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ねこちか2

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2006年4月10日 (月)

橋下弁護士×紀藤弁護士

 日曜日の昼間、たまたまテレビをつけたら、橋下徹弁護士と紀藤正樹弁護士が議論をしていた。

 私は紀藤弁護士と司法修習が同期なので、興味を持って見ていた。

 橋下弁護士は「行列のできる・・・」(私はまともに見たことはないが)の出演者として有名になってワイドショーのコメンテーターなどとして頻繁にテレビで顔を見る弁護士だ。私はそのお調子者ぶりがきらいである。タレントとしてはおもしろいのかもしれないが、弁護士としてはあまりテレビには出てほしくない人物だ。

 紀藤弁護士もやはりワイドショーのコメンテーターとして頻繁に顔を見るが、実際に「法の華」事件などの霊感商法をはじめとする消費者被害事件で活躍をしており、私も弁護士会での講演を聞きに行ったことがある。

 議論はもっぱら例の光市母子殺害事件やオウム麻原控訴審事件(先日の刑事弁護人の記事参照)のことだった。

 橋下弁護士は「弁護士会は直ちに弁護人を懲戒にすべきだ」と被害者やマスコミと同じことを主張。紀藤弁護士は、国選弁護人のおかれた厳しい事情(時間給にすれば1円位の報酬にしかならない事件もある、若い弁護士の国選離れが進み引き受け手がない事件が多い等)を説明し、「抽象論、感情論で議論すべきではない」などと主張。

 司会者(アナウンサーの方、名前を忘れた)は光市母子殺害事件の弁護人に対して非常に立腹しており、「死刑賛成の裁判官が交替するのを待つための時間稼ぎだ。」などと怒っている。

 この事件については、私は詳しい事情を知らない。刑事弁護人がなぜ公判廷に出頭しなかったのか、マスコミで取り沙汰されている理由以外に何か真の理由があったのではないか、などの事情によって意見が違ってくる。

 紀藤弁護士の言うように、本当に「抽象論」や「憶測」や「感情」だけで議論していても仕方がないと思う。

 それにしても、橋下弁護士の「我に正義あり」調の剣幕には本当に嫌気がさした。紀藤弁護士は一人で理性的に対応しようとしていたが、橋下弁護士の剣幕と司会者や出席者らの加勢に押されていた。

 また、紀藤弁護士は弁護士になったのは「社会正義のため」とか、「日夜被害者のことを考えて修行僧のような気持ちだ」などと述べていたのも、この手の番組では浮いてしまい、偽善者っぽく聞こえてしまっていた。私も修習生のときや弁護士に成り立ての頃の紀藤弁護士と少し話をしたことがあるが(橋下弁護士ほどではないけれども型破りな人だったと思う)、紀藤弁護士の口からそのような言葉が出るとは思っていなかった。橋下弁護士も「そんなら国選弁護ばっかりやればいいでしょ。」などという皮肉を言っていた。この皮肉に対しては紀藤弁護士は「あんたよりは(国選弁護を)やっている。」と応戦していたが。

 ただ、最後に紀藤弁護士が、誰が「弱者」かはその相手によって決まる、消費者は企業に対しては弱者、企業も国家権力に対しては弱者、被告人も国家権力に対して弱者だ、と言っていたのはよかった。

 日曜の昼下がり、買い物にでも出ようかと思っていたときなので、私の記憶は正確ではない。あまり真面目な番組でもなかったので、議論といってもまあこんなところか。

 

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コメント

確かに的を得ています。橋下徹弁護士に関して初めて見て以降、弁護士としてどうなのかなぁ?と首を傾げてしまう発言が多い気がします。個人情報保護法にしても肯定的な発言があったり、発言がラディカルが気がします。バラエティ番組等TVで名前を売っておきながら、そしてメディアの恩恵を受けながらメディア規制が必要なんていうのはおかしい気がします。
共謀罪賛成と安田弁護士批判をした法律関係者がいると日刊ゲンダイの二木啓孝氏と麻木久仁子氏が言ってたので誰かなぁと思って連想していたら案の定という感じです。「橋下徹」と検索してここにたどり着いたので読んでみると面白い!
宮崎学氏のトークイベントにも行ってきました。知らされてない真相がわかったので有意義なイベントだったのが印象的です。
何か世の中、「けしからん」の一言で片づけられる風潮がおかしい。
橋下弁護士も「寄らば大樹の・・。」で片づけられる弁護士なのかなぁ。

「スタンリー」さんへ
 私の埋もれている記事に対するコメント、ありがとうございます。
 橋下弁護士の申告漏れ事件でのマスコミ対応ぶりを見ていると、安田弁護士にもこういう要領のよさがあればあんなに叩かれなかっただろうにな、と思いました。
 もともと比較するのが無理な話なのでしょうが。
 

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