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2006年5月11日 (木)

刑事弁護についてのQに対する(一応の)回答ーその2

 昨日に続いて、頂いたご質問の回答を考える。あくまでも、私個人の考える回答であることをご了承頂きたい。

Q3 「裁判を開くことで真実が明らかになる」という考えを今まで多くの国民が支持して来ましたが、オウム裁判をはじめていくつかの刑事裁判で「結局、長く時間を掛けても決して真実が明かされることがない裁判が少なからずある」という諦めにも似た考えが主流を占めてきたようです。
 一般人から見ると充分過ぎるほど時間をかけており、なおかつ裁判員制度の導入を含める審理の迅速化をすすめている現在において、「真実を明らかにするため」と主張してこられた弁護士の方が「審理を進めるのになお時間が足りない」と仰せられると、真実の解明を意図的に遅れさせているのはむしろ被告人側ではないか、という心情に切り替わってゆくからではないでしょうか。

 このご質問に対する回答も、今までの私の記事からほぼ明らかとなっていると思う。

 「裁判を開くことで真実が明らかになる」という考えを今まで多くの国民が支持して来ましたが、オウム裁判をはじめていくつかの刑事裁判で「結局、長く時間を掛けても決して真実が明かされることがない裁判が少なからずある」という諦めにも似た考えが主流を占めてきたようです。


  まず、「裁判を開くことで真実が明らかになる」というところの「真実」が、神のみぞ知る真実(真相)のことを指しておられるのであれば、その認識は間違っている。裁判で明らかになるのは、裁判に提出された証拠から認定される事実のみである。

 刑事裁判は「神のみぞ知る真実を明らかにする場」ではない。刑事裁判は、検察側が証拠を提出して被告人の有罪を主張立証し、これに対して弁護側が被告人の自己防御権の行使として有罪とするには「合理的な疑いがあること」を主張立証する場なのだ。その過程において、証拠から認定できる事実が次第に明らかとなってはくるだろう。

 確かに、裁判によって今まで分からなかった事実が明らかになることはあるかもしれない。しかし、裁判官が証拠から認定する事実=神のみぞ知る真実であるかは、本当に「神のみぞ知る」のである。

 このように、時間をかければ「必ず」裁判で神のみぞ知る真実が明らかになるはずだと期待すること自体が無理な注文なのである。

 一般人から見ると充分過ぎるほど時間をかけており、なおかつ裁判員制度の導入を含める審理の迅速化をすすめている現在において、「真実を明らかにするため」と主張してこられた弁護士の方が「審理を進めるのになお時間が足りない」と仰せられると、真実の解明を意図的に遅れさせているのはむしろ被告人側ではないか、という心情に切り替わってゆくからではないでしょうか。

 弁護人に真実を解明する義務がないことは繰り返しご説明した。

 弁護士が「真実を明らかにするため」というときは、前記の裁判の過程において証拠から認定できる事実(たとえば被告人が犯罪に至った経緯ー動機や生育環境なども含む)が明らかになることを指しているのだと思う。弁護人としては検察側の有罪立証もそれに対する被告人の自己防御権の行使も対等になされ、その結果として上記の意味での真実が明らかになることが望ましいのである。

 審理の迅速化ばかりを追求するとこの被告人の自己防御権の十分な行使が難しくなる(裁判員制度を前提とした公判前整理手続であまりにスピードが要求されると弁護人による被告人の自己防御権の行使が事実上不可能になることについては「ろーやーずくらぶ」さんの公判前整理手続きのすさまじい実態を参照)。

 もともと、検察側と弁護側では、事実上の力(使用できる費用や人材など)に圧倒的な差があるのが通常だ(被告人がよほどの金持ちでもない限り)。

 そこへ審理の迅速化が加わって弁護人が検察側の有罪立証に対する合理的な疑いを十分に主張立証できないと、不十分な有罪の証拠から簡単に有罪認定がされてしまう可能性が高くなる。

 弁護士が「審理を進めるのになお時間が足りない」と言うときは、こういう意味で言っているのであり、神のみぞ知る真実を解明するための時間が足りないと言っているわけではないのである。だから、「真実の解明を意図的に遅れさせているのはむしろ被告人側ではないか」というのは、そもそもの前提に誤解がある。

 Q4以降に対する回答はまた明日。

              Kumoma

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