「ノキ弁」とは
昨年12月のことだが、日弁連から「1人で事務所を経営している弁護士の方へ」という非常に紙質のよいカラフルなパンフレットが配布された。
弁護士会関連の書類は山ほど配布されるので、仕事が忙しいときには机の上に積んだまま放置していることが多いのだが、そのパンフレットはその派手さといい、厚みといい、普段弁護士会が配布する書類とはおよそかけ離れたものだったので、思わず手にとってみた。
表紙の下には「ページをめくってみてください。あなたの知りたいことがわかります。」(原文まま)と書いてある。なんか、どっかの悪徳商法の業者のパンフレットみたいだな、と思いつつパラパラとページをめくってみると・・・。
一人事務所の弁護士複数化のメリットを、アンケート結果をグラフ化する等して示しつつ、「1000万円以上所得が増加した人もいます」とか「多くの事務所が、弁護士複数化のメリットを実感しています」等とセールス文句を並べている。それも全て派手な多色刷り。
そして、「事務所の弁護士を複数化するには、どんな方法があるの?」という質問を立て、「あなたに合った方法は?」と3つのタイプを提案している。
1 今最も多く採用されているスタンダードなやり方を知りたい方
→「勤務弁護士」タイプ(7ページ)へ
2 将来的に自分の事務所を承継してくれる人がほしいという方
→「事務所承継パートナー」タイプ(9ページ)へ
3 人数は増やしたいが、お互い独立性を保って自由にやりたいという方
→「事務所内独立採算弁護士(ノキ弁)」タイプ(11ページ)へ
と誘導し、それぞれのページにタイプの説明と契約書例が載せられているのである。
それまでに東京の弁護士から「東京ではノキ弁というのがあるのだよ。」と聞いたことはあったが、まさか日弁連の公認用語とは知らなかった。
もっとも、このパンフレットでは「事務所内独立採算弁護士(ノキ弁)」の定義を「後輩弁護士が、先輩弁護士の事務所に所属しつつ、独立採算で業務を行うタイプです。先輩弁護士の母屋の軒先を借りるというイメージから、「ノキ弁」と呼ばれることもあります。(注:上記名称は仮のもので、現在その名称を検討中です)」と記載されているので、「公認を検討中」ということらしい。
このパンフレットは別に弁護士の秘密文書ではないと思うので(本当は秘密文書にしたい位だけど)、下に写真を載せた(携帯写真なのでピンボケだけど)。
このパンフには本当に驚かされた。
今日の朝、ワイドショーで海上自衛隊の隊員募集のCMが放映されていたが、それに匹敵する位の驚きだった。
(続く)
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