マイペット

アクセスカウンター

  • 2006年5月18日~

コメント・トラックバックについて

  •  このブログのコメント、トラックバックは管理人の承認制となっています。このため、ブログに記載されるのに時間がかかることがあります。管理人の判断でブログの記事と無関係なコメント等や、誹謗中傷等の公序良俗に反する内容のコメント等は承認致しません。

アクセスランキング

ブログランキング

  • ブログランキング・にほんブログ村へ
     クリックして頂くとブログランキングがアップします。 よろしければクリックお願いします。

ねこちか2

サイバーキャットと遊べます。猫じゃらしで遊んだり、エサを与えることもできます。

« 新緑の季節 | トップページ | 今枝弁護士のテレビ出演 »

2008年4月22日 (火)

光市母子殺害事件差戻審判決の日

 きょうは、光市母子殺害事件の差戻審判決の日だった。

 出勤前に朝のワイドショーを少しだけ見たが、キャスターやリポーターの発言は冷静で公平なものが多かった気がした。

 やはりBPOの意見書の効果があったのか。

 このBPOの意見書については、産経新聞の福富正大記者のこの記事がとても印象的だった。

    【野菊】お茶の間が裁判所

  同じくこの事件の報道に携わってきた者の一人として自分のことを棚にあげるわけではないのだが、確かに、この事件をめぐるテレビ、なかでもワイドショーやらトーク番組やらの放送内容には目を覆い、耳を塞(ふさ)ぎたくなるものがある。弁護側の主張をとりあげるのが相対的に少ないのはともかく、あまりに基本的な事実誤認が多すぎるのだ。典型的なのが「被告はままごと遊びの一環として被害児を床にたたきつけ殺害した」。法廷で取材していないのは言うまでもなく、検察側、弁護側双方の意見書や弁論にすら目を通していないのが明々白々なのである。

 そして「スタジオ裁判所」で、よってたかって検察官の役割を果たしているのが、コメンテーターと呼ばれる人たちである。それにしても、この人たちの無定見ぶりはなんとかならないものだろうか。もっとも、彼らもたかだかキャリア10年余りでコラムなぞ書き飛ばしている新聞記者に言われたくはないだろう。元読売新聞記者のジャーナリスト、本田靖春氏(2004年没、享年71)の慨嘆をひいておこう。

 《テレビを観(み)るとバカになる、というのは本当である。事実、私もかなりバカになった》(福富正大)

 この事件を取材してきた新聞記者からみても、この事件についてのテレビ報道は異常だったのかと少し安堵した。

 このBPOの意見書については、新聞社も社説等で取り上げており、特に4月20日の朝日新聞の社説は裁判員制度における裁判報道のあり方について鋭い問題提起をしていた。

    裁判番組―放送局は知識と冷静さを

 市民が参加する裁判員裁判が来年から始まる。これからは、報道に一層の冷静さが求められる。

 裁判員に予断を与えかねないから、報道を規制すべきだという議論がすでにある。これに対し、日本民間放送連盟などは、被告の主張に耳を傾けるなどの内容を盛り込んだ指針を作り、自由な報道を守ろうとしている。その精神からはずれた番組は規制の呼び水になる恐れがある。

 これは新聞を含む活字メディアにとっても切実な問題だ。

 番組を見る側も報道や情報を読み解く力を磨かなくてはなるまい。委員会が問題にしたような番組を支持する声もテレビ局に寄せられるという。だが、そうした番組がはびこり、放送への規制を招けば、知るべきことが伝わらない社会になりかねない。

 感情的な表現に陥らない冷静な番組こそが、視聴者の利益になり、自由な報道を続けられる道でもある。

 (おそらくこの事件の裁判報道を見てのことであろうが)最高裁参事官が公の場で懸念を表明したほどである。それに加えて、今回のBPOの意見書である。裁判員制度の実施に伴い報道規制がなされることについてマスコミも相当危機感を抱いているのだろう。

  過去の関連記事:ついに・・・マスコミの事件報道のあり方に最高裁参事官もクレーム

  判決についてはご存じのとおり。

 きょうは仕事が忙しくお昼のニュースをちらっと見ただけなので、具体的な判決理由はまだ知らない。

 ここ数日、私がこの事件について(主としてマスコミ報道や橋下弁護士による懲戒請求扇動について)過去に書いた記事へのアクセスが急に増えている。

 丁寧な事実認定がなされたのだろうか、鑑定書などはどう評価されたのかは弁護士としては気になるところではあるが、私はこの判決について意見を述べる記事を書くつもりはない。

 裁判資料を細かく分析しない限り、裁判所の事実認定の是非を語ることは難しいと思うからだ。それには、相当の時間と努力が必要だ。

 裁判員制度が実施されれば、こういう事件も裁判員の判断に委ねられることになる。

 いざ現実に人を裁くとなると、福富記者のいう「スタジオ裁判所」や「お茶の間裁判所」のようにはいかないだろう。

 裁判員制度の実施を目前にした日本に、いろいろな問題提起をした事件だったと思う。

« 新緑の季節 | トップページ | 今枝弁護士のテレビ出演 »

刑事弁護」カテゴリの記事

コメント

お久しぶりです。
以前数度コメントを書かせていただいたものです。

判決に関しては置いておいて、
判決が出てますます真実がわからなくなってしまったという印象を抱きました。

もっと元少年に謝罪の言葉や反省を述べさせるべきだった、
という意見を見かけますが真に反省していないのならば何の意味もないと思いました。

今となっては結局、マスコミ主導の裁判で釈然としないという印象しかありません。

元少年の供述内容としてはもしかしたら今回の弁護団が引き出した内容が
元少年側から見た事実に近いのかな、という気もします。

やり方はともかく、元少年の供述全てを弁護団が捏造するということはどう考えても無理だと思いますし。

判決が出るまでは事件内容からすれば死刑もやむなし
と考えていましたが今は死刑にすれば全てが終わるのか?という疑問を抱いています。
(判決自体は妥当だと思うのでそこが感情的に複雑なのですが)

ただ、大事な何かを見落としているのではないかという気がしてなりません。

主任弁護人の安田好弘弁護士の「凶悪な事件はまず原則として死刑とする考え方に転換してしまった。」という発言が全てを物語っている気がします。

つまり、弁護団もこの事件が凶悪な事件だと思っているのですから。過失に対しては凶悪なんて表現はしませんよね?

きちんと客観的証拠をもって弁護団の主張を否定する裁判であれば問題はなかったと思うのですが、判決文を読むと弁護団の主張を理解しようとする気がなかったという印象をうけました。
被告のドラえもんや魔界転生の話も一般的な大人であれば一笑にできるのだけど、報道で出てくる精神が病む境遇であれば彼が当時見た現実はそういう稚拙なものであることは分からんでもないんで、それまでまともに犯行について審議しなかったことを棚に上げて虚偽の主張をしたと断言したのは言い過ぎのような気がするのですが…。

管理人様、いつも拝読させていただいております。
記事へのコメントではないのですが、ダニーさんにお聞きします。
判決文を読まれたということですが、どちらでご覧になりましたか。
最高裁のHPにはまだアップされていないので、(要旨ではなく全文を)公開しているページがあったら私も読みたいと思っています。
よかったら教えてください。宜しくお願いします。

産経新聞は光市事件についていつも詳細に書かれています。今回も多少まとめているとは思いますが、ネット上の産経新聞のニュースを見てもらえたらいいと思います。経験上ほぼ全文と同じと思って間違いないかと。


ただ、書きこんだあと冷静になってきちんと読んだのですが異常性の理解がなかったらこの判決が妥当だと思います。

tea さんへ
 判決文について一番詳しいのは、産経新聞の福富記者の記事だと思います。
 http://fukutomim.iza.ne.jp/blog/entry/552020/

 私の個人的感想ですが、福富記者は、この事件の争点を一番よく理解されていた新聞記者だと思います。

 あまり報道されていませんが、この事件では被害者の遺体に残された痕跡の法医学的評価が重要な争点だったと思います。法医学者の間で評価が分かれたのを、裁判所は検察側の法医学者の評価の方を採用したわけです。

 福富記者の記事「天王山」参照。
http://fukutomim.iza.ne.jp/blog/entry/548704/

 この判断が正しいのかどうか考察するのは、素人には大変難しいと思います。そもそも死体検案書や鑑定書や鑑定人の尋問調書などを実際に読まないと無理でしょう。 

ダニーさん、管理人さん、ありがとうございます。
報道とは別に、事後的に個人が判決文や証拠等に直接アクセスし、検証することが、(現実問題としていろいろ難しいのでしょうが、)せめてもう少し容易になるといいのに、と思います。
また、そういうことが不十分な今、多くの人が報道に頼りきりになって感情を噴出させてしまうのは致し方ないのかもしれませんが、報道を丸ごと真に受けない姿勢やその他さまざまなリテラシーの重要性にもっと自覚的にならないといけないと思いました。

私もダニーさんと同じように思います。
供述が元少年から見た真実であるならば
なぜ今になって言い始めたのか、いままでの担当弁護士はこのことを全く知らなかったのか、
という疑問はありますが。

被害者遺族は判決に納得なさっているようですのであれこれ周りが言うことではないですが
以前の判決は元少年側に、今回の判決は被害者寄りに、
とどちらかに偏りすぎた内容という印象を受けてしまいます。

この辺りが人が人を裁くということの限界なんですかね。

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 光市母子殺害事件差戻審判決の日:

« 新緑の季節 | トップページ | 今枝弁護士のテレビ出演 »

2020年1月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

ストップ医療崩壊

  • Iryouhoukai_2   

     このチラシの中を見たい方はこちら

     医療危機打開の署名用紙(PDF)はこちら

     宛先はこちら

無料ブログはココログ

司法改革ニュース

医療過誤ニュース

天気予報