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« 全く・・・。これでも裁判員制度をやるのか? | トップページ | 刑事弁護の意義についての理解 »

2007年6月23日 (土)

コメントの投稿の際には名前の欄にご記入を。+裁判員制度考

 裁判員制度についてのコメントをいくつか頂いた。

 陪審制との違い、本当に市民が裁判に参加した方がいいのかについて、いずれ記事に書きたいと思うが、今は時間がない。ちょっと先になりそうだ。

 裁判官による裁判にはまかせておけない、弁護士に裁判させておくのが心配だ、などというご意見があったが、

 裁判員制度が実施されても、検察官、弁護人の刑事裁判における役割に変わりがあるわけではない。仕事の内容は変わるだろうが。

 私も、若い頃、職業裁判官の裁判に疑問を持ったことがある。

 しかし、今は、裁判員制度を実施するよりも、職業裁判官の裁判に委ねた方が安心だと思うようになった。

 「裁判員制度はいらない」(高山俊吉著 講談社発行)の特別寄稿から

 蛭子能収氏 「やりたくないし、やられたくない」

  申し訳ないけど、俺は今の裁判もあんまり信用しちゃいない。裁判する人たちがホントに世間のことを知っているのかっていう疑問がある。何も知らないで裁判しているんじゃないかっていう感じがする。だけど、だから裁判員のほうがいいとは思わない。警察の調べとか検察官の調べとかが変わることが一番の問題じゃないかっていうのが俺の意見です。

 さだまさし氏 「信号も守れない人に裁かれたくない」

 「専門知識を持つ裁判官3人と国民代表6人の合議だから国民の感覚が生かされる」なんて嘘、錯覚、茶番です。「国民の感覚」はそういうところで生かす必要はありません。人が人を裁くということは、想像を超える大変な仕事だと思います。裁判官の中には唯我独尊の人がいないとは思いませんが、偉そうに断罪する人ばかりではないでしょう。多くの皆さんは、法律や判例と格闘し、精一杯苦しみ、苦労なお仕事をなさっておられると想像します。「悪いやつだが無罪になった」とか、「気持ちはわかるが法律上は有罪だ」というような矛盾だって感じながらやるのが裁判官の仕事でしょう。

 (青字は引用)

 私も同感である。

 また、裁判員裁判では裁判員にもリスクが伴う。

 被告人から逆恨みされたり、評議の内容を外に漏らして処罰される可能性があるほかにも、「裁判員が冤罪の加害者になる可能性」もあるのである。

 これについては、

 富山・強姦冤罪事件:再審初公判 取調官の尋問却下 男性、怒りあらわ/富山(6月21日17時1分配信 毎日新聞

 弁護団によると、男性は当時のことも十分に思い出せず、弁護団が尋ねたいことも聞けないほど、傷ついているという。
 また証人尋問が却下されたことについて、藤井輝明・弁護団長は「(裁判は)有罪、無罪を決めるためだけにあるのではない。根底には青臭いが正義がある」と語気を強めた。報道陣から、司法制度改革で裁判員が冤罪の加害者になる可能性について問われ「まさにその通りだと思う」と答え、今後予想される国家賠償訴訟での取調官の証人尋問については、「まだ保留。しかし、国家賠償でやれとせき立てられているような気がする」と語った。
 (青字は引用)
 というニュースがあった(ボツネタ経由)が、この弁護団長の回答にも同感である。

 この他にも、裁判員制度の問題点については、いくらでも掲げることができるが、それは後日とする。

(ご注意)

※ 「愚民どどいつもどき」の記事の太字部分の「私」とは「管理人」のことです。ご自身のことを言われていると怒っておられる方、それは誤解です。

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コメント

裁判員が冤罪被害の加害者となる可能性があるとありますが、今回の有罪判決で裁判官が何らかの罪に問われるのですか?
そうであれば、該当する法律の条文を示してください。
それと、私が読んだ記事ではこの事件を担当した弁護士の責任を追及するとい記事もあったはずですか?
今回の冤罪事件に弁護士の責任は問われないのですか?
それに今回の事件は警察の証拠捏造とやる気のない弁護士のせいではありませんか?
刑事裁判の国選弁護は、「手間がかかるし儲けがない」ので適当に弁護した結果ではないのでしょうか?
証拠を捏造した警察官は当然罪に問われるべきですが、冤罪被害者と信頼関係が作れず警察の証拠捏造を見抜けなかった弁護士の責任も追求されるべきです。
人を二人殺して死姦までした被告人の死刑回避のために21人もの弁護士が付くのに、片方ではやる気のない弁護によって冤罪事件が生まれる。
弁護士は今回の事件を教訓とするかしないか、それによって弁護士の信用も変わってくるのではないのですか?

「職業裁判官の裁判の方が,裁判員の裁判よりも信頼できる」と言い切るのですから,首尾一貫はしていますね。

確かに今の日本の現状を見れば,そういう絶望感を持つのも理解はできます。でも,それでは「日本人には民主主義は向いていない」と言うことになってしまわないですかね。

以前,労働審判に労使の審判員を導入することについて,古い労働弁護士と意見交換をしたことがあります。彼曰く「日本の労働者・労働組合は保守的であるから反対だ。職業裁判官の方が良い。」とこれまた断言していました。「日本的企業中心主義にどっぷりつかった日本の労使関係者では,あるべき労働法を歪める」と言うのです(そういう指摘をした著名な労働法学者もいました)。それと同じですね。

裁判員制度が危険な側面を持っていることは,ご指摘のとおりだと思います。だからといって,全否定をすることは違和感があります。国民を信頼しないで,どこに未来があるのでしょうか。

読売新聞にはこのような事も書いてありました。

弁護団は県警と富山地検の責任に加え、積極的に弁護しなかった国選弁護人を選んだ国の責任を訴訟で追及できるかについても検討する。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070621i401.htm

この弁護団のコメントで不思議な所は「積極的に弁護しなかった職務怠慢な国選弁護人の責任は追及しないで、そんな弁護人を選んだ国の責任を追求する。」というところです。
この言い分は、飲酒運転をして人を轢殺した犯人が
「酒を飲んでも運転できる車を作って販売している自動車メーカーや販売店の責任だ」と言っているのと同じようなものです。
そもそも選んだ弁護人が積極的な弁護をしないとわかっていたら、その弁護人は選ばれかったでしょう。
この言い分は身内を擁護し、身内の責任から目を逸らす目的があるとしか思えません。

このブログでは土屋弁護士が行った国家に対する裏切り行為や、冤罪事件を生んだ職務怠慢な弁護士について、一切触れていません。
裁判員制度反対だの弁護士に懲戒請求出すことに対して脅迫するよりも、このような犯罪とも取れる行為をしている弁護士について、同業の立場から何らかのコメントをしないのはおかしいのでは?

<他の社会で話題になっている事件についても記事を書くべきだとコメントされる方々に対して>

 富山の冤罪事件や朝鮮総連事件については、私も私なりの意見はありますが、話題になっている全ての社会問題や法律問題についてブログの記事で触れることはできません。

 ブログの管理人がどのような話題を記事にするかは、ブログの管理人の自由です。

 また、あまり多くのテーマを一度に取り上げると記事が散漫になってしまうので、6月は裁判員制度について主に取り上げることにしました。

 

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