのに・・・。世界選手権でこの「ラスト・オブ・モヒカン」でのジュベール選手のパーフェクトな演技を見るのを楽しみにしていたのだが、本当に残念である。

 やっぱりジュベール選手は、表現はさておいてもジャンプで勝負ということらしい。これにはフランス杯でチャン選手に負けたことも影響しているのかもしれない。         

 ジャンプのジュベール選手が勝つか、表現のチャン選手が勝つか、これも今期の世界選手権の見所の一つだろう。

 私は本当は表現にも力を入れたジュベール選手が見たかったんだけどな。

             note

 その他にも世界選手権の男子シングルには、衣装のとっても変なベルギーのケビン・ヴァン・デル・ペレン選手(wikipedia→ケビン・ヴァン・デル・ペレン)のような人も出場していて、(特に欧州勢には)個性豊かなメンメンが揃い面白いのである。

 ベレン選手は、いつも度肝を抜く奇抜な衣装で登場し、男子シングル界の小林幸子というところか。

 今期の彼のショートプログラムの衣装は、ずばり骸骨。それも、日本の戦隊ものに出てくるような蛍光塗料を塗った安物ではなく、ちゃんと豪華なスパンコール付きで、指先までしっかり骸骨がついているという代物(※)。

※ 短髪で男っぽいこの人がこの骸骨衣装を着て(フェミニンな襟開き衣装を着た)ウィアー選手と並んでいるところを想像すると笑えてくる。同じスポーツをする選手とは思えない。どこの仮装パーティーに出席するのかという感じ。しかし、二人ともれっきとしたトップ選手なのである。ウィアー選手は今期は代表落ちしてしまい世界選手権には出場できずこういう光景が見られないのは残念。

 私が特に気に入ったのはベレン選手のエキシビションの演技。音楽のボンドの「Explosive」という曲が妙に骸骨とマッチしていて爽快感すら感じられるのだ。エキシビションではライトが落としてあって暗いので、骸骨がますます白く妖しく光る。エキシビションなのに冒頭で3回転ー3回転ー3回転の飛距離のある連続ジャンプを跳ぶところに男気を感じた。衣装は奇抜だが演技はベテランらしくオーソドックス。

 (先日まで、私は難しい準備書面の作成に疲れてくると、グロテスクだが妖精の潜水艇のようにも見える深海魚デメニギスの映像(深海魚デメニギス・・・これ本物?!参照)と、このペレン選手の欧州選手権の骸骨ダンスを見て、気分転換をはかっていた。どちらもこの世の物ならぬ映像で、これを5分位見るとよい気分転換になった。ペレン選手、デメニギスありがとう。)

              note    

  今期の世界選手権の女子シングルは、やはり浅田真央選手とキム・ヨナ選手が飛び抜けているので(かつてのプルシェンコ、ヤグディン対決のように)2人の対決となろうが、男子シングルは混戦状態で誰が勝つか予測がつかない。

 女子選手は皆美しさ優雅さで競い合い、衣装もそんなに奇抜なものはないけれども、男子の場合衣装も演技もいろいろなベクトルで競い合っている感じである。今期はウィアー選手が出場しないので一つそちら方向のベクトルが減ってしまって残念ではあるが、それでも演技の表現も衣装も多彩である。

 男子シングルって気持ち悪いという男性もいそうだが、結構いろいろな意味で楽しめる競技ではないだろうか。

           (ひとまず終わり)

フィギュアスケート世界選手権に向けての私的関心ーその2

 男子シングルで、今期もっとも注目を集めたのはカナダのパトリック・チャン選手だろう。

 私はグランプリファイナルでこの人の演技を初めて見た。そのときは転倒しまくりの無惨な演技で、体調でも悪いのかと気の毒に思ったのだが、チャン選手は演技の後のキスアンドクライでは悪びれる様子もなくにこやかだったのが意外であった。

 ところが、チャン選手は、その後カナダ選手権でも四大陸選手権でも別人のような演技を披露してぶっちぎりの1位。

 特に四大陸選手権のショートプログラムのタンゴの演技は鮮烈な印象を残した。

 とにかく早いうまいすごい

 ものすごいスピードで滑ってきて、そのままジャンプを跳び、ジャンプの後もスピードが落ちることがない。そのため演技に流れがあってタンゴのリズムに遅れることがなく音との一体感もすごい。エレメントの間に片足をあげたり跳び上がったりと特徴のある振りを入れ(※)、上半身や腕もいろいろな方向に動かしつつステップを踏む。滑りも非常に滑らかで縦横無尽という感じ。

 (なかなか言葉では表現しずらいのだが、見たらすぐ分かる。)

 技術点、演技・構成点ともにものすごい高得点で2位のアメリカのライザチェック選手を大きく突き放しての1位であった。

※ チャン選手のこのプログラムもローリー・ニコルさんの振り付けだそうだ。ライザチェック選手の振り付けの手直しもされているそうだし、売れっ子振り付け師だなあ。

 この人はまだ18歳。カナダ代表だが中国系で見た目もアジア人そのものである。

 しかし、見た目も演技の表現力も18歳とは思えない。

 あまりの高得点のため、まだ実績がなく難しいジャンプも跳ばないのに技術点も演技・構成点も高すぎるのではないかという意見もあり、バンクーバーオリンピックに向けた布石ではないかなどという憶測まで生んでいるようだ。

 私にはこの得点がチャン選手の演技に見合ったものかどうかはよく分からないが、2位のタラソワプロを今ひとつ演じきれていないライザチェック選手や疲れのせいかジャンプミスが出て精彩を欠いた3位の小塚崇彦選手の演技と比較して、やはり1位は順当な評価だと思った。

 スピードを殺さずジャンプを跳び(難易度の高いジャンプではないにせよ)、スピンやステップで隙のない表現を保つのも、大変な技術だと思う。

              note

 もっとも、チャン選手の演技を見て感動したかというと、そうでもない。              

 最初見たときはすごいと思ったけれども、なぜか何度でも見たいという気にはならなかった。音程どおりに歌われた完璧な歌が心を打つ歌とは限らないのとちょっと似た感じ。もっとも、これは私の好みが影響しているのかもしれないが。

 チャン選手の演技を見ていると、なんだかあまりに表現過多な気がして頸のあたりがムズムズする気がする。これは彼の見た目がアジア人そのもので演技も社交ダンス風ということも影響しているのかも。思い入れたっぷりな表情でポーズするところなど見ているとちょっと気恥ずかしい感じがする(これは私の主観です。チャン選手のファンの方ごめんなさいcoldsweats01)。それに、やっぱりフィギュアスケートにはスポーツ性もあるのだし、エキシビションではないのだから、4回転はなくても、もうちょっとジャンプも跳んでほしい。

 Mizumizuさん(それでも大一番で決まらない、2度めのトリプルアクセル(四大陸、男子)など) は、チャン選手には日本の織田信成選手と小塚崇彦選手にないセクシーさがあるために両選手は演技の芸術性の面ではチャン選手に勝てないといわれているが、そんなものだろうか(セクシーでないのは生まれつきのものだから仕方ないとまで言われてしまうと、織田選手と小塚選手がかわいそう。それに、セクシーと感じるかは観客にもよるだろうし。私はチャン選手はうまいとは思うが、あまりセクシーだとは感じないけどな。もっとも、これは私の年のせいかwobbly)。

 チャン選手とほぼ同年代の小塚選手は確かに上半身や腕の表現力は不足していると思うが、チャン選手ほどにやれば持ち味の清潔感がなくなってしまいそうだ。もう少しだけ小粋な感じの振り付けが入ればいいと思う。彼のシャープな高いジャンプはチャン選手のスピード感あるジャンプとはまた違った魅力もあるし。

 織田選手は今はモロゾフコーチのもとで重厚感のあるプログラムだが、もうちょっと軽妙なコミカルな感じのするプログラムの方が合っている気がする(たとえばスウェーデンのクリストファー・ベルントソン選手がやっているような楽しいプログラムも面白いと思う)。

 セクシーさばかりではなくそれぞれ選手には持ち味や魅力があって、それをいかにうまく出せるような演技をするかで演技・構成点のアップも期待できるのではないか。そして、そういうことを助けるのが、振り付け師やコーチの腕の見せ所なんだろうと思う。

                 note

 さて、Mizumizuさんによれば、チャン選手の出現によって、織田選手も小塚選手も4回転を跳ばなければ勝てないところにまで追い込まれているらしい。確かにトリプルアクセルだけの(しかも、フリーでは男子のトップ選手が皆2つ跳ぶトリプルアクセルが1つだけの)チャン選手があれだけの高得点を得てしまうと、あとはジャンプで勝つしかないと思うのも当然だ。2人は世界選手権で4回転を成功させることができるのだろうか。

 チャン選手の方も、格式のある世界選手権で、今の演技構成で四大陸選手権のような高得点を得ることができるだろうか。またあのスピードでジャンプを跳ぶのだから失敗の確率も高いはずだ(グランプリファイナルのときのように)。緊張感が半端でないだろう世界選手権の場でジャンプをクリーンに成功させることができるのだろうか。

 スピンやステップの表現力を高く保ちつつ、(たとえ難易度は落としているにせよ)ジャンプを確実に決めることはチャン選手にもそうそう容易なことではないだろう。

 もしジャンプをクリーンに決めたら(特にフリーでトリプルアクセル2つ決めることができたら)チャン選手の金メダルの確率は非常に高くなる。チャン選手が世界選手権で王者になれば昨年のジェフリー・バトル選手に続いてカナダ選手が2大会連続チャンピオンである。チャン選手もバトル選手も4回転は跳ばない選手。こういう選手が2期続けて世界選手権のチャンピオンになったとなれば、来年のオリンピックに大きな影響を与えそうだ。

 これからは男子シングルは4回転で勝負する選手と跳ばずに他のエレメンツや表現力で勝負する選手と二手に分かれるのだろうか。

 さてどうなるか、これも私の関心の一つである。

 次回は、チャン選手とは対局に位置する、4回転に勝負をかけるフランスのブライアン・ジュベール選手について書こうと思います。

       (つづく)

2009年3月24日 (火)

フィギュアスケート世界選手権に向けての私的関心ーその1

 オリンピック・プレシーズンである今期の世界選手権。

 日本のテレビ局(※)は、また、女子は浅田真央選手とキム・ヨナ選手の対決はどうなるのか、浅田真央選手の2連覇なるか、男子はエース高橋大輔選手不在で織田信成選手、小塚崇彦選手、無良崇人選手による3枠確保はなるのか、を大々的に取り上げて視聴率を稼ごうとするのだろう。

  (※ フジテレビさん。女子の実況アナウンサーは変えてほしい。絶対変です!)

 私もそちらに興味がないわけではないが(特に男子は3枠取ってほしい)、日本人選手に限らず出場選手のよい演技が見たいということの方が大きい。

             note

  女子ではやはり浅田真央選手の演技に期待。

 浅田選手は今期タチアナ・タラソワさんを振付師とコーチに迎えて、表現力が一段と上がっている。しかも、得意のジャンプでも公式試合でトリプルアクセルを2つ跳ぶという快挙も成し遂げている。ただ、四大陸選手権では膝の故障や疲れのせいか演技に精彩を欠いていた。

 今期の浅田選手のショートプログラムのローリー・ニコルさん振り付けの「月の光」も繊細で美しいプログラムではあるが、私は昨シーズンのタチアナさん振り付けの「ヴァイオリンと管弦楽のためのファンタジア」(映画「ラベンダーの咲く庭で」のテーマ曲)の方が好き。

 昨年の世界選手権のこのタラソワさん振り付けによるショートプログラムでの浅田選手の演技は素晴らしかった。特にステップは美しい音楽と一体化していて感動的ですらあった。

 タラソワさんの振り付けは、音楽表現が素晴らしいだけでなく、ところどころに斬新な振りやポーズを入れて観客の眼を引きつける。選手の長所もよく理解していてその魅力をよく引き出していると思う。

 タラソワさんはソルトレイクシティオリンピック金メダリストのアレクセイ・ヤグディン選手と長野オリンピック金メダリストのイリヤ・クーリック選手の振り付けやコーチとして有名だが、最近の振り付けの中で私が特に好きなのは、浅田選手の昨シーズンの「ヴァイオリンと管弦楽のためのファンタジア」と今期の「仮面舞踏会」のステップ部分、エキシビションの「タンゴ ポル・ウナ・カベサ」。それから、アメリカのジョニー・ウィアー選手(※)のトリノオリンピックのショートプログラムのサン=サーンスの「白鳥」と2004年ー2005年のショートプログラムのサン=サーンスの「ロンド・カプリチオーソ」。

※ ジョニー・ウィアー選手については、私の過去の記事:冬の楽しみーフィギュアスケートの話(その3)参照。

 どれも優雅だけでなく力強さも感じられる。ステップと音楽に一体感があり、全体にエレガントで上品な、とても芸術性の高いプログラムだと思う。もちろん、演じる2人の抜群の感性の良さもあるのだろうが。

 タラソワさんはこんな複雑なステップをどうやって選手に教えているのか謎。ニコライ・モロゾフさんやローリー・ニコルさんが自身で演じてみせているところはテレビで見たことがあるが、タラソワさんの年齢とあの体躯では無理だろう。言葉だけで、しかも選手にとっては通訳がつくといってもニュアンスのつかみにくい外国語で、どうやって教えているのだろう。

 思い出したのは、以前テレビで見たことのある車いすに乗って演技指導する新藤兼人監督の姿。大竹しのぶさんにちょちょっと言葉をかけて簡単なしぐさをしてみせるだけで、感性の良い大竹さんの演技はみるみるよくなっていた。さすが名監督と名女優。

 タラソワさんと浅田選手もこんな感じなのかもしれないと思った。

             note    

 先日、NHKのスポーツ大陸という番組が「攻める気持ちを忘れない~フィギュアスケート 浅田真央~」というタイトルで浅田真央選手とタラソワさんを取り上げていた。その中で印象的だったのは、タラソワさんが「仮面舞踏会」のステップを教える前に浅田選手に映画の一場面を見せたというところ。ハチャトゥリアンの仮面舞踏会の曲はよく聞くが、もともと戯曲のための組曲だったとは知らなかった。映画「仮面舞踏会」はこういうストーリー→wikipedia 仮面舞踏会(ハチャトゥリアン)  

 タラソワさんは、この古い白黒映画の主人公の妻ニーナが不貞を疑った夫に毒殺されるシーンの、ニーナがドアを次々と開けて進みながらもがき苦しむ様子をイメージしてステップにしたのだそうだ。

 なるほど最後の45秒のステップとスピンは、こういう死にゆく女性の動きを表現していたのか。最後のスピンで浅田選手はほとんど90度近くにのけぞって(なんという身体の柔らかさ!)まわるのが印象的だが、まさに断末魔の女性を表現していて映画のシーンと重なる。

 エキシビションのタンゴの方は、情熱的というよりも、上品でエレガントで、すがすがしささえ感じる。浅田選手は 女性の情念を演じるにはまだ若いし、そういうキャラクターでもなさそうだ(そちらは、韓国のキム・ヨナ選手や日本では鈴木明子選手がすばらしいと思う)。

 このタンゴには浅田選手の長い手足を存分に生かした楽しい振りが入っていて、何度見ても飽きない。タチアナさんの浅田選手に対する愛情が感じられるよいプログラムだと思う。

             note

 ところで、タラソワさんは、今期はアメリカのライザチェック選手の振り付けも担当している。この組み合わせは意外だった。

 私は、ライザチェク選手はあまり好きではない。理由は単純で、男子にしてはジャンプの高さが低いから(ライザチェック選手の長年のライバルで女性的といわれるウィアー選手の方がはるかに高いジャンプを跳ぶ)。やはり男子選手には高くて飛距離のあるジャンプを跳んでほしい。低いジャンプではいくら4回転を跳んでも華に欠ける。それに長い手足を生かしてのダイナミックなステップやスピンはいいが、えてしてあまりに手足が長いせいか大味な感じがする(ライザチェック選手のファンの方ごめんなさい(*_ _) 。

 今期のライザチェック選手のショートプログラムは「ボレロ」だが、ボレロは安藤美姫選手がエキシビションで宮本賢二さん振り付けで演じたものの方が素敵だった。安藤選手は手の振りの柔らかさに欠けるように感じていたが、このプログラムではそうではない。難しいボレロの曲をとてもよく表現していたと思う。

 フリープログラムの「ラプソディ・イン・ブルー」は、衣装のせいもあってちょっと滑稽な感じがして、ライザチェック選手の個性を生かし切れてない気がする。

 タラソワさんもライザチェック選手も頑張っているなあとは思うのだが、今一つという感じをぬぐえない(こう感じるのは、私がライザチェック選手を好きでないからかもしれないけれども)。

 いかに一流の振付師といっても選手との相性というのはあるのかもしれない。タラソワさんの振り付けにはやっぱりウィアー選手の方が合っているのではないか。

 ライザチェック選手はローリー・ニコルさんに振り付けの手直しをしてもらっているそうだが、さてどうなっているだろうか。

                 shine

 四大陸選手権では、浅田選手は3位、ライザチェック選手は2位であった。

 Mizumizuさんによれば(四大陸選手権、浅田選手の一番の懸念は、やはりセカンドのトリプルループ(続き) 狂ったダウングレード判定の最初の犠牲者:エヴァン・ライザチェックなど参照)、浅田選手もライザチェック選手も新採点方式ではダウングレード(ジャンプの回転不足)を取られやすいのだそうだ(浅田選手は高さが出にくいセカンドジャンプで、ライザチェック選手はもともとジャンプの高さが低いため)。

 得点の獲得という点では、二人ともなかなか厳しい状況らしい。大技のジャンプの得点はステップやスピンの得点に比べてはるかに高い。いかに芸術的なステップを見せようが、ステップで得点を稼ぐのは難しい。

 でも、タラソワさん振り付けのプログラムで、この2人の選手が世界選手権でどういう演技を見せてくれるのかは私の楽しみの一つである。

          (つづく) 

2009年3月23日 (月)

道路脇のスミレ

SumireSumire2 平成18年8月の記事でご紹介した右の写真。

 実はスミレ。

 本当にこんなところによく茂ったものだと感心して、翌年の春の花に期待していたら、あまりの名古屋の夏の暑さのせいか、ほどなくして枯れてしまった(枯れてしまったと思っていた)。

 ところが、きょうこの前を通ったら、咲いているではないか!

 株は小さくなったものの、立派に花を咲かせている。

 本当によく頑張った!

004

2009年3月22日 (日)

フィギュアスケートの採点の怖い話

 もうすぐフィギュアスケートの世界選手権。

 私はフィギュアスケートの正当派ファンではないのであまり深い話はできないが、やはり世界選手権となると楽しみなので、これから少しずつフィギュアスケートの記事も書こうと思う(正当派ファンの方怒らないで下さいね)。

 日本にはたくさんのフィギュアスケートのファンがいて、とても面白いブログがたくさんある。

 その中で、特に驚かされたのが、この方のブログ。

   Mizumizuのライフスタイル・ブログ

  今の採点方式について、実に綿密に分析され、実例を掲げつつ批判されている。

  この方の今期のグランプリシリーズ、四大陸選手権などについての記事はこちら               

         Figure Skating(2008-2009)

 これが本当なら、日本のフィギュアスケートのファンは、やっぱり、選手のジャンプをスロー再生して回転数を数えたり、ジャンプの踏切の際の足元をしっかり見て、ダウングレードやロングエッジ判定に間違いないか監視しなきゃならないことになる。

 これは大変なことだ! 審判がこんなに信頼できないとは。

 それにしても日本スケート連盟にはそんなに政治力がないのか・・・(※)。

※ なんだか、「ボンクラでもいい」とか「ニンジンやダイコンを売るのと同じ」とか「業界エゴだ」とか言われても何も反論しないどこやらの団体に似ているなあ。

 浅田真央選手や安藤美姫選手のような難度の高いジャンプにチャレンジして頑張っている自国の選手を守ることもできないのなら、大変残念なことだ。そして、こういうわけの分からない採点基準に翻弄される選手たちはかわいそうだ。

 本当は、このブログ主さんのように素人観客がしっかり監視して、スケート連盟に意見しなきゃならないのかもしれない。

 でも、私はやっぱりフィギュアスケートの美しさだけを楽しみたい(スロー再生や足元を見る気がしない・・・)。

 誰か何とかしてあげてほしい。

2009年3月20日 (金)

法曹人口問題・情報追加

 朝日新聞を忘れていた。

「法曹人口、現状維持を」 増員計画見直し提言 日弁連  2009年3月19日22時14分

 朝日新聞は、なぜか愛知県弁護士会だけを取り上げている。たぶん常議員会のことだろう。私のブログを見てくれたんか?

 でも、「弁護士のエゴだと思われる」とする意見って誰の発言のことでしょう。今回は提言賛成者にもそういう意見はあまり出ませんでしたけどね。むしろ提言の効果(歯止め)に期待する意見の方が多かった気がするんですが。

 提言の原案を示された各地の弁護士会の中には反発も広がった。愛知県弁護士会では、増員反対派が「今回の提言を拙速に決議すべきでない」と、むしろ減員を主張する一方で、「弁護士のエゴだと思われる」とする意見も出てまっぷたつに割れたという。

 政府与党の間でも、一部に見直す動きはある。今月13日には「法曹養成と法曹人口を考える国会議員の会」が設立された。事務局長の河井克行・前法務副大臣は「現状に問題があるのは明らか」と見直しを強く訴えている。

 だが、自民党の方針をまとめる「司法制度調査会」は3千人推進派の保岡興治・前法相が会長のため、政府計画を覆す見通しは立たない。

 そういえば、先日、愛知県弁護士会の常議員で延期決議の発議者であった先輩弁護士と偶然お会いしたとき、「先生が出席して下さっていたら決議が通ったんですよ。」という話をしたら、「どうしても日程を変えられない仕事が入っていたので申し訳ない。そんなことになっていたとは知らなかった。もし分かっていたら、仕事を切り上げて跳んでいったのに。」と言われた。

 愛知県弁護士会の常議員会で延期決議が通っていたとしても、おそらく愛知県弁護士会の日弁連理事は、日弁連提言案に賛成しただろうから、結果に変わりはなかっただろうが、もう少しニュースバリューがあっただろうと思うと残念である。

他の弁護士の関連記事:

「法曹人口、現状維持」ではありません、asahi さん 弁護士fujita 的日々

 確かに・・・。「司法試験合格者数、現状維持」の間違いだろう。

 法曹人口は今の合格者数では、「現状維持」などではない。

法曹人口問題・情報いくつか

 日弁連執行部は、案の定、18日の理事会決議を早速メディアに発表している。

 急激な法曹人口拡大でひずみ 日弁連指摘産経新聞) - 3月19日19時59分

 <司法試験>日弁連が「合格者数維持を」 増員見直し求める毎日新聞) - 3月20日 0時51分

 司法試験の合格者数は現状で…日弁連提言「まず質を確保」読売新聞) - 3月19日22時17分

 産経新聞以外は、やはり「司法試験の合格者数」をタイトルにしている。

 読売新聞などは、合格者数拡大派の弁護士から取材をしているのに、削減派(今はこっちの方がはるかに多いだろう)の弁護士から取材をしていないのはどういうことか。

 こんな会員に知らされてから1ケ月も経たないうちに(愛知県弁護士会の場合、2月末に提言案を配布)バタバタと理事者だけで決議された提言が、会員の総意であるかのように発表されているのを見ると、本当に腹が立つ。

 18日の理事会で、どこの単位会の理事が、どういう意見を述べ、どういう票を入れたかはまだ不明であるが、単位会の総会決議(山形、佐賀など)や常議員会の決議(兵庫、埼玉など)を理事が遵守したかどうかは確認するべきだろう。

 新聞各社も、今回の提言がどのような経緯でなされたものか、きちんと取材してもらいたい。

関連のブログ記事:

 ノキ弁の実態 (Schulze BLOG)(司法修習生のブログ)

  コメントの投稿者の言われるように、これからはノキ弁になるのも難しくなるだろう。ノキ弁を置くには、少なくとも事務所スペースが必要だから。

 理事会決議の結果を知った19日、日弁連から「62期司法修習終了予定者の採用についての重ねての要請」なる書面が会長名でFAXされてきた。

 61期については大量の弁護士未登録者が発生するには至らなかったものの、採用状況は厳しさを増しており、昨年夏に行った62期司法修習終了予定者についての法律事務所の弁護士求人アンケート結果及びわが国を取り巻く近時の経済状況等に照らすと、62期は61期に比較してより一層厳しい状況となることが懸念されます。

 だそうである。

 まるで人ごとのような文言であるが、日弁連執行部と理事会で提言に賛成した理事らは司法試験合格者数2100人から2200人を容認されたのであるから、真っ先に62期修習生を多数採用されるのだろう。

 やっぱり暴走!日弁連理事会。 (坂野弁護士ブログ)

 執行部と提言案に賛成した理事の事務所が62期を何人採用するか見極める必要があるでしょう。

 それから、河井克行議員のブログが更新されています。

 第1回数勉強会を開きました「法曹養成と法曹人口を考える国会議員の会」

 精力的です。前の記事のコメント欄には興味深いコメントが多数投稿されています。

2009年3月19日 (木)

払わざるをえないもの、それは税金と会費

こんな記事や

 中川前大臣ご一行、飛行機代1人700万円 ローマ出張

こんな記事

 首相の外国訪問経費、5回で6億5800万円・・・随行370人

を読むと、確定申告のような面倒くさいことをやって、(私にとっては)高額の税金を支払わなければならないのが悔しい。

 しかし、日本国民である以上、支払わなければならないお金。

 (アメリカでは国民の怒りを買っているのがAIG幹部のボーナス。こちらは規模が違う。

 米大統領、AIGのボーナス阻止に向け法的手段検討指示

               thunder 

 弁護士会費は、愛知県弁護士会会員(支部以外)の場合、年間49万800円を払っている。こちらも、(私にとっては)高額だ。

 昨日「数年司法試験合格者数は2100人から2200人でOK」の提言を総会にもかけずに理事会決議だけで可決し、これから日弁連執行部が「会員の総意」であるかのようにメディアに発表するであろうことを考えると、払いたくない気持ちがふつふつと湧いてくる。

 しかし、こちらも、弁護士である以上(※)、支払わなければならないお金。

 ※ 弁護士会は強制加入団体。もしそうでなければ、脱退者続出だろう。

 この提言に賛成した理事者の方々は、これから続出するだろう就職できない司法修習生をノキ弁や即独などにせず、きちんとイソ弁として雇用してOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)の機会を与え、弁護士の利用者である国民に迷惑をかけないように責任を果たして下さい。

              thunder   

他の弁護士の関連記事:弁護士雑記帳 弁護士・菅野光明の日々感じた事など

※ イソ弁に対するOJTのあり方、即独支援の限界が分かりやすく語られているので、引用させて頂きました。

  法曹人口問題に関する日弁連の緊急提言について

 私の所属している事務所にも給料を支給して勤務してもらっている弁護士がおりますが、私は、事件を担当してもらう際に、勉強になるようにいろいろな種類の事件をバランスを考えながら担当してもらうともに、事件処理で疑問が生じたら議論をして、考え、悩み、一人で事件を処理できる能力を身につけてもらうよう配慮をしているつもりです。私の指導が間違っていなければ、おそらく、数年経過すれば、トレーニングの機会に恵まれない弁護士(数年前まではほとんどいませんでした)とは格段の差がついていると思います。

 雇用の機会に恵まれた新人弁護士は良いのですが、不幸にもそれに恵まれなかった人達の支援のために、今、私が所属している弁護士会の委員会で、弁護士会の法律相談事業を利用して、経験のある弁護士と新人弁護士がペアを組んでOJTを行ったらどうかと意見が出て、検討を行っています。しかし、OJTと言っても勤務弁護士に比べるとトレーニングを受けられる時間や担当する事件の量は圧倒的に少なく、法律相談の枠や指導を担当する弁護士の数にも限りがあり(急激な増員に対応が追いつかないというのが実情です)、これが抜本的な解決策になるとは今のところ考えられません。

 このように同じ弁護資格を持つ者同士でも、歴然とした能力の差が生じてくるという事態が顕著になってくると思われますが、残念ながら、事件を依頼をする市民の側からはそれがなかなか判断できないというのが現実です。
 被害を受けるのは、事件を依頼して費用を支払ってからそれに気づく市民の側です。

※ 太字と段落は私が付したもの。

  激増のために過当競争を強いられる既存の弁護士が、他の新人弁護士の支援(知識、経済の両面において)をするにも、直ぐに限界がくるでしょう。

 激増をストップするどころか、今回の提言案で追認した方々(提言案の決議に賛成した日弁連理事者らや単位会の常議員ら)には大きな責任があると思います。

 かつての3000人増員総会決議の際に「3000人位の弁護士需要は掘り起こせばいくらでもある」と豪語されていた方々と共に、他の弁護士にOJTを押しつけるのではなく責任をもって(ご自身の収入を削ってでも)イソ弁を雇いOJTの機会を与えて下さい。

2009年3月18日 (水)

埼玉県弁護士会では日弁連提言に反対!

 埼玉県弁護士会では、会員集会と常議員会で、会長が理事として日弁連の「当面の法曹人口のあり方に関する提言案」に反対する旨表明し、常議員会でも反対決議を挙げたところ、日弁連提言案に反対14名、賛成0名、棄権2名で反対決議が可決されたそうです。

 会長の英断は大きい!

2009年3月16日 (月)

武本弁護士の意見書へのご賛同ありがとうございました。

 賛同者は合計107名に達しました。

 (時間的に記載が間に合わなかった賛同者の皆様、申し訳ございません。)

 本当に短期間のうちに、これだけの人数の賛同者が得られるとは思っていませんでした。賛同者の皆様、ご協力頂きました皆様、ありがとうございます。

 これから明日にかけて、日弁連会長、単位会会長、日弁連理事者に対して、送付させて頂きます。

           cute

 ここで一つよい情報を! 

 兵庫県弁護士会の常議員会では、

 日弁連執行部から2009年2月に発表された「当面の法曹人口のあり方に関する提言(案)」を2009年3月の日弁連理事会で拙速に議決すべきではない。

との決議案第1項が、出席者22名中17名で 可決  されたそうです。

 愛知県弁護士会の常議員会では1票足りずに可決に至らなかっただけに、兵庫県弁護士会の常議員会の可決は快挙といえるでしょう。

 但し、決議案第2項の「仮に、2009年3月の日弁連理事会で議決が採られる場合には、日弁連理事には反対の意思表示をするよう要望する。」は、22名中11名で、可決されなかったということです。
 決議案第2項について「仮に、2009年3月の日弁連理事会で議決が採られる場合には、兵庫県弁護士会の理事は反対の意思表示をすべきである。」に修正して決が採られたそうですが、これも22名中11名で可決されなかったそうです。

 やはり1票の不足で残念でした。

 しかし、延期すべきとの決議が兵庫県弁護士会の常議員会で可決されただけでも大きな成果だったと思います。

            cute

 いずれにせよ、こんなに会員間で意見の割れている問題を、日弁連の理事者だけで拙速に議決すべきではないと思います。

 私は、今回、武本弁護士の意見書に賛同を求めるため10人程の会員に電話をしましたが、こんなに重要な提言がなされるということをご存じない方が殆どでした。

 日弁連や単位会から交付される書類は山のようにあり、その一つ一つに細かく眼を通してはいられないし、今回の提言案はよく見ないと「今後数年間司法試験合格者数の目安を2100人から2200人とする」という部分が分からないような記載の仕方になっています(私も最初見たとき分かりませんでした)。

 また、2月から3月にかけては確定申告などで忙しい時期ということもあります。

 こんな時期にこんな重要な提言案を拙速に議決すべきではない、というのは、多くの会員の実感だと思います。

 日弁連理事の方々は、18日にはぜひ慎重な審議をお願い致します。

武本夕香子弁護士、新意見書を発表!(追記あり)

 武本夕香子弁護士が、「当面の法曹人口のあり方に関する提言(案)」について、

1 2009年3月の理事会で、本件提言案を拙速に決議すべきではない。

2 仮に上記理事会で決議が採られる場合、日弁連作成の本件提言案は、否決されるべきである。

という趣旨の意見書を作成された。

 日弁連の提言案の

 法曹人口5万人規模の態勢整備を前提とする

 今後数年間にわたる司法試験合格者数を2100人~2200人を目安とする

について、その不合理性を徹底的に追求している。

 日弁連の提言案や法曹人口問題検討会議の意見書と読み比べて頂きたい。

 武本弁護士の意見書が、いかに適正な法曹人口について統計的、実証的に分析されているか分かるはずだ。

 ぜひお読み下さい。

     意見書(ワード版)  意見書(PDF版)  

     添付書類ー1   

 

sun この意見書に賛同して下さる弁護士の方は、私の事務所まで下記書面にご記入の上至急FAXお願い致します。 

 ご賛同頂ける方は3月16日(月)午後5時までにFAX下さいますようお願い致します。

       賛同FAX

※ 意見書の賛同者名簿に所属弁護士会とお名前を掲載させて頂きます。意見書は、日弁連会長、全単位会会長、全日弁連理事に送付する予定です。

  なお、日弁連理事会は 

1日目・・・3/18(水)午前10:45~(終了時間未定※)
2日目・・・3/19(木)午前9:00~12:00

※通常は午後5:30頃終了するが、19日が正午までしか時間がとれないので、18日の終了時間が遅くなる可能性がある。
 
傍聴するには、傍聴申請書をファックスで提出する必要がある。

ということです。  

他の弁護士の関連記事:

日弁連は暴走しないでもらいたい。(坂野真一弁護士のブログ)

法曹人口2000人台はNO!(津久井進の弁護士ノート)

 

2009年3月14日 (土)

河井克行議員のブログから分かった驚くべき新展開!

 河井克行衆議院議員のブログ(あらいぐまのつぶやき)が更新されていた。

 ついに結成!「法曹養成と法曹人口を考える国会議員の会」

つづいて早速、関係者からの意見の聴き取りを始めました。日弁連の村山晃副会長らからは来週の理事会で話し合われる予定の法曹養成・法曹人口に関する決議案について、また鈴木仁志・東海大学法科大学院教授からは現職教官としての貴重な実体験がそれぞれ話されました

 例の「当面の法曹人口のあり方に関する提言案」のことまで聴き取りがなされている。

 鈴木仁志弁護士(小説「司法占領」※の著者)からの聴き取りもなされているのが嬉しい。

 ※ 私の以前の記事 本の紹介ー小説「司法占領」 参照

 それにしても、元法務大臣ら(鳩山邦夫現総務大臣も含む)を集めた大変なメンバーだ。

 日弁連執行部が提言案の理事会決議を急いでいるのは、こういう政治家の動きがあったからなのかもしれないと思った。

関連記事:ボ2ネタで知った司法修習生のブログ記事(Schulze BLOG)

  就職難 

  就職先が決まっても決して安泰ではないわけで、こんな状況でさらに増員だなんて、無謀以外の何物でもない気がします。

  弁護士の需要なし

 こういった将来計画が、めちゃくちゃ杜撰なんですよねぇ(-_-)
誰が見ても、適正規模は年間1200人がいいところでしょうし、それだったら別にロースクールなんて作らなくても、旧試験で十分でしたよね。

 ごもっとも。

 しかし、来週、日弁連理事会というところは、ほとんどの弁護士がまだそんな大変な提言が存在すること自体を知らない(仕事や確定申告のことで頭が一杯で)状況にいるというのに、「司法試験合格者数は数年2100人~2200人でOK」という提言を決議することになっているんですけどね。

 上記国会議員の会の議員の方々は、こういう司法修習生や新人弁護士らの叫びも聴取してくれたらいいのになあ。

他の弁護士の関連記事:

「法曹養成と法曹人口を考える国会議員の会」~河井克行代議士ブログ(津久井進の弁護士ノート)

弁護士就職難時代(福岡若手弁護士のblog)

※コメント欄に横浜弁護士会、福岡県弁護士会の就職説明会についての記載が加わっています。

■またもや横浜弁護士会から悲惨な告知

  横浜弁護士会   参加事務所17≦≦≦申込修習生390名!!!

■福岡県弁の新旧62期向け合同事務所説明会

  福岡県弁護士会  参加事務所:県内14。 参加修習生:県内外96。

だそうです。すごい倍率・・・。これなら普通に大卒で就職した方が楽なのでは。少なくとも就職活動において弁護士資格を取得した意味ってあるのでしょうか・・・。

他の国会議員の関連記事:

法曹養成と法曹人口を考える国会議員の会 橋本岳衆議院議員のブログ

 鈴木仁志弁護士の発言の紹介はあるが、日弁連の提言案についての国会議員の反応はどうだったのかなあ?

愛知県弁護士会常議員会顛末記ーその3

 常議員会というのは、国でいえば国会のようなものだ。

 だから常議員は一応選挙で選ばれることになっているが、実際には会派の推薦によっている。立候補者がほとんどいないからである。

 毎月1度半日ほど拘束されるし、遠方から来る常議員にとってはほぼ1日仕事になる。もちろん無償(交通費は出るらしいが)。

 顧問収入がたくさんあって、イソ弁がいるような先生方は、こういう会務も息抜きになって楽しいかもしれないが、一人事務所やイソ弁で仕事に追われている弁護士にとっては、辛い仕事だ。だから、そういう弁護士の立候補者はほとんどいない。会派で(先輩弁護士に頼まれて)断れずに引き受けたという方が多い。

 今回の常議員会には若手会員が少ないのも、そういう事情があるのだろう。これに対して、今回の常議員会には、かつての理事者や将来の理事者候補の方が多かった。

             cute   

 今回は、日弁連の提言案以外にも予め予定されていた重要議案もあったらしく、そこに急遽発議案の審議・決議が加わったわけである。

 こんな重要案件なのだから、本当は1回の常議員会をまるまる使ってもいい位だ。日弁連の理事会でも、法曹人口問題にはかなりの時間を費やしたそうだから。

 今回の提言案についての常議員会の審議は、3月の日弁連理事会の決議にあわせるために、無理矢理ねじ込んだのだから、時間が足りなくなるのは当然だ。

 しかも、報告や説明や演説やらが長い長い。「私も一言」と始まって一言ですまない(もっとも役員をやられる方々にはこういう人が多いので、故意ではないのかもしれないが。きっと結婚式のスピーチなども長いのだろう)。

 忙しい若手の常議員や支部から来ている常議員のことももっと考えてもらいたい。

 途中から傍聴した私でさえもイライラした。欠席したり途中で帰りたくなる常議員の気持ちもよく分かる。傍聴に行ったのは初めてではないが、いつもこんな感じである。もっと効率のいい議事進行はできないものか。

 そして、どうして、こんな忙しい時期(年度末だし確定申告の時期でもある)に、慌ただしく、こんな重要提言を審議しなければならないのか。

 本当は、会員懇談会を開催したり、総会を開いて会員の理解を求めてから決議すべき議案でしょう。

          cute  

 理事者らの説明によれば、今年の司法試験合格者数に影響を与えるために今この時期に司法試験合格者数を入れた提言をしておく必要があるのだという。なら、どうして「数年」なのだろう。大体「数年」の司法試験合格者数というのは実に曖昧な言葉で、2,3年なのか5,6年なのかも分からない。この記載を入れるか否かについては、法曹人口問題検討会議でも揉めたらしい。また法曹人口5万人堅持の記載についても相当揉めたということだ。

 反対意見の方々の発言は長かったが、今一つ趣旨がはっきりしない。これは、事前に反対の常議員の方々と電話で会話をしたときにも感じたことだ。

 たとえば、「法曹人口は弁護士が決めることではない」と言われる方が、どうして「2100人から2200人が司法試験合格者数の目安」などという文言を入れた提言に賛成するのかが分からない。

 他に常議員会を傍聴していて反対の方々の発言で私の記憶に残っているのは次のようなもの。趣旨の分からないものが多かったので、正確ではない(後日、議事録ができたら取り寄せて分析するつもりだ)。他の傍聴者にも聞いてみたのだが、皆同じような感想。

 ※ もし、間違いがあったらご指摘下さい。

○ 今期の日弁連の理事者会では法曹人口問題を十分に時間をかけて議論した。3月の理事者交代の時期までになんとしても提言を出しておきたかった。

○ 法曹人口問題検討会議には、弁護士増員に反対の委員も選任されており、十分に議論を尽くした。愛知県弁護士会でも委員は法曹人口問題に関わる委員会から委員長などをまんべんなく委員に選任して議論をしたのだから、民主的な議論のあり方であった。

○ 今年の司法修習生の就職はますます厳しくなるだろうし弁護士も苦しいところだが、弁護士会はいろいろな方の立場を考えて提言しなければならない。すでにできている法科大学院制度、その学生、受験生のことも考えてあげなければならない。

○ 3000人見直しの緊急提言のときに町村長官に批判されマスコミでもバッシングを受けた。しかし、緊急提言はその期の司法試験合格者数の抑制に影響を与えたと思われる。今回の提言にもそういう期待が持てる。

○ 今提言しておかないと、法曹人口問題が埋没してしまう怖れがある。提言を延期してどうなるものでもない。

○ 司法試験合格者数は司法試験委員会が決めることで、1000人とか1500人とか弁護士が言えることではない。そんなことを言ったらますます弁護士会が相手にされなくなってしまう。

 これに対して、(前の記事で紹介した支部会員の発言以外には)賛成の委員から、

○ この提言案には「あるべき弁護士像」というものの記載がない。これは弁護士しか語れないことだ。法曹人口問題は弁護士のあり方に関わる問題だ。もっと堂々と弁護士会が発言してもいいはずだ。

 という発言があり、若手会員からの拍手を得ていた。

 それにしても、反対派にもさすがに「3000人でも弁護士需要はある」と豪語される方はもはやいなくなった。しかし、「2100人から2200人なら弁護士需要はある」と言われる方もいなかった。

 また、弁護士、弁護士会、法科大学院、学生、受験生のことを言われる方はあったが、弁護士を利用する側の市民や企業の需要のことを言われる方はみえなかった。           

           cute  

 決議のときには既に午後5時をまわっており、何人かの委員が帰ってしまっていた。

 決議は賛成、反対、棄権のそれぞれについて挙手で行われた。当初の議長の集計では、賛成14、反対12、棄権1 だった。しかし、出席者数を計算していた事務員の指摘により合計数があわないということで、もう一度集計したら、賛成14、反対13、棄権1 が正しいことが判明した。会場は賛成者数と反対、棄権者数の合計数が同数であることにどよめき、議長は「困ったことになった」と述べ(同数だと議長の賛否で決まると思っていたらしい)、委員らは会則集を見始めた。会則には明示したものはなかったが、会則の趣旨から賛成が過半数に達していない以上は否決という結果となった。

          cute

 後日、ある筋から聞いた話によると、当初「賛成14、反対12、棄権1」という集計がなされたとき、理事者らは真っ青になったそうだ。しかし、集計し直して「賛成14、反対13、棄権1」となったとき、会長は胸をなで下ろした」そうである。

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 日弁連は暴走しないでもらいたい。(坂野真一弁護士のブログ)

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 「サルでもできる弁護士業」ほか2冊(裁判員110番)

   「ヒラメ裁判官」だけでなく「ヒラメ弁護士」もやっぱりいるのか?

2009年3月12日 (木)

愛知県弁護士会常議員会顛末記ーその2

 常議員会の後、決議を得るべく尽力したメンバーらと話し合った。

 また、常議員会で発議案に賛成した若手会員らとも電話などで話をした。

 皆、日弁連の今回のやり方や常議員会の議事の進め方などに強い失望感や不信感を抱いていた。

 こんなやり方をしていては、執行部はどんどん若手会員の信頼を失っていくと思った。

 常議員会では、ある支部の役員をしている若手会員が、

 「支部でも急激に弁護士が増え、もはや適正人口を超えている。今は若手会員の生活は苦しい。これから2100人も増やされると路頭に迷う会員も出てくる。そんな中、自分は役員として裁判員制度の弁護人名簿に名前を載せてほしいと必死に頼み込んで若手会員を中心に約4割の会員に名簿に名前を載せてもらった。これから2100人以上の合格者が出れば、若手会員は路頭に迷い裁判員制度の弁護人どころではなくなる。弁護士会の求心力も失われる。」

 と声を震わせて発言していた。

 また、今回の提言案について「若手会員の意見を聞くという場をもうけたのか」という若手会員からの質問もあった。

 これに対しては理事者側から「提言案を全会員に配布したが若手会員からの意見書の提出はなかった。」「若手会員の意見を聞こうと呼びかけをしてもなかなか集まってくれない。」などの回答があった。

 確かに、最近はあまり自分の意見を言おうとしない若手会員が多くなったという印象だ。

 本当はもっときちんと意見を言っておかないと、もはや理事者や先輩弁護士らが何とかしてくれるわけでもないと思うのに・・・。これは昨今の若者器質なのか私にはよく分からない。そもそも、弁護士というのはきちんと自分の意見を言うことが資質として求められる職業だと思うし、そういう職業であることが気に入って弁護士になるものだと思うのだが。

 それとも、私の知らない何か「おりこうさん」な理由があるのだろうか。

 若手会員に何かの運動の呼びかけ人や賛同者になってもらおうと頼んでも、その運動自体には賛成だが自分の名前を出したくないという人が多い。名前を出して誰かに眼をつけられるのがイヤなのだろうか。

 とにかく目立ちたくないという人が多くなった気がする。昔は、元気一杯の(ちょっとはねっかえりかなと思うほどの)若手弁護士がもっといたと思うのだが。

 こういう組織には実に閉塞感を感じる。弁護士会がこんな組織になったのはいつ頃からだっただろう。

 実は、今回の発議案に賛同してもらおうと、有志のメンバーで手分けをして常議員に電話をした。直ぐに発議者になってくれた人もいるし、理事者に遠慮して立場上発議者にはなれないという人もいた。また、挙手をためらって欠席を選ぶ人もいた。

 理事者(副会長)も常議員に電話を相当かけていたらしい。理事者から「泣き」が入ったから発議者はかんべんしてくれという常議員もいた。常議員も理事者と私たちの両方の電話の対応で大変だっただろう。

 理事者と意見が割れるときは、いつもこういうことをやらなければならない。理事者の方が立場上やはり常議員に対する影響力は大きいと思わざるをえない。特にこれから理事になる人、いままで理事だった人はそうだ。だから、あまりこういうことはやってほしくないと思う。

 そんな中で堂々と名前を出して発議者となって下さった方、また挙手をして下さった方には感謝するとともに敬意を表します。

                                                    (つづく)

2009年3月10日 (火)

愛知県弁護士会常議員会顛末記ーその1

 本日、愛知県弁護士会の常議員会を傍聴した。

 日弁連が3月中旬「当面の法曹人口のあり方に関する提言」を理事会決議するそうだ。ーその3

 に記載した常議員6分の1以上による発議案の審議がなされた。

 結果は、発議案に

  賛成 14名  反対 13名  棄権 1名

 結局、過半数の賛成が得られなかったとして、発議案は否決されてしまった。

 実は、発議者のう2名が欠席ないしは決議前に帰ってしまったこと、前もって賛成してくれていた委員が決議前に帰ってしまったことが、最たる敗因であった。

 審議が始まったのが3時45分位、決議が終了したのが5時30分位。

 こんな重要議案だったのだから、もっと早く審議を開始してほしかった。

 また、5時過ぎれば、どうしても仕事の都合上事務所に戻らなければならない委員もいるのだから、もっと早く決議をしてほしかった。予め発議者が「早い時間帯に審議してほしい」と要請していたのだが、審議開始が4時近くになってしまった。

 審議中、長々と意見を述べていたのは、ほとんどが反対派の方々。決議の時間を遅くするための作戦だったのかと疑ってしまう。

 票読み段階では、賛成派の方が相当数多かったため、賛成派にも油断があったと思う。

 あと1票と思うと、非常に残念である。

 ただ、実質的には常議員の過半数以上が発議に賛成であることは間違いない。

 賛成に手を挙げた委員に(欠席ないしは決議前に帰った)発議者、賛成者を加えれば完全に過半数を超えていた。

 この結果を、理事者の方々は重く受けとめて頂きたいと思う。

 

法曹人口問題についての他の弁護士の冷静なご意見

 法曹人口問題について書くことに、正直、私はうんざりしている。

 弁護士が大量増員について批判的なことを言うと、直ぐに「競争相手を増やしたくないという業界エゴでしょ。」とか、「他の職業は皆競争している。どうして弁護士だけ特別扱いなの?」とか、「過疎地で弁護士がいないために泣き寝入りしている人もいるのだから、もっと弁護士を増やすべきでしょ。」とか言われる方が、(このブログにコメントしたりトラックバックしてくる方以外にも)各所でみられる。これに対して、理屈ではなく現実を踏まえた説明をするのは、結構難しいし面倒くさい。実例を掲げれば分かりやすいのだが、具体的な同業者の批判やらお金がからむことを言わなければならないので、随分と生臭い話にもなるからである。 

 しかし、本当はそういう現実的な話をしないと、弁護士の仕事の現場をご存じない一般の方々には実感が湧かないのかもしれない(想像力を働かせて頂くと助かるのだが・・・)。

 弁護士の大量増員によって市民に被害が出てマスコミが騒ぎ出してからでないと分かってもらえないのかという絶望的な気持ちになることもある。

 刑事弁護のときもそうだったが、こういう質問に対して、日弁連はきちんと正面から説明してこなかった。それが「市民のため」と称して実はアメリカや財界の利益のために規制緩和を推し進めてきた市場原理主義、新自由主義の学者や財界人の圧力に負けてしまった原因の一つだと思う。

 私は、当分忙しく、長いブログ記事を書くエネルギーはない。

 そこで、(またまた労力をはしょって申し訳ないが)他の弁護士のブログ記事や、ネット上に公開されている司法改革関連の記事から、比較的分かりやすいものをピックアップしてみた。

「司法改革」で日本の裁判は本当によくなるのか

 以前にもご紹介したものだが、「週間金曜日」のジャーナリスト本多勝一氏と高見澤昭治弁護士の対談集。古いものだが、日本の司法改革(法科大学院についての対談がないのは残念だが)の経緯について分かりやすく語られている。

 法曹人口問題については(5)(6)で語られている。

 もっとも、現在では財界もそんなに弁護士増員を望まなくなっているだろうが(今「増員、増員」と声高に言っているのは、実際には一部の財界人とロースクール関係者だけだろう)。

 他の弁護士のブログ記事で、分かりやすく丁寧に説明されていると感心したのは、次のお二人の記事。

  法曹人口に関する日弁連の緊急提言について

   弁護士雑記帳 弁護士 菅野光明の日々感じたことなど

 マスコミ等で耳にする意見としては、弁護士が増えれば、自由競争の結果、市民の弁護士へのアクセスが容易になり今まで相手にされなかったような案件にも対応してくれるという意見、社会正義の実現のため志の高い人への門戸が開かれるという意見などがありますが、弁護士の活動基盤なくして、志だけで仕事ができるという意見は現実離れした意見であるというのが、現場で多くの弁護士を見ている者の実感です。
 私は、自由競争に任せておけば、切り捨てられるのは、経済的な意味での社会的弱者であることは間違いないと思っています。社会的弱者の救済という司法サービスは、公共財的な側面を多分に有し、自由競争に任せておけば大丈夫などというのは極めて無責任な議論です。インフラの整備が当然必要であり、現在ある法テラスという公的機関(経済的弱者のために法律扶助を行うことをその一つの業務としています)が、予算的に見てもその役割を十分果たしているとは到底思えません。

  法曹人口問題

        Intermission  鈴木朋絵弁護士のブログ

 裁判官がゲストに招かれた大学の講義で,こんな話を聞きました。

「人権活動をしたいなら,とにかく通常業務で通常の利益をあげること。そうでなければ,経済的利益を望めない事件を無理矢理訴訟にしたてて利益を得ようとしたりするなど,感覚が狂い,人権活動の筋を外してしまうことがあるから。」

 弁護士になった今も,そのとおりだと思います。

  私も、菅野弁護士、鈴木弁護士と同じ意見である。

 弁護士に「もっと増やせ、もっと競争せよ」ということは、「採算の合わない仕事は切り捨ててもいい」ということだ。そして、その「採算の合わない仕事」の中には「社会的弱者の救済」や「人権活動」が含まれているのである。

 今は、もう既にそういう状況になりつつあるというのが私の実感だ。

 日弁連執行部は、こういう現場の弁護士の声をもっと聞いて、「本当の」(学者や財界人やロースクール関係者ではない)市民に対してきちんと説明をすべきだと思う。

2009年3月 8日 (日)

裁判員制度の怖い話

 先日、名古屋地方裁判所に行ったら、正面玄関のところで大声で何やら叫んでいる男性を見かけた。

 その男性は裁判所の建物を見上げながら、大きな声で怒鳴っているのだが、よく聞いてみると、ある裁判官と書記官の名前を掲げながら文句を言っているのだ。

 怖かったので、少し遠回りして、裁判所の中に入った。他の人もそうしていた。

 正面玄関には守衛さんもいるのだが、知らん顔。

           thunder

 裁判員にはこういう危険はないのだろうか?元厚生省高官の殺人事件もあったことだし・・・。

 また、こういう危険を怖れて、裁判員が萎縮してしまうことはないのだろうか? 

古川俊治参議院議員のブログでも。

 「参議院議員、医学博士、大学教授、医師、弁護士」というすごい肩書きをお持ちのこの方。

 ワイドショーのコメンテーターとしてもおなじみ。いつもニコニコと穏やかな口調で話される方というのが私の印象だ。

 はじめてブログを拝見したが、きちんとした文章を書かれる。さすが。

 古川議員も、法曹人口や法曹養成の問題について、国会議員として積極的な活動をされている。その活動についてのブログの記事をご紹介。

 5月29日(活動報告)

  法曹資格を持つ若手議員6人から成る「法曹の資質を考える会」で意見書をまとめ、町村官房長官に手渡しました。現在進められている司法制度改革の中で、法曹人口を大幅に増やす目的で、司法試験の合格や司法修習の修了のためのレベルを大幅に緩和しました。そのため、基本的な法的能力を習得出来ていない新人弁護士が増えており、また、弁護士事務所側の受け入れ態勢も既に限界に達しているため、相当数の新人弁護士が就職困難に陥っています。

       中 略 

  意見書は、単に司法試験の合格者数を増加させるだけの現行方針を見直し、まず資質を備えた法曹を着実に養成していくその基盤を速やかに整備し、その上で法曹人口を増加させていくよう求めています。同様の提言は、20を超える非法曹の若手議員からも出されています。

  6月13日(活動報告)

 法曹養成の在り方に関する公開討論会が行なわれ、中心的討議者の一人として、意見を闘わせました。

   中 略

 さらに、法曹に必要な資質は司法研修を終了するだけで獲得できるものでは到底あり得ません。医学部を出たばかりの新米医師が、一人前に患者さんを診られないのと同じことです。独立して業務を行えるようになるためには、最低数年間は先輩弁護士について実務経験を積み、その過程で研鑽していくことが必要になります。しかし、現在は、受け皿となる法律事務所も法曹資格者の増加に対応することができず、このような実務を通じての基礎教育の場を提供することが非常に困難な状況となっています。

  中 略

 しかし、政府は、未だ既定の方針にこだわって、法曹の塑造・乱造方針を改めようとはしていません。既定路線の擁護派は「法曹を増やすことによって、日本社会に法治精神が定着する」と主張していますが、それでは「医者を増やすことによって、病人を作る」というのと同じで、本末転倒です。訴訟社会と言われる米国では、紛争処理のために多くの社会的コストが生じ、最終的には消費者の物価を押し上げる結果となっています。被害者が泣き寝入りするような状況に対策を講じることと、法曹人口を増やすことは無関係です。司法制度の在り方は、他国の真似をするのではなく、話し合い解決を重視してきた日本社会の特性を活かして構築していくべきです。
 

 以上の意見は、私だけでなく、多数の若手議員を中心とする100人近くの議院の一致した意見で、既定路線を擁護する議員と意見を闘わせています。既定路線派には、法科大学院に関する利権があるのではないかとの憶測も漏れ聞きます。私は、法曹としての、また法科大学院の教員としての信念に基づき、真に「より身近で、速くて、頼りがいのある司法」を実現するために、頑張っていきたいと思います。

  7月31日(活動報告)

 また、法曹人口についての意見書に100 名を超える議員の署名を集め、それを橋本岳衆議院議員、丸山和也参議院議員とともに鳩山法務大臣に提出しました。

  12月11日(活動報告)

その後、森英介法務大臣に対し、法曹の質の確保に関する申し入れを行いました。

 ※ 太字は私が付したもの。

 古川議員が、上記の5月29日、6月13日の活動報告で、オンザジョブトレーニングの必要性、生活に困窮した弁護士を多数輩出することの危険性について述べられていることは本当だ。医師と弁護士という両方の仕事をされてきた実体験から言われていることだと思う。

 これは、医療にせよ、司法にせよ、「現場」というものを知らない方々には、なかなか理解できないことだろう。

 机上にある理想と現場にある現実は、なかなか一致しないものだ。

 市民の法律相談や国選弁護をしたことのない、事務所の経費の捻出に困った経験のない、学者の先生方や官僚の方々にはなかなか理解しがたい現実というのもあるのだ。

 日弁連は、新人弁護士のイソ弁雇用推奨政策をあきらめ、ノキ弁推奨政策に出た。しかし、それも限界にきて、今度は即独支援政策を打ち出している。

 しかし、即独支援のためには即独弁護士に現実の弁護士の仕事をしてもらって収入と知識を得てもらわなければならないが、早晩あっせんできるほどの仕事がなくなっていくだろう。また、あっせんできる仕事の種類も限られてくるだろう。

 形式的な事務所経営のノウハウなどは、別に日弁連に教えてもらわなくても独学でできるだろうが(昔からイソ弁が独立するときは皆やっていたことだ)、問題は事務所経営できるほどの収入が得られるかだ。

 それを日弁連が即独弁護士に保障できるわけがない。

 即独支援政策もやがて限界がくることは目に見えている。

 古川議員の危惧されているような事態が早晩やってくるのだ(もう既にやってきているといってもいい)。

 日弁連執行部の方こそ、河井克行議員や古川俊治議員のおっしゃることに耳を傾けるべきだと思う。

他の弁護士の関連記事: 週間文春の記事を読んだ。 PINE's page

2009年3月 6日 (金)

体脂肪1キログラム

 私が、定期検査に通っている病院の血圧測定器の横に置かれているもの。

 これを見ると、いつもいや~な気持ちになる。

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 体脂肪1㎏を消費するのに、

 歩行約37.5時間、ジョギング(軽い)約15時間、自転車約20時間、水泳約6時間ってcoldsweats02

 これでは、「体脂肪がついてしまったら、あきらめろ」というに等しいではないか。

 つかないように気をつけろということか・・・。

 これから10㎏は減らそうという私はどうしたらいいのだろうbearing

早咲きの桜

 昨日、事務所近くの名古屋市市政資料館の構内を通ったら、早咲きの桜がはやくも満開に近かった。

 ばたばたしていて、もう早春なのだということをすっかり忘れていた。

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 後ろの白い建物は名古屋拘置所。

佐賀県弁護士会でも法曹人口1500人の総会決議

 愛知県弁護士会のHPに掲載されていた日弁連理事会速報を見ていたら、「当面の法曹人口のあり方に関する提言案」についての2月の理事会審議で、佐賀県弁護士会の理事の方が、

 当会(佐賀)では会員66人中46人が出席して総会を持ち、この提言について意見を求めた結果、合格者数を1500名として欲しいという決議になった。

 と発言されていた。

 詳細は分からないが、佐賀県も弁護士過疎地とされているのではないのかなあ。

 本当は、この佐賀県弁護士会のように会員の総会で、「当面の法曹人口のあり方に関する提言案」について議論し、採決を取るべきだと思う。

 しかし、大規模会ではこんなに急に総会を開催することは事実上無理なので、3月中旬の日弁連理事会でこの提言案を決議することは延期してもらいたい。

2009年3月 3日 (火)

河井克行議員のブログを見て驚いた。

 「司法の崩壊」(PHP研究所発行)の著者である自民党衆議院議員の河井克行議員のブログ「あらいぐまのつぶやき」 を久しぶりに見て、驚いた。

 こんなことになっていたとは・・・。

 その後の「司法の崩壊」~新試験、旧試験、二回試験の結果を見て~

 さらに読み解く「新試験合格者数2065人」と「二回試験不合格者数113人」の持つ意味

 私が昨年、法務副大臣として専修大学法科大学院を訪問した際、同大学院の平井宣雄学院長が思わず発した言葉がいま思い出されます。「数が増えたら質が下がるのはやむをえない」。現行の法曹養成制度の蹉跌は既に明らかです。

 この学院長さんの発言は本音だろう。この学院長さんと同じことを、法科大学院の講師の方々がため息まじりに述べられるのを私は何度も聞いている。常識的に考えてそうだろうと思う。

 未修者の初回合格率低下が示す法科大学院の「質の低下」

 司法修習生一人あたりの年間経費は?

 法科大学院に対しては国から多額の補助金が支払われていますし、学生も重い経済的負担をしながら通学しています。法科大学院を修了し、司法試験に合格し、一年間の司法修習を終えて、それでも“二回試験”に通らない人たちのために6億円近い国費が無駄になったことを私たちは看過ごすわけにはいきません。

 多額の税金を毎年投入し続ける価値が本当に法科大学院を中心とする現行の法曹養成制度にあるのか。そして、法科大学院における「教育の質」は年々向上していると誰が言い切ることができるのか。私の疑問はつきません。

 法科大学院による法曹養成制度は、早急に見直されるべきだと思う。

 法曹をめざす若者にとっても不幸な制度であるし、法科大学院への補助金や余分な司法修習の費用として多額の税金がつぎ込まれる国民にとっても不幸な制度だ。

 お隣の国韓国では、日本のロースクールは「失敗例」という烙印がおされている。「反面教師」なんだそうだ。

 (11) 韓国、日本を反面教師に  

    YOMIURI ONLINE 教育ルネサンス

 “司法の崩壊” 食い止めるのは政治の責任、自民党の責任

 私は、昨年半ばに法曹養成小委員会が開かれた際、多くの若手・中堅の国会議員が詰めかけ、3000人増員計画と法科大学院教育の実態について厳しい意見が数多く出され、会が紛糾したことを思い出しました。現実から目を逸らしてはなりません。現場を恐れてはだめです。政治家が厳しい現実を直視せず、役人の当たり障りのない説明に逃げ込んでしまったら、国民の利益はいったい誰が守るのでしょうか。特に、法科大学院を中心とする法曹養成制度と法曹人口年間3000人増員計画の“産みの親たち”には他の人々よりも格段に重い責任があることをご本人たちはしっかりと自覚すべきでありましょう。

 この河井議員の一連の記事を読んで、政治家の方々の方が、日弁連の執行部よりもはるかに現実的かつ常識的だと思った。

 司法の崩壊を食い止めるべきなのは、本来日弁連じゃないのか!

 それが、今や逆行して、日弁連執行部の方が司法崩壊に手を貸そうとしているのは本当に皮肉なことである(もっとも、河井議員の言われる今だ失敗を認められない責任の重い「産みの親たち」がたくさんおられるからだろうが)。

弁護士過疎といわれてきた山形県弁護士会でも合格者削減決議

  坂野真一弁護士のブログの記事「納得できる説明を!」 で知りました。

追跡やまがた:県弁護士会、司法試験合格者削減で決議 弁護士の需要増ない/山形

     毎日新聞 2009年3月1日 地方版 

 「合格者3000人は多すぎる。当面、1500人程度にとどめるべきだ」。県弁護士会は27日の定例総会で、司法試験の合格者削減を求める決議を国に提出することを決めた。国の司法制度改革推進計画では、地方の弁護士過疎問題の解消も目的の一つに、10年までに、合格者を年間約3000人に増やす計画だ。しかし、典型的な弁護士過疎地域の山形県の弁護士会が、合格者増に疑問を示した。【細田元彰】

  かなり詳しい記事である。

  このブログの記事 

  日弁連が3月中旬「当面の法曹人口のあり方に関する提言」を理事会決議するそうだ。ーその2

  で紹介した群馬県弁護士と埼玉県弁護士会の総会決議に続くものだ。

  単位会レベルでこのような決議が続くだろうと思っていたが、やはりという感じだ。

  しかも、まだまだ弁護士の需要がある弁護士過疎地と思っていた山形県弁護士会からとは・・・。

 ◇「弁護士の需要増ない」 過疎地から疑問の声

 「県内の弁護士需要は増えていない」。県弁護士会の五十嵐幸弘会長はそう説明する。

 現在、県内の弁護士は70人。合格者増を受け、6年前の52人から急増した。県弁護士会は02年10月、容疑者国選弁護への対応などを考慮し、県内の適正な弁護士数は約80人として、12年度で達成するという目標を示した。しかし、近年の増加率から12年度時点では80人を大幅に超える可能性が高いという。

 一方、同会は県内の弁護士需要を「将来は横ばいか、減る」と分析する。現在急増している消費者金融業者への過払い金返還請求は、07年ごろからグレーゾーン金利で貸し付ける業者が減った結果、今後数年で激減するとみられるからだ。

 県内の事務所も採用には消極的だ。

 同会が実施した採用アンケートによると、「新たに弁護士を採用する」と答えた事務所は少なく、09年度の採用予定はわずか2人。「採用するだけの仕事がない」と答える事務所が多い。88年以降、県内は人口が減り続けている。東京の大企業のように、専属の弁護士を雇う企業もゼロ。

 合格者増で弁護士の質の低下も懸念している。新司法試験合格者の司法修習の卒業試験の落第率は、08年度は全体の6・1%。98年度の0・7%から大幅に増えた。

 首都圏では一層、弁護士の就職難は厳しい。「合格者を増やすことで、地方にも弁護士が行き渡るだろう」とする声もあるが、4月から会長を務める半田稔弁護士は「都会からはじき出された弁護士を過疎地域の市民が歓迎するだろうか」と懸念する。

  山形でも弁護士の需要は「将来は横ばいか、減る」という状況か。

  次期会長が「都会からはじき出された弁護士を過疎地域の市民が歓迎するだろうか」と懸念するというのも、もっともだ。

 この点は、武本弁護士も「法曹人口問題は、ここ数年が正念場ですー東弁意見書を読む」18,9頁で、

弁護士の過疎偏在問題の対策は、弁護士人口の大幅増加が必要条件ではあるが」という部分も、誤りである上に失礼な議論です。司法過疎解消の問題は、弁護士の配置の問題であり、弁護士数の問題ではありません。平成19年時点でのゼロ地域3カ所に3名の弁護士、ワン地域24カ所に2名の弁護士、第1種弁護士過疎地域88カ所に2名の弁護士を配置するとしても総勢233名の問題に過ぎず、毎年2000名以上の弁護士を作り出さなければいけないなどということはありません。今ではゼロ地区はなくなりました。「弁護士人口の大幅増加が必要条件」などではないことは、簡単な算数で分かります。

また、この意見書の背景となった考え方はいかなるものか分かりませんが、失礼な議論という理由は、「司法過疎の解消には、弁護士の大幅増員が必要」と言っていた人達は、どうも、都会で就職できず仕事に困る弁護士が大量に発生することにより、都会であぶれた弁護士が地方に供給されることを想定しているらしいのです。だとすればこれは生活に困る大量の不幸な弁護士の発生を前提としたものである上、地方の人達を愚弄するような発想を含む、誠に不適切な議論といわざるを得ません。もうそろそろこのような議論は、止めようではありませんか。

 と述べられている。

 都会でも地方でも、市民は同レベルの司法サービスを受けられるべきだ。しかし、裁判所や法務局などは過疎地からどんどん撤退している。そこへ、都会で食いっぱぐれた弁護士だけが行けばよい司法サービスができるというのか。そういう考え方は、地方の市民に失礼ではないのか。

 この山形県弁護士会の総会決議を、日弁連理事会のみで「ここ数年の司法試験合格者数を2,100人~2,200人とする」という提言を決議しようとしている日弁連執行部のお偉い方々はどうみておられるのだろうか。                    

私の過去の関連記事:弁護士と市場原理と過疎地問題 

2009年3月 2日 (月)

日弁連が3月中旬「当面の法曹人口のあり方に関する提言」を理事会決議するそうだ。ーその3

 愛知県弁護士会では、日弁連執行部の「当面の法曹人口のあり方に関する提言」案(下記朝日新聞の記事参照)について、常議員会で審議されることになった。

 「法曹増員、数年は抑制を」現状と同水準、日弁連提案へ

                        2009年2月8日3時1分   asahi.com

  司法試験の合格者を2010年までに年間3千人にする政府の計画について、日本弁護士連合会(宮崎誠会長)が、09年以降の数年間は現状の合格者数と同水準(2100~2200人程度)に抑えるよう求める提言の原案をまとめた。組織内の了承を経て今年度内に最終決定する。

              (太字は私が付したもの)

 常議員会で審議されることになったのは、常議員40名中10名の発議による。

 その発議書に添付されている決議(案)は次のようなものである。

※ 日弁連執行部の提言案には手続面においても内容面においても瑕疵があると思います。

 この提言案が理事会で可決されることになれば、かつての3000人増員賛成の総会決議と同じくらい、日本の司法の将来に禍根を残すことになると思います。

 各単位会内で十分な議論がなされることを期待します。

 この決議(案)(「決議」rtf )を、他会の常議員会における議論あるいは会員間の議論の際の参考として頂ければ幸いです。  

        

              決    議

            2009年3月10日       

 

第1 意見の趣旨

 1 日弁連執行部から2009年2月に発表された「当面の法曹人口のあり方に関する提言(案)」(以下、提言(案)という)は、発表されたばかりで会内討議がほとんど行われていないので、2009年3月の日弁連理事会で拙速に審議・議決するべきではない。

 2 提言(案)は、各単位会へ意見照会を行うなど、十分な会内討議を保障することにより、民主的な会内合意形成が図られるようにするべきである。

第 第2 理由

 1 日弁連執行部は2009年2月、「当面の法曹人口のあり方に関する提言(案)」(以下、提言案という)を発表した。そして、2009年3月に開催される日弁連理事会で審議し、議決する予定であるという。しかし、この提言案は、まだ発表されたばかりであり、会内ではその存在自体全く知られていないものである。しかも、その内容は、今後数年間にわたる司法試験合格者数につき、2100人から2200人を目安に決定すべきことを提言したものであるが、このような数字は今回初めて出されたものであり、これまで会内で一度も議論されたことのないものである。この間に各地で発表された会員のアンケート調査等によれば、合格者の適正数を1000人あるいは1500人程度とする声が比較的多いことが認められるが、提言案はこれを全く無視するものである。このような提言案を、発表からわずか1か月で議決してしまうなどということは、暴挙に等しいものと言わざるを得ない。

   そもそも、これまで会内で示されていた計画によれば、2009年3月に中間意見書を採択し、2010年3月に最終意見書を採択することになっていたはずである。ところが、今回示された提言案は、中間意見書という性質のものではなく、ほとんど最終意見書に近いものである。何らの会内討議を経ることもなく、いきなり計画を1年間前倒しにしなければならないような理由はどこにもないのである。

 2 提言案は、「提言の理由」において、「法曹養成制度が発展途上にあること及び制度的基盤が未成熟であること等の状況をも考慮すると、2010年頃に年間合格者数を3000人程度とした当初の数値目標にこだわることは適切でない。」と述べるのみで、今後数年間にわたる合格者数の目安を2100人から2200人程度とすることが適切であることの理由を何も述べてない。また、提言案が提言する合格者数を維持すれば、合格者数が3000人程度になった場合と比べ、約2年遅れる程度で法曹人口5万人が達成されると試算しているのであるが、その2年間で現在の法曹養成制度の抱える問題点が解消し、制度的基盤も整備されるのかどうかについては、全く何も触れていない。

   たとえば、法科大学院の抱える問題点を改善するためには「なお一定程度の時間が必要である。」とし、新規登録弁護士のための新たなOJTの企画・立案・整備には「なお相当程度の時間的猶予が必要である。」としながら、実際にどれだけの時間が必要となるのかを明らかにしないばかりか、どのようにしてこれを改善していくのかという具体的展望も一切示すことができないでいる。これでは、法曹人口5万人達成が2年遅れる間に問題点が解消することはあり得ないということを提言案自らが自認しているようなものである。

   また、基盤整備の問題に至っては、「弁護士に対する法的需要がこれから5年間程度で飛躍的に増大していくことを見込むことは困難」、「民事法律扶助予算については、先進諸外国と比較しても極めて低額に抑えられたまま」、「法曹人口の増加だけでは、過疎偏在の解消を実現することは不可能」、法テラスの「コールセンターへのアクセス数など、情報提供業務の利用率と民事法律扶助の利用件数は、潜在的な法的需要に比して期待されるほどには増加していない」、「裁判所・検察庁の人的・物的基盤の整備については、未だ極めて不十分」等々、現状の問題点を縷々あげるのみで、法曹人口5万人の達成を2年遅らせることによってこれらの問題点を改善できるのかどうかという点については、一切何も述べられていない。

   このように、「提言の理由」には、今後数年間の司法試験合格者数を2100〜2200人程度にすることが適当であることの根拠は何も示されていないのである。これでは、理由不備・理由齟齬の提言であると言わざるを得ない。

以上

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