光市母子殺人事件の上告審結審
今日は、医療過誤裁判の「診療経過一覧表」というものをチェックしていた。これは骨が折れる細かいデスクワークだ。医療過誤裁判というものが現実にはどのように進行するのかは、またの機会に書こうと思う。たいていの依頼者の方が「テレビドラマとはぜんぜん違いますね。」言われる(先日も「7人の女弁護士のようにはいきませんね。」と言われた)ので、世間にこの現実をもっと知ってもらう必要があると思う。
それで、ちょっと疲れ気味なのだが、今日は例の光市母子殺人事件の最高裁の弁論の日だったので、気になってインターネットで検索してみた。
そして見つけたのが、元検事で今は弁護士とロースクール教員の矢部善朗氏のブログ(http://www.yabelab.net/blog/2006/04/18-164517.php)。
やっぱり1回結審だったのか、と思いつつ、この方のブログを見ていたら、安田弁護士の弁護活動については、このようなご意見だった。
http://www.yabelab.net/blog/2006/03/20-211437.php#more
さすが、元検事の方のご意見。なかなか論理的だ。
もう一つ、興味を惹かれたのがこのブログ。ジャーナリストの宮崎学氏のご意見だ。
http://www.miyazakimanabu.com/judicial/index.php
私はこの方のことは時々テレビで拝見する程度で「キツネ目の男」としてしか知らない。この方の文章を読んだこともなかったが、さすがプロの物書きだと思った。簡にして要を得ている(とかく文章が長くなりがちな新人ブロガーの私は見習いたいと思う)。
この事件については私はあまり知らなかったのだが、インターネット上で被告人が公判中に友人に出した手紙などが公開されていて、遺族に対する同情、被告人と安田弁護士に対する怒りをヒステリックに書き並べたブログが氾濫している。
しかし、上記の2つのブログは違う。テレビの「ジャーナリスト」や「コメンテーター」という方々の感情的な「ご意見」に辟易していた私は、インターネット上にはこういう冷静な目を持った方々のブログもあるのだなと思い感動した。
私が以前書いた「刑事弁護人」の記事は、宮崎氏のご意見とほぼ同じだ。ただ、宮崎氏は安田弁護士らが期日に欠席した理由を具体的に掲げている。
宮崎氏の掲げる理由のうち「前弁護人から引き継ぎしたばかりであり、記録を精査する必要がある。被告人からも更に事情聴取して事実究明する必要がある。そのための期間として3ケ月は必要。」という理由について、「理由にはならない。」と厳しい意見を述べているのが矢部氏のブログ。
しかし、矢部氏がその前提とする事実認定にはかなりの推測が入っていると思う。前弁護人や安田弁護士から事情聴取でもしないと、本当のところは分からないのではないか。前弁護人がなぜ辞任したのか、いつどのように事件が引き継がれたのか、安田弁護士らの準備期間が充分だったのか、被告人が新たな弁明をしているので事実究明のための時間が必要となったのか(これは確か安田弁護士が記者会見で述べていたような)などは、本当のところは当事者でないと分からないことだ。
やはり第三者がいろいろと憶測で意見を述べても仕方がないように思う。
それなのに私がどうしてこの事件に興味を惹かれるかと考えると、やはりこの事件を契機に弁護士に対する世間の目が冷たくなったように感じるからだ。現に、福島の産婦人科医師の逮捕事件についてコメントを書かれた方の中にもこの事件を掲げて「弁護士は金になればなんでもやるのか。」と言われる方がみえた。弁護士に対する不信を招いた事件だったと思う。
医師の方々が福島の産婦人科医師逮捕の事件に憤りを感じておられるのと、私が安田弁護士に対するマスコミ攻撃に対して憤りを感じているのには、共通のものを感じる。ただ、同業者だからというだけの理由で弁護するのはやめようと思う。
確かに安田弁護士が「戦術」のためだけに期日延ばしをしたのであれば、矢部氏の言われるとおりだろう。ただ、もし本当に半月しか準備期間がなかったのであれば、安田弁護士の期日延期申請を却下した裁判所に問題があると思う。そのような短期間でこんな事件の準備をするのは無理である。記録は膨大だろうし、被告人と意思疎通をはかるのも難しいと思う。
インターネット上で取り沙汰されている被告人の手紙の一部を読む限りでは、この被告人の弁護活動は相当難しそうだ。しかし、これは、一部のブロガーの方々が言われているように被告人が「極悪人」だからではない。
確かにこの手紙を読んだご遺族の心中は怒りに煮えくりかえったことだろう。「殺してやりたい。」と思うのも無理からぬことだと思う。
ただ、ごく若い人(特に男性)の弁護人や民事事件を担当した経験から言うと、このような若い人の言ったり書いたりしていることは必ずしも本心からではないことが多いのだ。もし、この被告人が残虐非道な極悪人で死刑を免れるために裁判では冷静に反省しているかのように演技していたのだとするならば、公判中にこのような手紙を友人に出すはずがない。悪知恵が働く狡猾な人間なら、「いかにも反省しております」というような手紙を出すはずだ。
手紙の文面を読む限りでは、「自分は平気だ、こんなことはなんでもない。自分はたいしたことをしていない。周りが悪いのだ。」と思い込もうとしている、わざと悪ぶったことを書いて友人に虚勢を張っているようにも思える(これは若い人にありがちだ)。これは、事件を現実のものと受け止めることが怖い、真実と向き合うのが怖い、という恐怖心の裏返しのように感じた。もちろん、私は精神分析医でもなんでもないので、彼の本心がどこにあるのかは知るよしもないのだが、文面からだけで人の本心を推し量るのは難しいと考えるべきだ。
若い被告人の場合、弁護人に心を開いてもらうには非常に長い時間がかかると思う。私はこのような重大な刑事事件をやったことはないが、軽微な事件であっても私など平凡な家庭で生まれ育った人間には想像のできないような環境で生きてきた若い被告人たちと意思疎通を図ることは本当に難しかった。そのような場合、接見の回数はどうしても多く必要となる。
ましてや、このような手紙を書いた被告人の青年との意思疎通のためには半月では(たとえ3ケ月あっても)到底足りない。
もし、宮崎氏の掲げる理由が本当であるなら、期日は延期されるべきだったと思う。不十分な弁護活動しかできないなら、弁護人がついていないのと同じことだからだ。
少年の付添人や弁護人になられる弁護士には、深い洞察力、想像力、理解力、それに包容力が必要だと思う。私が少年事件をやらないのは、自分にはそのような力はないと思うからだ。
しかし、こういう仕事がいかに大変かだけはよく理解できる。そして、真相を解明していくためにも、こういう仕事は大切だと思う。
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投稿: mituko | 2006年4月19日 (水) 17時11分
弁護する事の必要性は言わずもがなだし
叩くのは筋違いだが
安田弁護士の異常性を理解出来ないのも変だ
あれじゃ、死刑にしろって言ってるような物。
あそこまで反吐が出る会見を開いて、
一般市民に何の同意を得ようとしてるんだ?
あの人は、何も見えてない。
そんな人間が弁護活動する方が圧倒的に危険だ!
投稿: | 2006年4月19日 (水) 21時47分
殺意があろうが無かろうが、
自分勝手な目的があり、その行動の結果死に至らしめた。
結果に対する責任というものは無いのだろうか?
責任・・・それが刑法なのでしょうけど、
随分と軽く感じるのは気の所為か?
安田弁護士の唱える人権とは何だろう?
人には誰しも生きる権利を有する。
犯罪を犯した人間にもそれはあるのだろう。
だが、人命を奪う権利は無い。
殺人を犯した者の人権は擁護されるべきなのか?
今回の件で改めて、
司法のあり方・この様な裁判での弁護士の存在に
疑問を感じてしまう・・・。
勿論事実確認は大事だが。
投稿: ど素人 | 2006年4月20日 (木) 01時00分
医者は同じような症例を観すぎているから
患者個人個人に対して冷淡だ、という方もおられますが
これは法に携わる人間も同じことなんだと
今回の件についてネット上で
法に携わる方々の意見を拾いながら思いました
法廷に持ち込んだ絵や弁護の内容を知らされたら
そりゃあ世間の目も冷たくなるよ
投稿: | 2006年4月20日 (木) 09時43分
>手紙の文面を読む限りでは、「自分は平気だ、こんなことはなんでもない。自分はたいしたことをしていない。周りが悪いのだ。」と思い込もうとしている、わざと悪ぶったことを書いて友人に虚勢を張っているようにも思える(これは若い人にありがちだ)。
内心はどうであれ、やったことは二人の殺害・屍姦ですからね。
反省していようがいまいが、一般市民から見たら十分凶悪です。
あと、自分ではまだ若いと思っている私から見ると「これは若い人にありがちだ」なんて断言されるのはいささか不満がありますね。
この文章は若い人が書いたから、話半分に聞き流せということ?
同じ文章を70の爺さんが書いたら本音だと信じろということ?
気になりますね。
投稿: 佐倉純 | 2006年4月20日 (木) 20時31分
浅はかなコメンテーターやジャーナリストに洗脳されている世論は必ず「動機はどうであれ」「人を二人殺したことにかわりはない」という。
しかし、今の日本では、殺人事件では殺人人数が一人はほぼ無期懲役、二人は動機や殺害方法や死体損壊状況による、三人だとほぼ死刑であるらしいですね…
これを知っても、動機はどうであれ死刑だ。というのだろうか。事実はどうでもいいというのだろうか。今までいかに事実をないがしろにしてきた裁判を本村さんがさせられていたかの方が重要ではないのだろうか。
安田さんをせめるのは筋ちがい極まりないと思う。逆に、この状況で最高裁まできていたら、安田さん以外ではこのまま事実が闇に葬り去られてしまっていたかもしれない。
ちなみに同日行われたヒューザーの小嶋社長の事情徴収も検察がわざとこの日に当てたことは明らかである。時代を動かす大きな二つの事件が安田弁護士によってつながっていると考えると、とても不思議である。
しかし安田弁護士冤罪事件といい、ヒューザーといいイバラの道を歩く人だなあと折に尊敬する
投稿: 池田 | 2006年4月21日 (金) 00時04分
>>池田
どっちが洗脳されているんだか・・・。
事実とは何の事?
例の会見で安田弁護士が語ったのが新事実?
真実は被告本人にしか分からない事だと思うが?
被告が真実を伝えたという証拠は無い。
勿論検察側の主張が真実であるとは限らない。
事実を解明するというのは大事。
だが、会見で安田弁護士が語った内容には首を傾げざるを得ない。
真っ当に弁護しているようには見えないね。
まず安田弁護士正しきを前提で語らないで欲しいと思う。
それに、あれが本当に冤罪かどうかも分からない。
投稿: | 2006年4月21日 (金) 12時10分
あなたは当事者から一番遠いところにいる人間です。自分でこの事件についてどれだけも調べないで、これではただの活字の鵜呑みです。マスコミを信じ込み、何らかの感情が芽生え、批判書き込みをして…それが終わるともう自分の生活に戻ってこの事件のことなんて外部からの刺激によってしか思い出さないでしょう。しかし安田さんは今この瞬間もこの事件と向き合っているのです。
そしてこの加害者の少年に死刑判決がでた場合、処刑ボタンを押すのはあなたではありません。そして、その遺体を引き取って泣くのは少年の母親と安田さんだけです。あなたではありません。
私は安田さんを知っています。
だからあなたがいかに安田という人物を知らないでいるかよく分かります。安田さんが検察にはめられてぶち込まれた拘置所に通ったこともあります。彼が今までやってきたこと、そして安田さんという人間を知っている私から見れば、あなたたちの意見はこの事件を本当に第三者として軽くみているとしか思えません。
きっと判決がでたらこの事件のことも忘れてのうのうと生活をおくることでしょう。しかし判決がでた後もこの事件を忘れないのは本村さんと、加害者の母親と、そして安田さんだけでしょう。
本村さんが安田弁護士に対する怒りの感情はよくわかります。しかし、私たちが安田弁護士を批判するのはとんだお門違いではないでしょうか。
私は明日山口にお花を添えてこようと思います。少しでも事件の傷跡が忘れ去られないよう祈ります。
投稿: 池田 | 2006年4月21日 (金) 12時40分
私は素人なので聞きかじりにすぎないのですが、法律家にとって、殺意のあるなしが殺人の要件であることは常識なのではないでしょうか?
しかし、一般人にとっては殺意があろうがなかろうが人が死んでるんだから殺人だろう。
という感覚が根強いと思われます。
こういった事件の場合、傷害致死なり強姦致死なりであるなら、最高でも無期で死刑ということはありえないと思うのですが、これで間違ってますか?
この点を理解しないで批判している人が多すぎるような気がします。
あくまで素人考えですので、間違っていたらすいません。
投稿: RYZ | 2006年4月21日 (金) 13時15分
>>RYZ
>「傷害致死なり強姦致死なりであるなら~」
間違ってはいないと思いますが・・・
殺意が無くて二人も死ぬんですね。
殺意が無くても数分に渡って首を絞める事が出来るのですね。
殺意が無くて赤ん坊の首を絞める事が出来るのですね。(叩き付けたのかは分かりません)
この様に思うのです。
>>池田
批判するのは自由だと思うが?
勿論貴方が彼を擁護するのも自由。
自由なのだが、出来る事なら安田氏が正しいを前提に語らないで欲しい。
「嵌められた」という事が分かるのは、
嵌められた側と嵌めた側でしょう?
安田氏が貴方に「嵌められたんだ」と話しても、
それが真実だと誰が証明するのですか?
安田弁護士という人間を知っているのなら、
是非お尋ねしたい。
・死刑廃止のシンポジウムに本村氏を招待したのは
如何なる意図によるものか?
私には本村氏を利用したパフォーマンスに見えました。
配慮を欠いた、人間性を疑う行為に思えますね。
ま、意図した方向には行かなかったようですが。
・例の会見で語った内容をどう思われますか?
殺意の有無等、主張するのは構わないのですが、
内容がかなり苦し紛れに思えたのですが?
形振り構わず死刑を回避するという意図があるのでしょうか?
・彼の考える「人権」とは何でしょう?
投稿: | 2006年4月21日 (金) 19時54分
佐倉純さんへ
ー自分ではまだ若いと思っている私から見ると「これは若い人にありがちだ」なんて断言されるのはいささか不満がありますね。
この文章は若い人が書いたから、話半分に聞き流せということ?
同じ文章を70の爺さんが書いたら本音だと信じろということ?
気になりますね。ー
「この文章は若い人が書いたから、話半分に聞き流せということ?」ということではありません。
手紙自体は証拠として重視されるべきです。ただ、文面をそのまま受け取るのではなく、その背後にあるものも評価すべきだと思うのです。これには精神分析的な考察も必要かもしれません。
若い人が全てそうだと言っているわけではありません。ただ、こういう文章は「70の爺さん」は書かないでしょう。
2チャンネルに非常に攻撃的な文章を書いた若い人に実際に会った弁護士の講演を聴いたことがあるのですが、書き込んだ文章とは全く異なり非常に内向的で大人しい人物だったといいます。
人間は書いた文章の文面のみだけで判断されるべきではないということを言いたかったのです。これは若い人に限らずですが、若い人の場合、わざと露悪的な文章を書く人が多いように感じます(これは私の経験から感じたことですので、独断に過ぎないと思って頂いて結構です)。
投稿: M.T. | 2006年4月23日 (日) 19時28分
>>安田氏が正しいを前提に語らないで欲しい。
私は真実を正しいことと思います。
物証できない検察の意見(実際に検察の発表した調書と、実際の証拠には食い違いがあります)よりも実際の証拠に基づいた安田弁護士の主張の方が信憑性があるのは明らかです。
>>死刑廃止のシンポジウムに本村氏を招待したのは如何なる意図によるものか?
死刑廃止のシンポジウムに本村氏を招待したのは安田さんではなく足立弁護士です。
あなたは原田正治さんという方をご存知でしょうか。被害者でありながら、死刑廃止論者の方です。彼の本を読むことをお勧めします。
原田さんは、最初、死刑廃止論者に、自分は山車に使わされているかもしれないと思ったそうです。そんな彼がやはり死刑廃止論者でいつづける理由は(詳しい内容は省きますが)安田さんのお陰だといいます。また、安田弁護士は、被害者支援の会の紀藤弁護士も大変尊敬に値する人物だといいます。
私の知り合いのオウム被害者遺族も、安田弁護士解任により、オウム事件は真実が解明されないままになってしまうということに涙していました。
>>例の会見で語った内容をどう思われますか?
殺意の有無等、主張するのは構わないのですが、
内容がかなり苦し紛れに思えたのですが?
形振り構わず死刑を回避するという意図があるのでしょうか?
安田さんが死刑廃止論者であるということは、紛れもない事実ですが、安田さんは事件を担当するにあたり、マスコミに向かって「私は死刑廃止論者です」とは一言も言っていません。
「安田弁護士は死刑廃止論者である」と言い出したのはマスコミです。そして「死刑廃止論の為に山口事件を山車に使おうとしたのではないか」と言い出したのもマスコミです。
何を根拠に、苦し紛れですか?安田弁護士が言ったことが事実ではないとどうして思ったのですか?物的証拠はありますか?
山口事件で真実を知っているのは、亡くなった弥生さんと優香ちゃんと、そして被告だけです。
どうか検察や裁判所の正義のプライドを守るためのマスコミに騙されないでください。私はこの事件が、裁判所や検察の正義の威厳の誇示の為、政治的に利用されることが本当に許せません。
坂本一家殺害事件を当初検察は握りつぶそうとしていたこと、そして地下鉄サリン事件は未然に防げていたことを知っていますか?和歌山カレー事件の林真須美被告の立証ができていないまま死刑判決がでていることを知っていますか?オウム事件では、麻原の指示でやったと証言した被告はたとえ実行犯であっても無期懲役、麻原の指示ではないと言っている被告はサリン製造に助言した程度でも死刑判決。
今の裁判所や警察は、マスコミや世論に批判されないように必死です。安田さんはそんな裁判はおかしい、裁判は事実に基づいて行われるべきだと言って戦ってきた結果、権力によって牢屋にまで入れられた人物です。
話はずれましたが、山口事件に関して、私は裁判所と検察官に大変不信感を抱いています。
そして何より、安田弁護士の就任により、少年の前弁護人がいかにいい加減な仕事をしていたかが露呈した訳です。少年に事件とまともに向かい合わせようとしなかった結果、事実がおろそかにされた。誰も少年と向き合おうとしなかった。そして安田弁護士に変わってはじめて少年は今自分のやった罪と向き合っている。
今回の山口事件の裁判は量刑裁判です。
「事実はどうであれ、二人殺したことは変わりないから死刑にしろ」
これが今の世論とマスコミ論です。
前述ですが、今の日本では大体殺人事件では殺人人数が一人はほぼ無期懲役、二人は動機や殺害方法や死体損壊状況による、三人だとほぼ死刑です。事実について厳密に解明するということが一番大事なのではないでしょうか。
そして、今まで事実をないがしろにしてきた、そして少年と向き合わず、ペンと紙だけでこの事件を処理しようとしていた前弁護人、事実を歪めた検察、検察の正義を守ろうとするマスコミ、マスコミに迎合する裁判所、事実を追求するために検察と裁判所と戦っている安田弁護士を非難する世論…弥生さんと優香ちゃんを想っている人はこの中に何人いるでしょうか。
私は、弥生さんと優香ちゃんの為にがんばってきた本村さんと、事実を追求しようとしている安田さんだけだと思います。
投稿: 池田 | 2006年4月23日 (日) 20時57分
長々とすみません。
補足です。
死刑廃止のシンポジウムには本村さんに限らず、何人かの被害者遺族の方が参加しておられます。
原田さんはその中の一人ということです。遺族の方の中には、死刑廃止論者になることによって、心が少しは休まったという方もおられます。
また、マスコミに洗脳される世論(表現は悪いですが)ということについて…
自分はマスコミに洗脳されているわけではないという安田弁護士を非難する方…
なぜ「安田弁護士」と特定するのか。被告の弁護人は安田氏一人ではありません。であるにもかかわらず、安田氏一人を標的にしたマスコミバッシングに乗ってしまうのはいかがなものかと思います
投稿: 池田 | 2006年4月23日 (日) 23時26分
>>私は真実を正しいことと思います。
物証できない検察の意見(実際に検察の発表した調書と、実際の証拠には食い違いがあります)よりも実際の証拠に基づいた安田弁護士の主張の方が信憑性があるのは明らかです。
すみません、
安田弁護士をよくお知りの方のようですのでお尋ねします
それではあの人が法廷で述べられたことは真実ですか?
前任の弁護士さんはそれを見出せなかったということですね
工事業者に扮した不審者が室内に入ってきたので
おびえた奥さんが包丁を持って抵抗し
犯人が悪気もなしにただ甘えているうちに誤ってくびり殺したあと
そういう気はなかったのに偶然男女の関係を結んだ
事実は小説より奇なり
投稿: | 2006年4月24日 (月) 14時24分
>>それではあの人が法廷で述べられたことは真実ですか?
安田弁護士が事実以外に基づいて(いわゆる今マスコミで言われている「言い訳」や「作り話」)弁護活動をすることはまずありえないでしょう。これは彼の今までの弁護活動を見れば分かります。彼に関する記事や本、オウムやその他、安田弁護士の関わっている事件の傍聴記録を読むことをお勧めします。
一度殺人犯と報じられた人が、事実凶悪殺人犯であった。という話ならきっと一般の人はすぐに信じるでしょう。しかし、一度凶悪殺人犯であると報じられた人が、事実殺人犯であったとき、それは事実であっても受け入れられにくいでしょう。これを聞く側は認識していなければいけません。
投稿: | 2006年4月25日 (火) 13時25分
>>池田
あなたの4/21の発言の冒頭にに事件を良く調べもしないでとあるが被告の母親は事件前に自殺しているとの事です。あなたこそ良く調べたらいかがですか?
あと、弥生さん、優香ちゃん想っている人に安田弁護士がなぜ含まれるのでしょうか?ある意味本村さん、他の遺族の方(あなたのおっしゃるところの想ってる人には含まれていませんが)にとって大変失礼なことと思います。安田弁護士が被害者を本村さん以外の遺族の方以上に想っているという根拠を教えてほしいものです。私には、あの会見を見る限りはそんなものひとつも伝わりませんでした。
最後に、山口にお花を供えに行くとの事ですが素晴らしい事だと思います。しかし、それをこの場に書き込む時点できれいごとにしか思えません。そうゆうことは人知れず行うべきではと思います。
投稿: | 2006年4月28日 (金) 19時21分
私には妻と二人の娘がいますが、皆で毎日話し合っています。「必ず、殺られる前に殺ろうね♪」
この国では、「やるつもりはなかった。」「ごめん」で何でも済ませることができる。
とても居心地の良い国です。
私達は、私達に危害を加える者を迷うことなく殺すことができます。
わが国の司法がそれを教えてくれました。
感謝しています。ありがとう!(^.^)/
投稿: 殺人予備軍一家 | 2006年6月21日 (水) 22時00分
あ、そうそう。
娘はまだ未成年なので、ムカつくやついるなら今のうちに殺しておくように!と教育するよになりました。
18歳を1日でも過ぎるとややこしくなるからね! と。
こう教えるようになってしまったのも、わが国の司法のおかげです。
犯罪加害者は全てにおいて救われ、犯罪被害者はなにひとつ救われない。
これがわが国の正義ということらしいです。
絶望。
投稿: 殺人予備軍一家 | 2006年6月21日 (水) 22時09分
「殺人予備軍」さんへ
ー娘はまだ未成年なので、ムカつくやついるなら今のうちに殺しておくように!と教育するよになりました。ー
これは極めて不穏当な表現です。本気ではないとは思いますが、今から3日以内に訂正されない限り、貴殿のコメントは削除させて頂きます。また、コメント規制もさせて頂きます。
貴殿の言われるような家族に危害を加える行為に対してやむをえず反撃に出る場合はまず「正当防衛」(刑法36条)が成立します。
何も「殺人予備」をして犯罪者になる必要はありません。
投稿: M.T. | 2006年6月22日 (木) 17時05分
どーぞ。削除でもなんでもしてくださって結構です。
我が国には悪は守れど正義は葬られるという構図が成り立っています。
正当防衛?できるものなら、貴方も一度やってみてください。
本気で襲い掛かってくる相手には先手必勝しかないでしょう?
殺されてから何ができますか?
息絶えていった生後間もない赤ちゃんに、どうぞおっしゃってくださいな。
「正当防衛なら我が国では認められますから安心ですよ!」と。
法律の専門家か何かは知りませんが、冗談もほどほどにしてください。
殺人予備を思い起こさているのは貴方のような方々でしょう。
優しい心を持った普通の人達がこのような事件の被告を「殺してやりたい。殺されればいい!」と思うように、火に油を注いでいるのは下手糞な弁護や加害者ばかりにに偏った人権擁護じゃないですか?
私はそうとしか思えませんが?
お読みになられましたら、人目につくと都合悪いようですし削除してくださってけっこうですので
ご自由に(^。^)/
投稿: 殺人予備軍一家 | 2006年6月24日 (土) 02時24分
「殺人予備軍一家」さんへ
あなたの一連の発言は、むしろ世間(特に裁判員制度に賛成の方々)への「警鐘」になると思いましたので、あえて残させて頂きます。
ただ、今後はいちいちコメントするのは面倒なので、コメント規制はさせて頂きます。
投稿: M.T. | 2006年6月24日 (土) 04時16分
殺人予備軍一家さんの発言はたしかに過激なものでしょう。
しかし、この発言を額面どおり捉えるのは如何なものでしょう。
弁護士をされている方が、この方のように司法への不信感、
平たく言えば弁護士への不信感を持っている一般市民の率直な
気持ちに、言葉尻だけを捉えた批判では正直なところ落胆
してしまいます。
どのような「警鐘」になるとお考えなのかはわかりませんが、
このような方(僕も含めて)が司法や弁護士を信頼できる
ようになるためには、どうすればいいのかお教え頂きたいものです。
投稿: 鍵括弧之鷹 | 2006年6月25日 (日) 13時07分
「鍵括弧之鷹」さんへ
殺人予備軍一家さんも、鍵括弧之鷹さんも、これから裁判員に選任される可能性があるわけです。
刑事弁護人の役割については、一度、私のテーマ記事「刑事弁護の本質に関する記事」をお読み頂ければ幸いです。
また、その中に「テミスの目隠し」という記事もありますので、できればお読み下さい。
投稿: M.T. | 2006年6月25日 (日) 14時07分
はじめまして。いきなりですが「殺人予備軍一家」さんの意見。かなり過激ですが私は共感できます。私は女房と3歳の息子がいて、もうすぐ第二子が生まれまるごく一般的な家庭を営む者(と自分では思っています)ですが、私には色々な意味で家族を守る義務があると考えています。「殺人予備軍一家」さんも同じようなことを考えているのではないかと思います。
数年前から外国人が関わる犯罪で、施錠してあってもピッキングなどの手段で住居に侵入されてしまう事件が増えていますが、家族の在宅中にそのような犯罪に遭遇したらどうするか。
空き巣のつもりが急に強盗に変身してしかも命を奪われたら。あるいは犯人がはじめから殺すつもりで侵入してきたら(福岡でそんな事件がありましたね。犯人は中国人。夫婦と幼い子供が殺害されました。)
そんなことを考えると、私も例えば拳銃などを持っていたいくらいです。
私が留守にしている間に女房と子供が殺されたら・・・このテーマに上がっているような事件でです。・・・私は家族を守れなかった悔しさと、悲しみを通り越て痛みにも似た感情と犯人への激しい憎悪に駆られるでしょう。
そうならないための自衛策として「殺人予備軍一家」さんの意見を読むと真剣に生きている人の正直な気持ちがにじんでいるように思えます。
法律家の感覚や論理は問題ではないのです。
急迫した危険に対して警察やら司法は役に立たないのです。正当防衛やら何やらを論議できるのは事後の話です。
すみません。話題を変えます。
今回の事件で死刑の適用云々という話について、私は断固この犯人の元少年を死刑にすべきと考えます。
法律の用語では一般予防というのでしょうか。
こんなことをしたら死刑になる。
精神が未熟な少年にも分かりやすいでしょう。
第二の元少年Aにこんな犯罪を思いとどまらせる効果が少しでもあると思いますがいかがでしょうか。
逆を考えると17歳のうちにやっとけばせいぜい7~8年で出られるんだ。と思わせることにはなりませんか。現に元少年Aは一審の判決後に友人に送った手紙にそういう趣旨のことを書いていますね。
それから出典が不明なので申し訳ありませんが、再犯率について。
殺人や強姦といった生命・身体に重大な影響を与える事件を起こした加害者の再犯率が35%。少年の事件(加害者が少年院に入った)で全体の再犯率(少年院に戻ってくる)は48%と聞いたことがあります。いつの統計結果かも忘れましたが、
(すみません、このデータは正しいでしょうか)
仮に、加害者の元少年Aが無期懲役となり、出所してきた後で同様の事件を起こして新たな被害者が出た場合、誰が責任を取ってくれるんでしょうか。非常に気になります。
冒頭を繰り返しますが、以前に皇太子殿下がご結婚されるときのプロポーズの言葉が「一生をかけてお守りします。」というお言葉でした。皇太子殿下に限らず世の中多くの人たちはそういった決意を胸に家庭を持つわけです。そういった多くの人たちが納得でき、不安を覚えないようにすることを私は司法に期待します。
投稿: 仕事しろ! | 2006年6月26日 (月) 20時33分
「仕事しろ」さんへ
あなたの「自分と家族を守りたい」というお気持ちはよく分かります。ただ、それを追求すれば、日本でも銃の所持を認めろ、ということになると思います。そうすると、アメリカで起こった服部君事件のような不幸な事件が起こる可能性もあるわけです。どちらがいいのか。これから凶悪事件が続けば、日本もアメリカのような銃社会になるかもしれませんね。
私は今回の被告人を死刑にすべきか否かについては記事を書いていません。マスコミ報道だけでは裁判にあらわれた事実(証拠)が分からないからです。
ただ、一般予防という見地からいえば、「どうしてこういう犯罪者が生まれるのか」ということが裁判の過程の中で明らかになることも一つの一般予防ではないでしょうか。
それに、特殊な性癖の犯罪者には、「死刑」の警告もあまり効果はないと聞いたことがあります。
少年の再犯率については、私は少年事件はやっておりませんので知りません。ただ、統計はインターネット上でも調べることができるのではないでしょうか(申し訳ありませんが、私には今その余裕はありません)。
投稿: M.T. | 2006年6月26日 (月) 21時55分
早速の御返事ありがとうございました。
「テミスの目隠し」読ませて頂きました。
おっしゃるとおり、「剣・天秤・目隠し」が
あてはまるのは裁判所(裁判官)でしょう。
ただ無理だとおっしゃられている「公平」に
ついては、僕は「モラル」というものに置き換え
られるのではないかと思います。
当然ながら加害者側の立場に立って弁護される
のですから、加害者に有利になるような弁論
されるのは理解できるのですが、その弁論内容
を見聞きすると、被害者に全く関係のない
加害者の年齢や生い立ち、あるいは推測でしか
ない反省や、あくまで可能性である更生など
理解に苦しむことを主張される場合が多く
感じます。
もちろん、認められているからそういう弁論を
するのは理解はしていますが、第三者の立場に
立ったときに理解できないような弁論では、特に
検察側の主張がそんなに突拍子もないものでない
場合だと際立ってきます。
以前何の裁判か忘れましたが、覚醒剤を使用して
犯罪を犯した加害者の弁護で「覚醒剤を使用して
いたため心神喪失(耗弱?)状態だから、無罪だ」
と主張されていたことがあったかと思います。
※多少間違ってるかもしれません。
いくら加害者側といっても「モラル」ってものが
あるでしょう、と思ってしまうのです。
そもそも「覚醒剤」の使用自体が犯罪なのに、
使用した結果によって起きた状態が「心神耗弱」
だから刑罰が軽くなるというのはあまりに
理不尽な話だと思います。
交通違反の罰則でも「酒気帯び」なら点数が
増えるのに、これでは「酒に酔って運転してた
ので、轢き殺しても無罪です」と主張している
ようなものだと思います。
そんな主張が罷りとおってしまうと、司法に
対する信頼なんて生まれてこないと思います。
やはり「なりふり構わず」といったモラルの
ない弁論はするべきではないと思います。
司法の一角を担っているのは弁護士なのです
から。
投稿: 鍵括弧之鷹 | 2006年6月29日 (木) 02時57分
「鍵括弧之鷹」さんへ
―ただ無理だとおっしゃられている「公平」については、僕は「モラル」というものに置き換えられるのではないかと思います。
当然ながら加害者側の立場に立って弁護されるのですから、加害者に有利になるような弁論されるのは理解できるのですが、その弁論内容を見聞きすると、被害者に全く関係のない加害者の年齢や生い立ち、あるいは推測でしかない反省や、あくまで可能性である更生など理解に苦しむことを主張される場合が多く感じます。―
これらは情状立証といわれるものです。
年齢、生い立ち、反省、更正の可能性などは、量刑のための資料となります。
どうしてこういうものも量刑の資料となるかという根本的な問題に遡れば、刑罰の程度は「犯罪そのものの程度によるべし、犯罪の結果の大小に応じた報復的な刑罰を科すべし」とする古典学派と、「犯人の社会的危険性を重視し、それに応じた処分を施すべきものとし、犯人の改善・教育の目的が達せされる時期は、あらかじめ測りえないから、不定期刑を採用すべし」とする近代学派の主張があり、日本ではこの両方の考え方を取り入れているからです。
これは刑法の教科書に記載されていることで、法学部生やロースクール生が学んでいることです。
これからは裁判員になられる一般の方々もこういうことを学ぶ必要が出てきていると思います。
(これ以上の説明は時間の余裕がないので、私には出来ません。できれば、刑法の教科書に当たって頂くと詳しく書いてあります)
―以前何の裁判か忘れましたが、覚醒剤を使用して犯罪を犯した加害者の弁護で「覚醒剤を使用して
いたため心神喪失(耗弱?)状態だから、無罪だ」と主張されていたことがあったかと思います。
そもそも「覚醒剤」の使用自体が犯罪なのに、使用した結果によって起きた状態が「心神耗弱」だから刑罰が軽くなるというのはあまりに理不尽な話だと思います。
交通違反の罰則でも「酒気帯び」なら点数が増えるのに、これでは「酒に酔って運転してたので、轢き殺しても無罪です」と主張しているようなものだと思います。
そんな主張が罷りとおってしまうと、司法に対する信頼なんて生まれてこないと思います。
やはり「なりふり構わず」といったモラルのない弁論はするべきではないと思います。
司法の一角を担っているのは弁護士なのですから。―
これらについては、「責任能力」や「原因において自由な行為」の問題です。これも刑法の教科書に詳しく説明されています。
インターネット上でも説明してあるものが見つかるはずです。
私には時間の余裕がありませんので、これ以上の説明は勘弁して下さい。
これらは刑法の法理の問題であり、刑事弁護の問題とはまた別です。
一般の方がこういう疑問を持つことはよいことだと思います。
裁判員制度ができれば、一般の方もこれらの刑法の法理を理解して頂かなければなりません。裁判官と一緒に裁判をするわけですから。野球にたとえれば、今まで外野席で眺めたり野次をとばしていればよかったのが、一緒にプレー(審判)しなければならなくなったのです。
私は裁判員制度の導入には反対です。
しかし、導入される以上は、一般の方にもがんばって勉強して貰わなければなりません。
投稿: M.T. | 2006年6月29日 (木) 13時02分
安田弁護士らのトンデモ主張を報道などで見てこのページに辿りつきました
つい今まで私自身は「裁判員制度」に反対でした。なにも法律に疎い我々が裁判に参加しなくても、世の中のモラルや常識を裁判に反映するのは、他の方法があるのではないか?例えば裁判所の要職は有資格者の中から我々が直接選挙で選ぶとか工夫すればよいのではないかと。
しかし、このページの著者の発言、コメントを残されている安田弁護士の知人さんの発言を読むにつけ絶望的になります。「裁判員制度」
は必要悪だと認識しました。
元少年は2人の人を殺した。正当防衛でもなく、積年の恨みによるものでもない。無辜の人を殺し陵辱した。
過失か故意かなんて問題ではない。法理とやらでは違うだろうが、通常の生活で誤ってというのが過失で、犯罪途中に死に至らしめたなら殺意の有無なんて知ったことではない。反省しようがしまいがどうでもよい。更正の可能性が有ろうが無かろうがどうでも良い。犯罪の抑止力になるか否かもどうでも良い。本村氏ら遺族は最高刑である死刑を求めるのだろう。遺族の気持ちは理解できるが、他人としては被害者遺族の癒しの有無も二の次である。終身刑でも、終身強制入院刑でも死刑でも世間に戻ってこなければ良い。結局現在の法律では死刑しかない。
単純? 結構。 思慮が浅い? 結構。自分が元少年と同じ立場になったら救ってくれる人が居ないと困る? "明らかに"自分が罪を犯し捕まったら、仕方なく死刑になるよ。子供がしたら? まぁ一緒に死ぬしかないかな?
少なくとも、"生き返らせるべく犯した"とか、"リボンを結んであげた"とか詭弁を弄して生き続けたい、生かし続けたいとは思わない。そんなこと自分の先祖や子孫に恥ずかしくてできない。
安田弁護士らの工作を見て「地獄への道は、善意が舗装する」という言葉を改めて思い起こしました。
投稿: も | 2007年5月26日 (土) 11時48分
先ほどコメントを書いたのですが、日付を見て卒倒しました。大変失礼しました。無視されるとは思いますが、お詫びまで。
投稿: も | 2007年5月26日 (土) 12時02分
ごく当たり前のことだと思うのですが、
>犯罪途中に死に至らしめたなら殺意の有無なんて知ったことではない。反省しようがしまいがどうでもよい。
これですと、殺意なく傷害行為を働きあったところ、結果的に一方当事者が死に至った、というケースでも、
傷害行為を行った者を殺人罪で処断しろ、ということになってしまいますが…。
刑罰制度を、ある事件のあわせて都合よく理解されるような仕方で扱ってしまってはいけないですよ。
あと、「単純? 結構。 思慮が浅い? 結構。」というような書き方に、何かしらの良さを感じておられるようですが、
私には「も」さんが、単に死刑が関わる事件を通して自己の「道徳心」に酔っているようにしか思えませんでした。
投稿: も さんへ | 2007年6月 7日 (木) 23時29分
最近の光市事件のニュースを見て、非常に憤りや不安を感じ、いろいろなページを見ているうちにこのページにたどり着きました。
最初は、元少年や、安田弁護士などを糾弾するホームページばかりが目に付き、なるほど、被害者家族への同情や、はたまた加害者への(法律に引っかからない)報復手段を示すホームページができても仕方がないことか、と感じておりました。しかし、ここのページは弁護士という観点からより客観性を努めていらっしゃたので、興味を持ちましたので、素人ながらコメントさせていただきます。
先のコメント上にも似たようなありましたが、やはり山口を故郷にする人間、家族を持つ父としては、家族を守るためには法律は無力なのか、という同じ感情を抱かざるを得ません。
しかしながら、いろいろな批判の矢面に立たれながらも、献身的に弁護活動を行われているのではあれば、私はそれは評価されるべきであると考えております。
少しだけ話がでていましたが、すべての裁判事項が(テレビやラジオで)オープンになって、完全な情報公開ができれば、私たち素人の偏った考え方や間違った解釈を少しでも軽減できるだけでなく、(近年あまり感じられなくなった)犯罪への羞恥心を生むことができるのではないかと思えてなりません。
話は変わりますが、
昨今、マスコミに踊らされ(?)、昔よりも犯罪が顕著な社会になった、と感じられています。持論ですが、結局のところ、祖父母や親戚、近所づきあいを敬遠しても、高収入を得られる社会を作ったこと、並びに気づいていながらめんどくさいので何もしていない社会があるように思います。
(それは、現在の政治・経済を牛耳っている人たちが上記のような環境を仕方がないものと思っているからだろうと思いますが)
裁判という、莫大な手続きを得る上で、事件の真相を突き止め、もっとより根本の社会生活向上につながっていくことを期待してやみません。
投稿: blackcrag | 2007年6月30日 (土) 11時34分
>昔よりも犯罪が顕著な社会になった、と感じられています。
これは間違いです。
犯罪は減っているし、治安は良好です。
マスコミの犯罪報道が増えすぎているため、多くの人がヒステリー状態になっているだけです。
投稿: yui | 2007年6月30日 (土) 19時54分
僕も光市事件で色々調べているうちにこのページにたどり着きました。安田弁護士の人格やいままですばらしい活動をされてきたことはわかりますが、この事件での裁判内容を見ておかしいと思うのは、普通の感覚ではないでしょうか?マスコミ操作の部分がないとは言いませんが「ドラえもんに・・」や「復活させるために・・」と話したことは事実でしょう。真実は本人しか知らないといいますが、こんな言い訳が認めさせるのが弁護士の正義ですか?目的と手段を間違えています。なら、被害者は死人に口なしで一方的に加害者の主張を信じるのですか?安田弁護士が立派な人だからというのはただの安田教信者としか思えません。
投稿: たな | 2007年7月 3日 (火) 06時48分
>>yuiさん
本当に日本の犯罪は減って、治安は良好なのですか?
外から見ると、日本は大分変わった国だと思います。
現在、海外で仕事をして10年ほどになります。
発展途上国と呼ばれ、貧富の差のある国で、日本で言う危険な国です。
しかし、光市の事件にしろ、ここ数年間の日本での事件では、この国よりも恐怖を感じる事件が多くなりました。
犯罪の目的がとても曖昧だったり、理解に苦しむ事が多くはないでしょうか。
犯罪は減ったかもしれませんが、犯罪の質や内容で見ると、怖い国です。
日本で言う危険国というのは、実際には犯罪目的が明確なのです。お金か恨みのどちらかが大半でしょう。
抵抗しない限り、命まで奪われる可能性は極めて低いのでは無いかと感じています。
外国に住んでみて、逆に日本をもっと好きになりました。
自分の国、もっと胸を張って治安のいい国だと、言いたいですね。
突然の書き込みで失礼致しました。
投稿: 小 | 2007年7月21日 (土) 00時22分
日本でだって、殺人など大半は金銭や家庭内の怨恨などで起こっているようですよ。
また、日本くらい殺人をメディアが派手に扱う国も少ないですし、日本は警察がしっかりしていることも忘れてはいけません。
そういうことで治安を気にできるのも、ある意味では日本が治安のいい証拠なのではないかな?とも考えますね。
投稿: 素朴な疑問 | 2007年7月21日 (土) 11時46分
家庭内の怨恨ってあたりが、海外だと少ないんじゃないですか?
アメリカしか知りませんが、家族を大切にする人が多かったように思いますね。
家庭内での犯罪が多い事自体、嘆かわしい事件じゃないかと・・・
投稿: U.S | 2007年7月24日 (火) 08時16分
ガキの戯言ですがちょっと言ってみたくなりました。安田弁護士のことを知っているつもりの方がいるようですが、それだって確かな物じゃないと思うし、私達がテレビで目にしたこの事件と同じようなもんで、安田弁護士(他の弁護士も)が今実際どう思いながら弁護しているかはあなたも絶対わからないと思う(もちろん私も)「あの人があんな事するはずがない!」「今までこんな素晴らしいことをしきたんだ!」なんて言ってしまっていいんですか?このご時世に、むしろ今までの功績があるから今、多少無謀なことができるのかも・・・テレビやマスコミが汚いのはわかってるし、一部の人間が感情的になって偏った情報を発信してるのもわかる。人間は自分に近い存在に味方したくなるみたいだから、被害者側が自分に近いか、弁護団側が自分に近いか、で完璧に意見が分かれてるように見えます、難しい事いくら並べても根本はそこじゃないですか?どっちの方が感情移入しやすいか、どっちの方が自分がなりうる可能性が高いか、自分がどっちかの味方をする理由を素直に考えてみよう!!
こんな討論の中に乱入しながら言うことではありませんが、私的にはやっぱり外野は黙っておくべきだと思う、だって私達に真実を知るすべはないのですから。
投稿: rhymerule | 2007年7月27日 (金) 08時55分
だいぶ前にここにコメントさせていただいたときには確信は持てませんでしたが、今枝弁護士の発言や、江川紹子さんの発言などを聞くにつれて、被告の異常な手紙や発言だけが世間に受け入れられて、やはり公開情報が偏っていたのだなぁ、と改めて感じました。
そして、赤の他人(といったら失礼ですが)のことでいろいろ意見することで、小生も一つのエゴを達成しているわけですが、外野が外野なりに考えることは、冷静な態度、に徹することだろうと感じました。
弁護士の方々がいろいろな主張をもち、小生らが考えも及ばないぐらいの時間と労力を得て仕事をされている。その論理に対して、改めて被害者側の代弁者であろう検察官の方々の反論を待ちたいところです。
投稿: blackcrag | 2007年9月12日 (水) 08時48分
死刑になるか無期懲役か、私はどちらに肩入れしたくも無いので傍観するのみです。
外野が口出ししてどうにもなるものではなさそうですし、何処からの情報も今一つ信用できません。
ただ一つ言いたくなるのは…何故、この国は犯罪者に対して死か数年、多くて二~三十年後に野放しという選択しか無いのでしょうか?
私は、この元少年が無期懲役になったとしても数年後社会に出てくることに恐怖を感じます。
弁護団の主張通り精神が不安定とおっしゃるならば、精神病院にて徹底した管理の元で完治するまでは絶対に出してほしくないというのが本音です…
投稿: とん | 2007年9月20日 (木) 21時25分
なるほど、そういう解釈か。
確かに少年は虚勢を張ってるだけかもしれませんね。
でもやはり反省もしていなければ、自分のことしか考えてないとしか思えません。強がってしまったって自分のプライドじゃないんですか?
少年犯罪だからって反省しない子ばっかりじゃないんだし。
確かに頭のいい子なら反省した振りはするでしょう。でもこれはただの頭の悪い凶悪犯だと思います。
少年犯罪の弁護の難しさはなんとなくわかりました。この子は長い時間を掛ければ更生してくれるかもしれません。死刑でなく無期懲役でもいいかもと思います。でも少年のこれまでの態度に苦しんできた遺族の気持ちを考えれば、私は死刑を望みます。
投稿: 通りすがり | 2007年10月18日 (木) 16時14分
自分としては、今回の判決の際に弁護士側が突然弁護を変えた理由がよくわからないのです。もしそのままの気持ちを表していたならば、と思うところが少なからずあります。
手紙に関して言えば、記事と同じように感じる点、反省していなかったのではないか、と感じる点と両方あります。しかし、それ以降彼の気持ちにもしかしたらウソはなかったのではないだろうか、とも思うことがあります。
だからこそ、弁護士というものは被害者の意見を尊重しながら、自分の知識を行使して人を守っていくものなのではないでしょうか。最後の方での少年のセリフは、どうしても組み替えられたもののように思えて仕方なかったのです。彼は死刑を覚悟していた、と言っておりました。死刑判決にはあまり異論があるわけではありませんが、それならば最後まで彼の意見を言わせてあげたら、と思いました。
最高裁にこれが上告されました。上告はおそらく破棄されることになるのでしょうが、自分としては少年の本心を知りたい、そして弁護士側の意図していたこと、本当の事実を知りたいと思います。
投稿: 長月 | 2008年4月30日 (水) 22時20分
なんかよくわからんのだが、法曹関係の方々は小難しいことばを並べ立てていらっしゃるようだ。
ただその議論の中に、被害者とその家族の心情というものがどうも登場してこないようなので、なんとなく奇妙に思える。
投稿: k | 2010年6月26日 (土) 21時05分