冬の楽しみーフィギュアスケートの話(その1)
暖房の効いた部屋でフィギュアスケートの大会をテレビ観戦するのは私の冬の楽しみの一つ。
もともとフィギュアスケート自体が、へたなドラマや演劇を見るよりもはるかに面白い。
それに、今や日本は世界に冠たるフィギュアスケート王国となり、男子、女子シングルとも世界のトップクラスの選手が目白押し。
私は伊藤みどり選手世代だが、当時は日本にこんな時代が来るとは思ってもみなかった。今日本でフィギュアスケートを見ないのはもったいないとまで思ってしまう。
とりわけ浅田真央選手の演技を見るのは楽しみ。彼女は100年に1度出るかという天賦の才能の持主だと思う。
私はフィギュアスケートの採点方法などに詳しいわけではないが、浅田選手はジャンプなどの技術だけでなく身体全体を使った表現力が素晴らしく、それが音楽と絶妙に調和するときは実に感動的だ。今年のフリーの「仮面舞踏会」は男子も顔負けのエレメンツが取り込まれていて休む暇もない過酷なプログラムで、フランス大会のときはいくら浅田選手でもちょと無理じゃないかと思ったけれども、NHK杯のときはしっかり立て直して素晴らしい演技だった。グランプリファイナルでは男子でも難しいトリプルアクセル2つも成功させ、見事優勝。全日本選手権でも三連覇。すごいという他ない。
浅田選手は、天賦の才能に恵まれているだけでなく、その精神も強靱だ。今年の世界選手権でしょっぱなから派手に転倒したときは「もうダメだ」と目をつむった人は多かろう。しかし、彼女はすばやく立ち上がって、その後はほぼパーフェクトな演技をして優勝を勝ち取ったのは記憶に新しい。こういうことができるのは、才能だけでは無理で、やはり練習の成果や競技経験にもよるのだろう。
テレビで映し出される演技開始前のフィギュアスケートの選手を見ていると、皆本当に緊張しているのがよく分かる。それはそうだろう。氷の上で頼れるのは自分一人。ほんの一瞬のミスが何年も積み重ねた努力を無にしてしまうこともある。しかも、薄いコスチューム1枚着けただけで固い氷の上でジャンプしたりスピンしたり難しいステップを踏むのである。一歩間違えば大怪我だってしかねない。
フィギュアスケートは見ている分にはとても優雅だけれど、もっとも過酷なスポーツではないかと思う。しかも、スポーツなのか芸術なのか分からないという曖昧さも持ち合わせていて、その採点基準も複雑だ。
選手達は10代後半か20代前半の人が多く、選手生命は極めて短い。怪我のために才能を開花させる間もなく引退してしまう選手も多い。
本当に氷上の美ははかない。はかないから美しいのかもしれないが。
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浅田選手は、まだまだこれからの選手だけれど、怪我だけはせずに選手生命を全うしてもらいたいものだ。トリプルアクセルなどのジャンプをどんどん跳ぶのもいいけれども、あまり無理をしないで、素晴らしい演技を長く見せて欲しいと思う。
エキシビションのタンゴの演技を見ていると、表情や腕、指先の繊細な演技もできる人のようだ。タラソワコーチのもとで表現力も磨いているそうだし、これから年齢を重ねるにつれ、表現力も自然に豊かになっていくだろう。
本当に浅田選手が日本に生まれてくれてよかったと思う。同じ日本人として誇りに思うとかという理由ではなく、他の国の選手だったら、こんなにもその演技をふんだんにテレビで見せてもらうことはできなかっただろうから。
来年の世界選手権、そして再来年のバンクーバーオリンピックの浅田選手の演技がとっても楽しみになってきた。
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