冬の楽しみーフィギュアスケートの話(その2)
昨年12月に韓国で開催されたグランプリファイナルを独占放映したテレビ朝日の番組は、韓国のキム・ヨナ選手と浅田真央選手のライバル対決ばかりをクローズアップしていた。
キム・ヨナ選手も浅田選手も、持ち味は違っているがそれぞれに素晴らしい演技をする選手だ。本当にその才能は甲乙つけがたく、その時々の体調やら気の持ち様やらによる出来不出来によって順位が変わってくるのは自然なことである。そもそもグランプリファイナルには他にもたくさんの世界のトップスケーターが参加しているのに、2人の対決ばかりをそんなにクローズアップする必要があるのかしらと思う。
しかし、オリンピックが近くなるとどの国でもナショナリズムが高まるようで、今回の大会も会場の雰囲気は韓国対日本の対決のような様相を呈していた。特にキム・ヨナ選手は国の期待を一身に背負わされているようでとても気の毒に感じた。案の定ミスを連発してしまったのも、いかに強靱な精神力の持ち主といえども18歳の少女なのだから無理からぬこと。
テレビの画面に時折心配そうにキム・ヨナ選手を見つめる中年女性が映されていたが、あれはお母さんなのだろうか。顔をおおわんばかりにしていて気になった。
好みにもよるだろうが、私はキム・ヨナ選手の演技もとても好きでである。高くて正確なジャンプに情感のこもった表現力も加わって、高得点が出るのももっともだ。2人共によい演技を見せてもらえるなら、どっちが1番でどっちが2番でもいいと思ってしまう。
しかし、実際にはフィギュアスケートも競技なので、審査員は公平な採点をして順位を決めなければならず大変だ。しかも、今は演技後にネット上でプロトコル(採点結果)が直ぐに公開されるので、アマチュア審査員も細かく採点をチェックすることができるようになっている。ただ、審査員の採点が信用できずに、あのジャンプは回転不足だとか、誤ったエッジで跳んだジャンプだとか等々を言うために、ジャンプをする選手の足下ばかり見たり、スロー再生で回転の数を数えたりしなければならないとしたら、なんだか楽しくないなあと思う。
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これからオリンピックが近づくにつれ、公平な審査かどうか問題になる場面が増えてくるだろう。
もともとスポーツ性と芸術性が混在化している競技である。スポーツという面での選手の技の評価はなんとか点数化できても、芸術性の評価を点数化することはもともと無理だと思う。
いっそ、芸術性の面の評価は、(それこそ紅白歌合戦みたいに)審査員だけでなく会場の観客全員にも採点に加わってもらったらどうかと思ってしまう(しかし、国際大会ではナショナリズムが影響するだろうから無理だろうなあ)。
フィギュアスケートという競技では、誰にも分かりやすくて納得がいくという採点方法は永久に見つからないのかもしれない。
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