ブログを休んでしまいました。
久しぶりに記事を書く。3週間近くブログを休んでしまった。
仕事と私事で忙しく、おまけに風邪を引いたり歯痛で歯医者に通ったりという有様で、どうしてもブログを書く意欲が湧かなかったため。もともと余裕のあるときに不定期に記事を書く予定のブログなので、ちょくちょくお越し頂いた方には申し訳ないが、お許し下さい。
私がブログを休んでいる間に、光市母子殺害事件の差戻審が結審し、東京弁護士会では弁護団に対する懲戒請求が却下された(東京弁護士会の「懲戒しない旨の決定」はこちらで読むことができる→http://www.toben.or.jp/whatsnew/webapp/whatsnew/detail/?id_whats_new=968)。そして、橋下弁護士が大阪府知事選に出馬するというニュースまで流れた(結局、橋下弁護士が出馬を断ったらしいが)。
弁護団の最終弁論の内容はまだ読んでいないが、こういう状況下で弁護団はその職責をよく果たされたことと思う。
橋下弁護士を府知事候補に推薦した自民党と公明党の方々は、橋下弁護士のブログを読まれたのだろうか。また、今回の懲戒請求煽動事件についてよくお調べになったのだろうか。橋下弁護士が出馬を断った真の理由は知らないが(懲戒請求煽動事件の民事裁判で忙しいから断ったという記事を読んだが、それは事実ではないだろう。裁判の方は代理人に依頼すればよいのだから。)、府知事候補にならなかったのはよい決断だ。もし候補者になっていたら、今度は「タレント弁護士」としてではなく「政治家」として大変な批判と反発を受けることになっただろうから。
ところで、11月に、「あなたが光市母子殺害事件の弁護人だったら記者会見をしますか」というアンケートをやってみたが、その結果はこうだった。
記者会見をする・・・・・49票
記者会見をしない・・・・88票
分からない・・・・・・・・・14票
圧倒的に「記者会見をしない」という方が多かった。
このアンケートは、本当は法曹関係者とそうでない方とに分けてお聞きすればよかったかもしれない。
私も、もしもこの事件の弁護人だったら記者会見をやらないだろうなと思う。
今回の記者会見は綿井記者によってヤフーの動画でほぼノーカットで放映されたが、そうでなければテレビニュースで適当にカットされたものが放映されただけで終わっていた。いかにインターネットが普及しているといっても、ヤフーの動画を見ていないテレビ視聴者の方が圧倒的に多いだろう。
それに、以前にも書いたが安田弁護士はあまり記者会見に向いている方ではないように思う。安田弁護士と足立弁護士の最初の記者会見は、へんな誤解を与えただけで終わってしまい、それが後々の弁護団に対する悪い印象に繋がってしまったように思う。
ただ、「弁護団は死刑廃止運動のために事件を利用している」などというデマや「被告人はコスプレをしていた」などというデマは早い時期に払拭しておくべきだったろう。憶測が憶測を呼ぶというような悪循環を断ち切るためには、守秘義務に反しない限りで正確な情報を提供することが必要だったろうが、今回はそれをマスコミに期待することはできなかった。
光市母子殺害事件のマスコミ報道には本当に驚かされたが、先日、私の所属する弁護士会の理事者が会員に配る理事者ニュースに、司法記者との懇談会の際にこの事件の報道が話題になったことが触れられていた。
光市母子殺害事件弁護団の話題が出ました。名古屋にも弁護団員がおり、記者は彼らなりに取材し、弁護団の立場は理解してくれていますが、記事にしても世間の風当たりを考慮するデスクに取り上げられない等の悩みがあるようです。
やはりこういう事情があったようだ。
懲戒請求煽動事件が話題になった頃、私のブログや他の方々のブログや掲示板に「司法記者」と名乗る方から同様の趣旨の投稿があったが、あれは本当に司法記者からの投稿だったのかもしれない。
マスコミが「世間の風当たり」を気にして真実を取り上げないのだとしたら、恐ろしいことだ。
世間の注目を集めるような刑事事件の弁護人は、一体どうしたらいいのだろう。
記者会見は、一部しか放映されない、会見のうまいへたで印象が変わってしまう、などの危険がある。
それなら、ホームページを立ち上げ、公開してもよい情報だけを掲載し、それを記者らに知らせるだけでいいのではないのか。最近芸能人がよくやっているように。テレビで公開するのはよくて、インターネットではダメという理由はないだろう。
きょうは例の「たかじんのそこまで言って委員会」があり、私は終盤部分のみを見た。
橋下弁護士が宮崎哲弥氏から懲戒請求の却下について感想を聞かれていたが、橋下弁護士は「それはそれで仕方がない」とかなんとか答えていた(正直、あまり興味がなかったので聞き流してしまったが、あいかわらず「弁護士の品位」は誰が判断するのかなどと言っていたような)。
宮崎氏は「自分は弁護団の意見書などを入手できる立場にあるが、一般の方々は判断の資料となる情報をどこで得たらいいのか」「ホームページで公開したら」などと意見を述べていた(メモを取っていないので正確ではない)。
確かに橋下弁護士の発言を契機に懲戒請求をされた方の多くが弁護団の主張について十分な情報を得ていなかったであろう。誤解ゆえの懲戒請求も多かったことだろう。
裁判員制度が実施されたとき、弁護人のマスコミ対策はますます重要になってくることが予想される。
裁判員制度の実施を目前に大きな問題提起をした裁判として、これからも光市母子殺害事件の裁判に注目していきたい。
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仕事が一段落したらまた記事を書きたいと思いますが、12月中にまた書けるかどうかは分かりません。毎年12月になると思うのですが、もう1カ月ほしい・・・。
ベランダのシクラメンの寄せ植え(私が植えました)。最近購入したデジカメで撮影。
今までは携帯で撮影していたのですが、来年はデジカメでもっときれいな写真をUPしたいと思っています。
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コメント
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ネット上で親切な人が、今日の放送分をテキスト化
してくれました。ご覧ください。
たかじんのそこまで言って委員会 2007年12月9日分
橋下事件関連部分のテキスト。
http://www.uploda.org/uporg1149826.txt.html
投稿: ちゃあ | 2007年12月 9日 (日) 22時01分